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第39話 領主邸
しおりを挟む「ほえー……当たり前だけど町の中も広いな~」
町の中は人々の活気ある雰囲気か見て取れる。この町はきっと良い町だと人目で分かる。
馬車で正門をくぐるとそのまま大通りを真っすぐ進む、街並みを見て、このあとここを散歩に出かけたいとワクワクして来た。早く宿を見つけてどこかへ行きたい!
「なぉ!ノルンもしかして宿とかはもう決まっているのかな~、早く外に出たくてワクワクが止まらないよ!」
「………………」
あれ?なぜかノルンに反応がない。
「どうしたの?なんかタクトにしては珍しいじゃない。いつになく積極的ね!私はそれが良いと思うわ!タクトっていつも自分を抑えている感じだから、もっと自分を出すべきなのよ」
あれま~やらかしたか、元のタクトぽくない行動はしばらくは控えようと思ってたんだけど、この町の姿を見て興奮し過ぎたかな。ま~このくらいは良いでしょ。
「私もね早く遊びに行きたいんだけど、少し時間がかかるかも、挨拶をまずはしないとマズイから、ちなみに宿はあそこよ!やっと見えてきた」
「え!ほんとー、どこどこ!」
「あれよ、あれ!」
ノルンが指を差し教えてくれた。
「わぁー…………え!?…………あれって城では?」
馬車から見えたのは宿、ではなく、どう見てもお城、あんなところに勝手に行っても入れないしたぶん危険人物と間違われて捕まる。
「いや、ダメだよ!ノルンあそこはお城だよ。きっとものすごく偉い人が住んでいるよ」
ノルンはたま~にアホなことを言う、きっと間違えているな。
「何言ってるのよ!当たり前でしょ、あそこは領主邸なんだから、でも大き過ぎるはよね。屋敷って言うより、確かにお城にしか見えないもの」
へーあれが俺達が住んでいるセドリック領の領主様が住む屋敷、デカ過ぎる気がするけどそんなに儲かっているのかな~?
「それで、領主様のお屋敷なんだろ、あんなところに、行けないよ~」
「え!?………あれ?もしかして話を聞いてないの?」
「はなし?何の話」
「え!?だって、え!?そんなので大丈夫なの?」
いやいやいや、ノルンはなんでそんなに驚いているの?何がダメなのか分からないから大丈夫かどうか分からないよ~
「アッハハハ、すまない!タクトくんだけには伝え忘れていたよ。ノルン、タクトくんに教えてあげてくれるかな」
「はい、お父様、
タクト、私達は領主様が主催するパーティーに出席するために来たのよ!」
「はぁ?………私達じゃなくて、あれだよね。そのバロン様とスカーレット様とノルンが出席だよね」
領主様のパーティーに平民の俺達が出席出来るわけがなく、バロン様達貴族が出席するのであって俺達はそのついでに旅行に誘われただけだと、俺は考えた。
「違うわよ!タクトももちろん入れるわ。事前に話も通してあるから安心しなさい!ただその服装では入れないから準備しないと」
「えっとちょっと待ってよ!服装の問題があるのは分かるけど、それ以前の問題だよ!なんでボクも出席するの!とてもじゃないけど緊張して行けないよ~」
「はぁ~情けないわね~、そんなのノリよ!その場に居て、テキトウに喋って、美味しい物を食べれば良いのよ!」
えー………そんな訳ない!
前世の記憶で貴族って不敬罪とか言ってあっさり人を殺すイメージがあるんだけど、そんな気軽なこと出来ませーん!
「あら~ノルン、どうもまだ分かっていないようね~」
ビクッと肩を上げノルンは後ろを振り向く、そこには鋭い目つきをしたスカーレット様が立って居た。
「まだまだ指導が足りないようだから、家に帰ったらみっちりシゴいてあげるわ。楽しみね~」
ガチガチと歯の音を鳴らし恐怖するノルン、前言っていた地獄の特訓か、一体何をやっているんだ?
「タクトくんもノルンと一緒にどう、優しくしてあげるわよ~」
なんか一瞬ゾクゾクした。これは危険と判断!
「アハハハ、ボクは貴族様ではありませんので、こんなパーティーに出席するのは最初で最後でしょう、なのでボクには不要かと思います」
「そう~分かったわ!今回はノルンに集中したいし、タクトくんは後日にしましょう」
え!?断ったりつもりなのに、指導確定てすか!?
俺達がバタバタ騒がしく話をしていると、バロン様が、その話はあとにして、もうすぐ屋敷に着くので席につきなさいと言われた。
城のようなお屋敷に入り、バロン様はそのまま領主様に挨拶を伺うため別れ、他のみんなもそれぞれ部屋に通される。俺はニキとローム先生と一緒の部屋にして貰った。部屋の中に入ると俺達には豪華な作りの装飾がされてかつ広すぎる。なんとも落ち着かないが、広くて文句を言うのはお門違いだし、ここはしっかりとこの部屋を堪能しようかな。
俺は家のベットより遥かに柔らかく肌触りの良いベットにダイブ!それに続いてニキと先生が飛び込んできた。楽しい旅行にするぞー!しばらくゴロゴロしながら3人で過ごした。
………………▽
「どうされたのですかローラン閣下、あなたらしくもない」
「いやすまないバロン、お前の顔を見て少しホッとして気が抜けてしまったようだな」
バロンの前には顎髭をリングで止めた初老の男性が疲れた顔をして座っていた。彼はこの国の外務大臣、名はセドリック・ローラン、かつてバロンが世話になった恩人である。
「何か王都であったのですか?」
バロンはつまみのチーズを食べ、ワインを一口飲む。
バロンにとってローランは遥かに上の爵位を持つ者だが、二人は昔から仲であり、あまりよそよそしい態度で喋るとローランに注意されるので、バロンは出来るだけ気兼ねない言葉、態度を取るようにしていた。
「そんなところだ、ここ最近はそれに頭を悩ませまともに寝られんよ」
「何があったのです?」
ローランはため息をつき、ゆっくりとバロンを見て答えた。
「反乱だ!この国を揺るがすほどの大きな反乱が起きようとしている」
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