137 / 359
第136話 環境が人を育てる
しおりを挟む「二人共前より格段強くなってない?どうしたの二人共」
「ふふ~ん、そうでしょ~もっと褒めていいのよ!タクト、私もいつまでも弱いままなんてイヤだったから父様と母様にお願いして前以上に厳しい修行を受けたのよ!おかげで戦うってことがよく理解出来たわ。あと母様が今まであれでも手加減してくれてたことも分かったわ」
ノルンは訓練を思い出してやや震えていた。
相当恐ろしい修行なのだろう。
「ノルンもかよ。俺もジャクソン村では役に立てなかったからな。親父にちっとしごいてもらった。俺も思ったが俺の親父も今まで大分手加減していたみたいだな。もしかしたら俺達の親は想像以上にすごい人達かもな」
アポロンの言葉に俺も激しく同意、父さんと母さんは間違いなく俺が思っている以上に強いと思う。
「あなた達、油断しているんじゃないわよ。あちらさんやる気満々みたいだわよ」
ジェーさんの言った先には筋骨隆々の鬼、ビックオーガが2体こちらを睨んでいた。
「おっしゃ!ちった~マシなやつが来たな!」
「良いわね!あれくらい強そうな奴じゃないとやり甲斐ないもんね!」
二人共やる気満々だ。
前世の俺だったらあんなの出たら腰を抜かすか速攻で逃げるのに、この二人で全然気後れしていない。すごいな~
二人共身体能力を強化すると、そのままオーガに向かって走って行った。
「あの二人の成長は目覚ましいわね。才能もそうだけど環境がそうさせるのね」
ジェーさんは随分と考え深いと言った表情をする。
「ジェーさんだってまだまだ強く慣れますよ。まだ二十代でしょ。まだいけますよ」
「あらやだ!励ましてくれるの?でもちょっと違うわね。私が思っていたのは別のことよ。羨ましいと思ったのよ。あなた達の親を見て、ワタシの親は結構クズだっから、親のせいだけにするつもりはないけれど、ワタシも影響されて大分クズだったからね。もっと早くあなた達に会いたかったわ」
「そう言って貰うと嬉しいです。過去は変えられませんけど、これからは変えられます。ジェーさんはまだ若いんですから取り戻しましょう人生を!」
「ん~……なんかタクトちゃんと話していると年上みたいに感じるわね!ほんとにあなたは面白い子ね」
「ハハハ、どうも」
そりゃ~………年上だからね!(前世を含めて)
二人は危なげないところはあったが、オーガの上位種ビッグオーガを倒した。ジェーさんが言うにはこれを単独で倒せると言うことは冒険者で言うところのBランク相当らしく、この歳でそこまでに至ると言うことは非常に稀なことだと二人を褒めていた。
「さて、そろそろ食事にしたいんだけど、安全そうな場所ってどこかあります?」
ジェーさんに質問をした時、ニキがぴょんっと頭の上にのり、パンパンっと叩く。
「どうしたニキ?なんかあったか?」
ニキは前足を左の方に向ける。
あ~そっか、みんなの前だから喋れないのか!
でももう良いかな。俺もそれなりに目立ってしまったし、そろそろ解禁かな。
「ニキ、このメンバーなら喋っても良いぞ!」
「お!マジでかタクト、それなら面倒なのは抜きだ!さっきからへんなのがついて来るぞ」
なに!?
ニキが前足を指した方向を見たが特に何も見えない。
「あらあらこのワンちゃん喋れるのね!かわいいわ~ん!それにとってもお利口さん」
ジェーさんは剣を引き抜く。
「ジェーさん何かいるんですか?」
「あらあらタクトちゃんはニブちんね!十人は居るわよ!」
アポロンもノルンもジーっとそちらに目を向けているが見えてはいなさそう。ジェーさんとニキには何が分かったんだ?
「隠れてないで出て来て良いわよ!」
「…………………」
シーっとして何の反応もない。
「あら~……出て来ないつもりかしら?ま~良いわ!それなら力尽くで行きましょうか」
「まー待て!今出るよ!」
暗がりの場所から人影が現れる。
さっきまで確かに見ていたのにまるで分からなかった!
「見つかったからには手は出さない!誓うよ!ドラゴンバスター相手に真正面からやり合おうなんて無謀だからな」
黒い色の服と軽装の鎧をつけた男は手を上げ降参の姿勢をとった。
「あら、私達を暗殺して身ぐるみ取ろうとでもしてたのかしら、それなら逃がすのはちょっと無理よ」
「いやいや、待ってくれよ!確かに俺達はあんたらを襲おうとしたが、見つかった以上手は出さない。それにいくらあんたでも、本気で逃げる俺達は捕まえられないと思うぜ!止めとけよ」
男は自信があるようでニタリと笑い。見えないが周りからも笑い声が聞こえる。
「あなた達、どうやら高いレベルの隠密スキルと何か魔道具を使っているようだけど、過剰な自信は身を滅ぼすわよ!ね~タクトくん」
「なんでボクに振るんですか!?」
いきなりだったのでビクッとしてしまう。
しかし、ジェーさんの目は本気だ!俺になんとかしろと………分かりましたよ!考えますよ!
「なーなーウチもまぜてぇ~な!」
「はぁー!……遊んでるんじゃないぞカンナ」
「ウチ役に立てるでぇ~、何がしたいか言うてみ~」
「う~分かったよ!それじゃ~あの男の仲間がどこかに潜んでいる。そいつらがどこに居るかを教えてくれ!」
「えっと!あそことあそことあそことあそことあそことあそことあそことあそことあそことあそことあそことあそことあそこ………」
「ちょっ…ストップ!待て待て、なんで分かるんだよ!それに多くないか?テキトウに言ってないだろうな」
「なんやねん!教えてあげてるのにいちゃもん言うか!ウチは嘘ついとらへんでぇ!」
「別に嘘ついてるとは思わないけど、なんで分かるのかな~……」
「ウチは空間把握が得意なんや!せやから目~瞑っとっても大体のことは分かるんや!」
「なるほど、でもそれならさっき道に迷った時は……」
「せや!なんで行き止まりの方に歩いて行くんやと、腹の中でわろてもうたわ!」
「アホか!言えよ!」
「あ!いた~……も~う叩かんといてぇ~な!」
「やかましいわ!反省せい!たくぅ~しょうがない奴だな~、それで何人で位置は全部分からんだな!」
「もちろん分かるでぇー」
「それなら良い!行くぞカンナ!」
「はいな!いてもうたるでぇー」
プラスドライバーから放つビスの乱れ打ち!
カンナの指示で俺はビスを打つ!壁や地面に張り付いて隠れている奴らを根こそぎ捕まえる。
「動けないぞ!何をしやがった!」
そこら中からワーワーと怒鳴り声が聞こえる。でもそんなの無視だね!さっきまでの話を聞く限り同情は要らない。死ねばいい。
俺達はその場を去りダンジョンの下層を目指す。
そして俺達を襲った男達は動くことが出来ず、集まって来る魔物共の餌食となるだろう。
自業自得だ!
15
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる