23 / 359
第22話 億万長者で食費確保!父さんやったよ〜
しおりを挟む「あら!ごめんなさい。お見苦しいところを見せてお客さんが来てたなんて思わなくて」
先程仮面をつけて出てきたのはおじさんの奥さんだった。今は仮面もムチもロウソクもない普通の状態になっている。
「ドラゴンの牙、しかも赤竜ともなると倒すのに軍が呼ばれるレベルよ、一介の冒険者なんて相手にならないわ!どうやって手に入れたかは気になるけど教えては貰えないわよね!それにしてもいつ振りかしらこんな凄いものを扱うのは……」
どうも倒したとは思われておらず、どこかで死んでいたのを見つけて拾ったとか思っているみたい。ま~そう勘違いして貰ったほうが面倒くさくなくってありがたい。
「う~ん………千五百万ウェンでどうだ!」
店長のおじさんが捻り出すような声で金額を提示した。
「マジ!?」
大金じゃん!一般庶民が十年働いても稼げない金額、これなら余裕で食費の不安が解消だー!
「うむ!意外じゃな、妥当な金額を提示してくるとはのう~」
「どう言う意味です先生?」
「商売をする者の言葉鵜呑みにするでない。無知なのを良いことに高く売ったり安く買い叩いたりと不当に利益を得ようとする者は多くおるのじゃ!」
「なるほど、その点今回は意外にも妥当な金額を提示してくれた。……でも高すぎません!ドラゴンの牙を一本売るだけですよ?」
「はぁ~我がついていて良かったのじゃ、赤竜を丸々一匹の相場は大体一億から二億と言われている。もちろん個体によってはその十倍以上になることさえあるのじゃ、牙一本ならそんなものじゃ」
俺は先生の言っていることに驚きを隠せなかった。つまり俺は億万長者になったと言うことだ。笑いが止まらん!
「すまない坊主、金額を提示しておいてなんだが、今この店にそれを払うお金がない!頼む!少し待っててくれ、用意する宛はあるんだ!な!な!な!!!」
おじさんは必死に頭を下げるけど、これってそこまでの物なのか?
「それは構いませんよ!なんなら分割でも良いです!」
「なになにそれで良いの!?キャ~あなた可愛くてカッコいいは!キスしてあげようか?」
今度は奥さん、興奮し過ぎです!ちなみにキスはご遠慮します。
「坊主、本当にそれで良いのか?するつもりはないが俺達が持ち逃げするとは思わないのか?」
「ん?いやそこまでは思ってないけど……」
正直分割の方が助かる。今必要なのはそんな大金ではない。あまり多く持っていると碌な事にならない気がする。泥棒に入られたり、襲われたりと不安要素でいっぱいだ!貯金と思って小出しにして貰おう。
「問題ないんで、それでお願いします!」
「そうか坊主助かるよ!」
夫婦揃って頭を下げてまでお礼をする。
………………▽
俺達は店を出た。
「よ~し当面の食費確保~!父さんやったよ~!」
取り敢えず百万ウェンを手に入れた俺は意気揚々と歩いているとそこに運悪くタンクと出くわしてしまった。
「チッ、タクトかよ!会いたくもないのによく出くわすな!ま~いいや、な~タクト今お金に困ってるんだよ!金貸してくれね~」
ナチュラルにカツアゲされてしまったが、どうしょう今はお金持ちの俺としては、ちょっとお金渡して満足して帰ってくれるならそちらの方が楽な気がする。
しかし、こいつにお金を渡すのは心情的にしたかね~つまり断固拒否!
「えーっと嫌です!」
「………はぁ!?何だと!俺様の言うことが聞けないって言うのか~」
タンクは額に青筋を立てて本気で怒っている。それも仕方がない事か、今まで逆らったことのないタクトに拒否されたのだから当然と言える。
「いい度胸だ!その根性叩き直してやる~」
「ちょっと待った!」
俺は手を前に出してタンクを止める。
「あぁぁ!なんだ怖気付いたのか?だか残念もう遅い」
タンクは腕を振り上げた。
「ノルンはそんな事しても喜ばないぞ!」
タンクのピタッと腕を止める。
「ノルン、なんであいつの名前が出てくる!
これは俺とお前のだな……」
「でもボクに突っかかるのはノルンのせいだろ?」
僅かに震えるタンク。
「もう面倒なんだよ!タンクさん、あんたはノルンが好きなんだ!だからボクにあたるんだろう!どうだタンクさん!」
一步、二歩、三歩と後ろに下がり片膝をつきショックを受けるタンク。
「な、な、な、なにを言っている。そんな訳ないだろう。バカバカしい~」
タンクそんなに動揺しておいて何でもないで通すつもりか!バレバレ過ぎて呆れるよ。
「だからはっきりと言っておこう。ボクとノルンは恋人でもなんでもない、ただの友達だ!タンクさんが思っているような関係じゃない!だから好きなら本人のところに行け!チャンスはいくらでもあるだろうタンク!」
タンクは立ち上がり俺の前に立つ。
「それは……嘘じゃないだろうな……」
じーっと俺の目を見つめる。俺が本当の事を言っているのか確認をしているのか?ならしっかりと答えようがない。
「本当だよ。ノルンとボクは付き合っていない!」
「…………ケッ、分かったよ!さっさとあっち行け」
恥ずかしかったのか、目線をズラしてシッシッと手を振って、どっかに行けと促される。
「うん!それじゃ~タンクさん待たね~」
よっしゃ~これで今後面倒事に巻き込まれなくて済むぞ~やっぱりちゃんと言葉で伝えないとな。
俺はスッキリした気分で歩く姿をタンクが複雑な気分で見続けていることを俺は知らなかった。
「はぁ~お前が良くてもノルンは……なんであんなやつが良いんだよ!……くそ~だけど一つだけあいつが言ったことが理解出来た。俺にもチャンスがある。フッフッフ、やる!俺はやるぞ!」
タンクはこの日から意味なくタクトに絡むことはなくなった。
29
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる