異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

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第150話 選ばれし町長

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 母さんが俺達を殺しに来る敵の部隊を壊滅させてしまった。悪いことではないのだが、行動自体には問題があるように思えた。


「ブラック、その部隊は闇ギルドで構成された部隊だろ」

「その通りだバロン、リーダー以外は全員今回のために集められた。その辺については確認済みだよ。問題ないと思う」

「そうか分かった。問題はない。タクトくんがショックを受けている様だけど大丈夫だから」

 おっと、クレイジーな母さんの話を聞いてちょっとばかし驚いてしまった。バロン様に心配をかけてしまったか。

「あ!全然だいじょうーー」
 喋っている途中に腹のあたりに衝撃が!見ると母さんが目をうるうるさせて抱き着いていた。

「あ!ごめん母さん、そんなつもりじゃなかったんだけどびっくりしちゃって、心配かけたね」

 俺は母さんの頭を撫でる。

 失敗失敗、母さんを嫌ったわけじゃないけど母さんにはそう見えてしまう反応をしてしまった。母さんはこう言ったことに敏感だから気をつけないと。

「すいません、話の腰を折ってしまって、父さん話の続きをお願いします」

「気にしなくて良いよタクト、驚くのは無理もない。ただおかげで奴らも動揺させることは出来たと思う。油断をしてはいけないが過度に注意をすることもない。疲れてしまうからね」


「うん、分かったよ父さん」


「良し、それでもう一つみんなに伝えておこう。大魔導師が城に招集されるらしい。これについては良い情報とも悪い情報とも言えないが敵対すれば厄介なことは間違いないから気をつけてほしい」


 大魔導師か…………名前負けしないすごい人なんだろうな~。少し会ってみたい気もするけど、王都に招集されたのなら、俺達もしくはゴエティアを相手させるつもりだよな。それなら敵になる可能性があるわけだ。


「あの子頭固いから気をつけなさい。多分説得しようと話しかけても聞く耳持ってくれないわよ」

 イリスはボソッと喋り紅茶を飲む。

「イリス、大魔導師を知っているのか?」

「もちろんよ。あの子に力(スキル)を与えたのは私よ。あなたと同じ私の使徒なんだもの」

「えぇーー!?今度の敵は同僚………いや待てよ。それならイリスが声をかけたら戦わなくても済むんじゃないか」

「んーーそうね。なんとも言えないわね。さっきも言ったけどあの子頑固なのよ」

「頑固とかそう言う問題なんですか?女神であるイリスが言えば聞くでしょ普通」

「その言葉しっかりとその胸に刻んでおきないタクト」

 げぇ!失言だったから!

「あの子とは訳あって行き違いをしてしまったの。それ以来一度も会っていないわ。だから呼びかけても来ないかも知れない」

 それは面倒だな。
 
 呼んだところで味方になってくれるどころか逆にこちらに付け入る隙を作ってしまうかも知れない。それならむやみに接触は出来ないか。


「大分面倒だな。そいつとは出来る限り関わらない様に避けておこっと~」

「それは少し難しいかもしれないわね」

「どうしてだ?イリス」

「大魔導師の肩書きは伊達じゃないのよ。あなた達を追うつもりでいれば探索魔法の一つや二つ持っているのよ。その場合、ただ隠れただけではすぐに見つかるわよ」


 なるほど、そんなに甘くはないか、でもな~俺の隠密スキルのレベルじゃ~どうにもならないだろうし、他のみんながなんとか出来ると思えないし、さてどうしようと考えても思いつきそうな気がしない。それならいっそ諦めるか、もしも会って俺達に敵対するなら排除するまでだ。そっちの方がシンプルで良い。


「何か良いことを思いついたのかしら」

「いいや、まったく、諦めることにしたよ。考えても分かりそうにない。イリスがその大魔導師様のことをもっと教えてくれれば対策を考えれると思うけどな~」

「ふふふっ、残念だけど教えてあげられないわ。あの子も私の使徒だもの、贔屓は出来ないの」

 やっぱ教えてくれないか、案外イリスって情報を意図的に隠している時がある気がするんだよな~。意味があるかどうかは分からないけど。

「父さん達ありがとう。だいたいの状況は分かったよ。それを踏まえて今度はどう動くかだけど、しばらくは休息を取って……
 
 ここに居られる女神から神託です!

 ここに町を作り信者を増やせとの仰せられました。

 だ…か…ら…良い人を見つけたら勧誘して下さい!」

 …………あれ?反応がないぞ!
 みんな……しーっとして微動だにしない。
 何かまずいことを言ってしまっただろうか?


「タクトくん一つ宜しいかな?」

 神父様が手を挙げる。

「どうぞ神父さま」

「うん、ありがとう。お願いがあるんだが2メートルくらいの自然石を用意して貰えないだろうか」

「えっと……それをどうなさるおつもりです」

「イリス様の石像を作りたいのだ。これから人が集まりイリス様の信者となる。そんな彼らの信仰心を高めるのに一役買ってくれるのではないかと私は思っている」

 熱く語る神父さま。
 俺は横目でイリスを見て思う。ここに本人が居るんだし、石像とか要らないのではないかと、でも冷静に考えるとそんなにホイホイ神様に会えては有り難みがなくなる気もする。ここは神父さまの言う通りにしよう。


「分かりました神父さま。ちょっと待って下さいね。
………あ~あったあった。ポチッとな!」

 タブレットを使い自然石を購入。
 ドスッと石が地面に落ちる。

「お!助かるよタクトくん」
 神父さまはヒョイッと石を担ぎ上げる。かなり重いはずなのに流石はマッチョ神父。

「それでは他に質問はないですか?」

「タクトくん私からも質問と言うがお願いをしたい」
 
「はい?どうぞ」
 なんとなくバロン様が改まっている気が何をお願いされるのだろうか。

「ここに人を集めて町を作ると言うことだが、それならばリーダーとなる者が必要だ」

「あ!そうですよね!ボクもお願いしようと思っていたんですよ!バロン様、またお願い出来ますか?」

「あ~もちろん断るよ!」

「ありが…えーー……バロン様!?今なんて?」
 快く承諾してもらえると思ったらあっさりと断られた!なんで!?

「もちろん断ると言ったのだよ!私にはその資格はない。なんせつい最近町を守れなかった男だよ!当然だろ」

「いや、そんなことはありません。確かに町はなくなってしまいましたが、それは仕方ないことです。あれ程の戦力を相手になんとか出来る町があるとは思えません!それにバロン様のリーダーシップはすごいい思います。皆の意見に耳を傾けながらそれを上手くまとめて導く、そんなこと出来る人、バロン様以外にに誰がいると思うんですか!」

「うん、タクトくんありがとう。そんなに言われるとは嬉しく思うよ。今まで頑張った甲斐があったと言うものだ。でも私より適任者が居るんだよ」

「えぇ?あ…そう言うことですか、それは誰ですか?」

「私がここの長に推すのは君だよ。タクトくん」

「………へぇ?バロン様何を言われるんですか!ボクなんかに出来るわけ無いでしょ」

「そんなことはないさ、今だって私達を上手くまとめている。それに全てを一人でやろうとしてはいけない。適材適所、上手く協力しながらやればタクトくんが出来ないと思うところもクリア出来るからそこは心配しなくて良い」

「ん~……バロン様が言われることは分かりますけど、それならボクではなくても他の人でも良いと思うのですが?」

「う~ん、そうかな私はそうは思わない。タクトくんが適任者だ。どうしてもと言うのであれば、ここで決めれば良い。タクトくんがこの町の長に賛成の人は挙手してもらえないか」

 えーそんな学級委員を決めるんじゃないんですよ!簡単すぎませーん!
 そう言いたかったけどバロン様に言うことも出来ず、それに町とか言ってはいるが、今はここにいる人で全員、確かに問題はない。どうせ誰も挙げないだろうと思っていた。……しかし

「え!?………なんで全員………」
 俺は驚きを隠せなかった。
 どうせ手を挙げるとしても母さんくらいであとの人達は全員バロン様に決まっていると思っていたからだ。そんなバカな!?

「これがこの場所に住む住民の総意だよタクトくん、それに女神様まで手を挙げているんだ。これが覆ることはないよ!諦めなよタクトくん」

 えーーって、なんでイリスまで手を挙げているんだよ!確かにこれじゃ~逃げられない。

「諦めなさいタクト、神託で言っても良かったのだけど、それではあなたのためにならないと思って言わなかったわ。これはここに居る人達の思いよ!しっかりと受け取りなさい」

 イリスがさらに後押しするもんだから神父さまとアボロンがうるさい。
 はぁ~でもみんながしぶしぶ手をあげているように見えないし、つまりそれは俺で良いってことか、はぁ~、これじゃ~しばらくはのんびりは出来ないじゃないか、

 それでもここに居る人達の為なら頑張りたいってこの町を良くしたいと思えた。だから受けることにした。

「分かりました!ボクがこの町の町長になります。みんなで良い町を作りましょ~」

「わぁーー」と皆から歓声があがる。
 
 こうして俺はこの町の長となった。たった十数人しかいないけど、それでも町長だ!人が増えたらまた選挙とかするだろうし、それまでは頑張ろう~っと。
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