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第48話 襲撃
しおりを挟む「私もあの人キラーイ!パパ達にいつも嫌味なことを言うなの!プンプンなの~」
「分かった!分かったよアイリス」
あれからローラン様達と別れ、今はアイリスとデザートを食べながらお話をしているのだが、どうにもアイリスがさっきの件でご立腹のよう。
「先程は災難でしたな、私も助けに入れず申し訳ない」
アイリスの護衛騎士のタリアさんが頭を下げる。
「ああ!タリア様は悪くないんですから、頭をあげて下さい。それに伯爵相手なんです。当たり前ですよ!」
「そう言って頂くと助かる」
タリアさんはホッとした顔に変わる。
最初は顔の傷のこともあり、強面のアマゾネス的な人かも思ったけど、やっぱり根が優しいし、傷がなければかなり美人だと思うけど……
「もう!私を無視しないでなの、これ食べてタクト、美味しいよ!」
アイリスがプリンみたいなデザートを持って来てくれた。一口食べてあまりの美味しさにホッペが落ちそうだと表現したくなった。
「どれを食べても旨いな~出来れば先生達も呼びたかったな~」
先生達にはずいぶんと文句を言われた。しかしさすがにパーティーには呼べず、なんとか後で豪華な料理を持っていくと言って説得した。ふ~これなら先生達も大満足だ!
しかしあれだな、俺がここに居ても周りが貴族なうえに知り合いでもないから、もうそろそろ出て行っても良いかも知れないな。そうだ先生達にご飯持って言ってやろう。
「アイリス、ボクそろそろ部屋に戻るよ」
「えーダメなの!行くならアイリスもついて行くなの」
「いや、それはマズいんじゃ~」
俺はダリアさんの方を向くと、無言で頷いた。
ですよね~!
「アイリスごめん!ダメみたい」
「えーつまんなーい」
アイリスは俺の腕に掴まり離してくれない。
困ったな~と頭をかいていると、少し顔色の悪い男が目の前に立っていた。
なんだ?この人、大丈夫か、目がイってる気がするけど。
男はニヤリと笑いこう言った。「みーつけたー」と、男は突然アイリスに向かって手を伸ばす。俺は明らかに変な行動をしたため、アイリスを引っ張り前に出る。
「邪魔だ!」
男は俺の腕を掴み凄い力で投げ飛ばす。
俺は壁に叩きつけられ痛みに耐える。
俺が投げ飛ばされ周りは大騒ぎになっているが今はアイリスを守らないと!
再びアイリスに男の腕が伸びる。
「貴様!アイリス様に手は出させん!」
ブシュ……男の腕が宙を舞う。
「ギャー私の腕が!!」
男の片腕をダリアさんが斬り飛ばした。
「貴様!一体何をやっているのか分かっているのか、これ以上やればお前の首を斬り落とす」
ダリアさんは剣を男に向け、投降を促します。
「は~は~は~……………」
男は痛みからか荒い呼吸をしていたが、突然何事もなかったように立ち上がり、ニヤリと笑った。
「イッツ、ショータイム」
男が言った言葉に合わせて、周りの何人かの叫び声が木霊した。近くの発生源を見ると、人が血の涙を流しながら叫び背中が裂けていく。
「バキッ…ゴボッ」
気持ち悪い音と共に醜い姿をした化け物が出て来た。
周りは当然大パニック、そこら中で叫び声が聞こえ逃げ回っている。化け物は周りの人間を喰い殺そうと襲い、それを周りの兵士達が応戦していた。
「うっうっ………ウゴーーー」
ダリアさんが腕を斬った男もまた化け物を生み出したが、そいつは一回り以上大きく、ダリアさんの有に倍はある大きさだった。
「おのれ化け物!アイリス様に手は出させん!」
剣と鋭い爪が衝突し火花が散る。
ダリアさんは化け物相手に奮闘していた。相手の攻撃を上手くいなし懐に入り斬り裂く。化け物の皮膚が思いの外硬いため致命傷は与えられていないが着実しダメージを与えている。これならあの化け物を倒すのは時間の問題だろう。
「キャー!」
当然アイリスの叫び声が聞こえた。
アイリスの方を見ると、いつの間にか黒いローブを着た男が、アイリスを捕まえていた。
「アイリス様!!」
ダリアさんは振り返りアイリスを助けに行こうとしてしまった。化け物は血だらけになってはいたがまだ動くことが出来てしまった。
ダリアさんは無防備の状態で側面から巨大な腕で横薙ぎにふっ飛ばされた。
「いやーーダリアー!」
ダリアさんは数十メートル吹き飛ばされ地面に転がり動かなくなり、アイリスの悲鳴が木霊した。
くそーこんなところで止まってられるか!
俺は立ち上がりアイリスに向かって走り出す。
ローブの男は何か呪文を唱えている。俺は魔法使いじゃないからさっぱりだが、かなりの魔力を感じる。嫌な予感しかしない。
『開け!常世の闇へと続く門よ!シャドウトランゼッション』
ローブの男の足元から闇が溢れ、ゆっくりとアイリスを連れて沈んでいく。
もしかしてアイリスを連れ去るつもりか!
「アイリス!今行くぞ!」
百メートル先からヴァルト様の声が、ローラン様とバロン様と共にこちらに向かって走って来る。
でももう間に合わない。すでにアイリスの姿は見えず、ローブの男の頭しか見えない。このままではアイリスが危ない!俺はヘルメットをかぶり一気に加速、そのまま闇の中に突っ込んで行った。
『アイリス待ってろ!ボクが絶対助ける!』
前も後ろも分からない闇の空間に俺は落ちていった。
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