52 / 359
第51話 アイリス救出
しおりを挟む◆アイリスの視点
何が起こったの?怖いよ~。
私はパーティーでタクトとお話をしてると、顔色の良くないオジサンが来て、突然タクトをぶん投げたの、私は怖かったけどダリアが助けてくれた。オジサンが化け物に変わると色んなところから叫び声が聞こえて怖いよ~
ダリアが私を守るために化け物と闘っている。私はがダリアの後ろに隠れていると、突然知らない人に腕を掴まれた。私は怖くって声をあげた。ダリアはその声を聞いて助けようとこちらに振り向く。
ダリアーダメ!後ろに!?
化け物がダリアを殴り吹き飛ばしてしまった。
「いやーーダリアー!」
私のせいでダリアが!ダリアが!
悲しんでいる時間すら私にはくれないの、
ローブを着た男が、私を連れて暗い暗い闇の中へ引っ張っぱって行った。
目が覚めると私は丸い籠の中に入れられて運ばれていた。
周りにはローブを着た顔色の悪いオジサン達いっぱい居る。
誰か……助けて……怖いよ~
私は怖くて涙が止まらなくなった。
籠に入れられて連れて来られたのは、すごく広くて薄暗い場所、周りには松明で照らされた石像がユラユラと揺れて怖い。
少し進んだところに赤く光る魔法陣が描かれていた。私は籠ごとそこに置かれて、周りの男達は変な言葉を喋って祈りを捧げていた。
怖いよ~助けて……パパ、ママ、ダリア……タクト
◆タクトの視点
俺はこのアジト最上階、生贄の間へと向かう。アイリスは今きっとすごく怯えているはず、急いで助けに行かないと。
俺はさらに階段を上がり続けると声が聞こえてきた。まるで呪文を言っているようなその声は不気味でしょうがなかった。
「居た!アイリスだ!」
アイリスは丸い籠に入れられて、魔法陣の中心に置かれていた。
早く助けに行きたいが、無闇に突っ込めば返り討ちにあってアイリスを助けられなくなる。ここは我慢しろ。
見る限り敵は10人、アイリスの周りを囲むように8人、こいつらは何かブツブツと呪文を唱えながら祈りを捧げている。あとの二人は祭壇で一人は大斧を磨き、もう一人は赤い仮面を付けて祭壇の準備をしていた。
「時は満ちた、我らが王に従い聖女の魂を捧げよう。穢れなき小娘に恐怖と絶望を与えよ。我らが王よ。どうかお受け取り下さい。そして我らにさらなるお力をお与え下さい」
祭壇いる男が言い終わると、大斧を持った男が立ち上がりアイリスに向かって歩き出した。
まさか!?それはダメだろうがー!
アイリスは男2人に籠から引き出されて、そのまま仰向けに倒され両手両足を押さえつけて固定される。
アイリスは恐怖で泣き叫び、その姿を見た男達は光悦した表情をうかべる。
「さー腕だ!まずは左腕を切り落とせ!」
祭壇に居る男の命令で、大斧を持った男が斧を振り上げる。
「グサッ」
斧を持った男の腕にビスが刺さる。
斧を振り下ろさないのでアイリスを押さえている男達は不審に思い見上げると、そこに一人の男が降り立った。
「アイリスに手を出すなバカ野郎共が!」
俺はアイリスを押さえている二人に蹴りを入れ吹き飛ばすとアイリスを抱えて敵から距離を取る。
「何者だ!貴様はどうやってここに……いや儀式を邪魔するとは生かしては返さんぞ!」
「うるさい!どうせ何やっても見つけたら殺すつもりだろ。それにだ!ボクの友達に酷いことをしてくれたじゃないか、ただで済むの思うなよ」
「クソガキが吠えよって、お前は挽き肉にして俺があとで喰ってやろう」
「はぁ!?何言ってるんだお前は!」
あまりにも恐ろしくそして理解の出来ない言動、こいつらは相当ヤバい組織のようだ。
「タ…ク…ト…?……タクト!タクト!タクトー!怖かったよ~(泣)」
俺の胸に顔を擦りつけるように抱きつくアイリス。
「ヨ~シヨシヨシ…よく頑張ったな!怖い思いしただろ。来るのが遅くなって悪かった。もっと早く来るべきだった」
俺はアイリスの頭を撫でながら、徐々に怒りが込み上げっていくのを感じた。
「アイリス、少し下がって待っててくれ、ボクがあのバカ共にお仕置きしてくるからな~」
「ダ、ダメなの、逃げるなの、タクトが殺されちゃうなの」
アイリスは俺に抱きつき離してくれない。きっと俺のことを心配してくれているんだろう。
「アイリス、ボクは絶対に大丈夫、ボクって案外強いから、ボクのカッコいいところ見ててよな」
俺はアイリスをひと撫でして敵のいる方へと歩いて行く。
「ほぉーずいぶんと大見得を切ったものだ、それはこれを見ても言えるのかな、やれ!お前ら」
祭壇にいる仮面の男が指示すると、さっきまで居た普通の人間が黒い化け物に変異した。これはパーティーで暴れていた奴だ!
取り敢えずヘルメットを着用するとブンッと目の前に長いムチのような腕が通り過ぎた。化け物は一人一人個体によって腕の形状が違う。剣の形やハンマーみたいな奴までいる。
「上等だコノヤロー、全員ぺたんこにしてやるよ!カンナーハンマーくれー」
「タクト、ハンマーや、ホイな!」
俺は飛んで来たハンマーを受け取ると集中しイメージをそれぞれの個体につけてハンマーを振った。
戦いは九回振っただけで片付いた。全員ペッタンコに潰れてしまった。前も思ったけどえげつない威力、そして扱いの難しさ、離れた位置を攻撃するハンマーは空間把握がしっかりしないと上手く発動しない。その為今まであまり多用出来ていなかった。
「わーいすごいなの!タクトは超強いなの~」
アイリスが両手をあげて飛び跳ねて喜んでいる。
笑顔が見れたのは良かったけど、あまり少女に見せる光景じゃないんだけど。
「驚いた!お前のようなクソガキがそんなスキルを持っていたとは、どうやら見えないが何らかの方法で遠距離攻撃をしているようだな。良いだろう私が相手だ、覚悟しろ」
仮面の男は仮面を外す。そしてそれを投げると叫ぶように唱える。
「我が契約に応えよ!我が王パイモン様に従える悪魔よ、王のために力を貸すのだ!」
男の顔は赤くなり額から二本の角が生える。まるで鬼のような姿に変異した。
「ガハハハハ、お前を喰い殺してやるぞ!」
鬼と化した男は傍にある石像を掴むと、こちらに向かって投げる。
まともに当たれば大怪我間違いなしだけど、ヘルメットの力で難なく躱す。
「今度はこっちの番だ!このままハンマーでぺしゃ………あれ?」
あの男が3人に……イヤ5人……イヤ10人に増えた!?
「どれが本物か分からなければ、そのハンマーで攻撃出来まい」
チッ、ちょっと目を離した隙に………なーんてな!
俺はメガネをかける。
「あ!左から3番目が本物ね!」
数十秒過去の映像を確認、そそくさと男が移動する姿を見ることが出来た。
「なに~バカな!?なぜ分かった」
男は仰天しているが、そんなことは教えるわけがない。
「ま~あの世で反省したら、いつか教えてやるかもな
『ハンマークラッシュ』」
男はペシャンコに潰れた。
「タクトーー」
俺に取り込むようにアイリスが抱きついて来た。
「タクト、カッコいい!すっごいすっごい強かったなの」
「ヘヘッ、そうだろボクって、結構強いんだ~」
アイリスがあまりにも褒めてくれたから照れるぜ。
それからさっさとここをおさらばしたくて、アイリスと脱出を試みるのだが、まだ下の階層には多くの敵がいるはず、慎重に行かないと。
「う~ニャムニャム………すこい……なの」
現在アイリスは俺の背中で眠っている。
かなり疲れていたので、気を失うように眠ってしまった。こんな時に……とは思うがあれだけのことがあったのだ。相当疲労しているはず、仕方ないことだな。
そろそろ下の階層のはず………なんだこりゃ~!?
階段を降りた先には数十人…いや百人以上の人が斬られて転がっていた。全員ここの奴らだとは思うけど、誰がこんなことを、アンディーが倒してくれたのか?
俺は警戒しながら進んでいくと、そこには壁に磔にされたアンディーと白銀の騎士が立っていた。
35
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる