152 / 359
第151話 大魔導師……その名は
しおりを挟むなんやかんやで俺がこの町の町長をすることに決まり、話はだいたい終わったかなと思った時だった。
「タクトくん、すまないが一つお願いがあるのだが」
「はい、なんでしょうかバロン様」
俺が返事をすると何故かバロン様は苦笑い。
「アハハハ、タクトくん流石にもう良いだろ。様は要らないよ。私は貴族ではもうないのだから、むしろ新たに町長となったタクトくん様を付けないといけなかいな~」
「いや、やめて下さい。言った瞬間震え上がりますよボク、でも確かに……これからはバロンさんとお呼びしますね!それで何ですかお願いごとって?」
「それなんだが、私をマルクトへ連れて行って欲しい。一度ローラン提督とヴァルト卿に話がしたい」
「王都の件ですね。それと貴族殺し、この対象に二人がなるかもしれない」
「流石はタクトくん話が早くて助かるよ。あの方々には大変世話になっていたから、特に心配なのだよ。もちろん情報はすでに聞き及んでいるとは思うが、それでも心配なのは変わらない。会って話がしたいのだよ。それに新しい情報が聞けるかもしれない」
「そうですね~……良いですよ。行きましょ。行くのは明日で宜しいですか」
「あぁ、それで構わないよ。私も少し準備がしたいから助かるよ」
これで話し合いは終わり解散となった。
俺は魔導ショップのおっさんに用があったので、声をかけておっさんの家に行く。
…………▽
「おほぉ~……すげぇ!すげぇ!すげぇ!すげぇ~」
おっさんがタコ踊りをしている。
俺はダンジョンで手に入れた魔物の素材や魔石をテーブルのうえに置き、それを見たおっさんは感激のあまり踊っているのだが、おっさんの踊りなど見たくはない。さっさと話をさせろ!
「へぇ~これは私も見たことないわね~」
おっさんの奥さんエルシーさんはドラゴンオーガの角を手に取り真剣な表情で考えている。エルシーさんはムチでおっさんを叩いているドSな時のイメージが強く以外に感じたけど、この人は大手の魔導ショップの娘さん、それなりに興味を示してもおかしくはないか。
「そうだな!俺も見たことないぜ!それにドラゴンの牙やら爪やらがこんなに大量に、一体俺に何をやらせるつもりだ旦那!」
「旦那?坊主じゃないの」
「そりゃ~そうだろ。歳は遥かに下かもしんねぇ~けど俺は旦那を尊敬してるし何より世話になってる。いつまでも坊主ってのは失礼にも程があると思ってな!だからこれから旦那ってよばせてもらうぜ!」
ほぉ~、坊主から旦那に昇格したか、これも町長って立場になるうえでは必要かもな。ただ普通に名前を呼んでくれても良いんだけど、おっさんはそう言うタイプじゃなさそうだから、ま~これでいっか。
「そんじゃ旦那で、そんで本題だけど、今ここに置いた素材で何か作れって話じゃないんだ。これは報酬、これから色々と人が増えるかもしれないから、生活に役に立ちそうな物を作って欲しくってさ。お願い出来るかな~」
「おうよ!お安い御用さ、作る物はこちらで適当に考えて作って良いのか?それとも事前に案を提出した方が良いか?」
「う~ん……取り敢えずおっさんに任せるよ!」
無駄な物が出来るもしれないけど、ここは一度おっさんに任せよう。面倒だし。出来た物によっては考え直すかもしれないけど、それは今後のことということで。
「そんじゃ~宜しくおっさん!」
俺はおっさん達に挨拶をして次に行かないと行けないところがあった。
…………▽
「イリスいい加減にしてくれよ」
教会が!教会が!えらいこっちゃ~!
てっきり教会の中だけだと思っていた。
「なかなか良い感じでしょ」
いつもより自然な笑顔で笑うイリス、それだけに嬉しいのかもしれないけど、
……………センスが良くない!
元々は白を基調とした建物だったのに、今は黄色と黒のストライプ、注意か危険でも知らせる建物か~?それに屋根に十字架が飾られていたはずだけど、そこには強大なクマのヌイグルミが抱き着いている。タワーに登ったキ◯グコングかよ!
「ハァ~ハァ~…これで宜しいでしょうかイリス様」
顔に黄色ペンキを付けたアボロンが走って来る。
「えぇ~良い感じよ!あとあちらの窓にこれを飾ってくれるかしら」
「はい!喜んでやらせて頂きます!」
イリスが渡したのはチェーン、それをアボロンが窓際にパーティーの飾り付けの様に付けていく。
「はぁ~………ま!いっか本人達は嬉しそうだし、今後来た人達が嫌がらなければ問題ないか」
でも実際はダメに決まってるだろ!と思う。
それが言えないのが俺のダメなところなんだよ!
とほほ………
「イリス一つ聞き忘れていたことがあるんだけど」
「ん?何かしら」
「もう一人の使徒の件、せめて名前だけでも教えて貰えないかな」
「ん~………そのくらいなら良いけれども、何でそんなのが知りたいの、大して意味はないように思うのだけれど」
首を傾げるイリス、ま~実際大した意味はないんだけど。
「一応同じイリスの使徒なんで出来れば仲良くしたいな~と思って、そうなると会った時に名前で呼びかけたいんですよ」
「たったそれだけ?」
イリスにぽけーっと見つめられる。
何を考えているんだと思われていそう。
「それだけですよ。そんなにおかしいですか?」
「別に……えーっと名前ね!
名前はキョウカ・ダイモンジ、
あなたより少し歳上の女性よ!」
「キョウカ・ダイモンジ………ん?まさか!?」
「あら?どうしたのかしら」
「イリス、その人って異世界人なんだよな!」
「良くわかったわね。………そう言えばあなたは転生者だったわね。そう言うこと、同郷の仲間ってことかしら」
「仲間って言うのは言い過ぎかもしれないけど、説得はしやすくなったかも」
「うふっ……面白くなってきたわね」
「面白いのはイリスだけだよ!」
以外なところにヒントが隠れていた。なんとなく会話のきっかけに名前を聞いておこうと思ったけど、想像以上の収穫、しかも名前からして日本人、これなら話が出来る。
大魔導師キョウカ・ダイモンジ、会うのが楽しみになった。
15
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる