異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

文字の大きさ
203 / 407

第202話 大門寺京香

しおりを挟む

……………………………………………………
『私は……絶対に帰らないといけないの!』
……………………………………………………

 私は大門寺(だいもんじ)京香(きょうか)高校3年生、

「早く働きたい……お金を稼がないと……」

 あと三ヶ月で高校を卒業して就職出来る。私も役に立てる。

 待ってて紗奈(さな)…お姉ちゃんが助けるから……

………▽

 なんで…なんで…なんでなのよぉ~!
 私にはやらないといけないことがあるのに……

 少女は泣いていた。
 悲しいからではない。
 悔しくて悔しくて……どうしようもなかったから……

 
 私は異世界に飛ばされてしまった。

 バイトの配達をしていた時、偶然見つけた。十歳くらいの少女がベランダから落ちそうになっていた。本当は助けを呼ぶべきだったのに、私はそのまま助けに向かってしまった。きっとその子が妹の紗奈(さな)と同じ歳くらいの少女だったからかもしれない。
 私は部屋に入ると一目散にベランダへ、窓を開けた瞬間少女の手が手すりから離れようとしていた。

「ダ、ダメ!」
 私は咄嗟に少女の手を掴んだ!……だけど、
 私の力では落下する少女を支えきれず、バランスを崩し少女と共に落ちてしまった。

 目を覚ますと周りが真っ暗で身体を動かすことができない。少しすると小さな光が近づいて来た。

 小さな光から声が聞こえる。

『あなたは生きたいかと』

 私は迷わず答える!

『生きたいと!』

 私は死にたくない!紗奈(さな)を助けるのよ!

『その願い…叶えよう。……契約は成立だ!』

 私の身体が突然光だし視界が何も見えなくなる。
 私は無我夢中で手を動かし何かを掴んだ。すると、徐々に視界が見えるようになる。改めて手を見ると10cmくらいの枝を持っていた。


「ここ……どこなの?」
 周りを見渡すと何もない草原のど真ん中にいることが分かった。私は確かに住宅街にいたはず………
 私は幻でも見ているのではないかと思い、目をこすってもう一度見た。でも何も変わらない。

もう私の頭がどうかしちゃったの!

「ガサガサ」

 近くの草むらから音が聞こえ振り向くと犬が居た。………でも大きさが全然違う。3m以上はある。あんなのに噛まれたら殺されちゃう。

 私は怖くて、足が震えて上手く動けない。
 
 動けないと分かったのか、ゆっくりと距離を縮めて来る。

 もうダメ!
 目の前まで近づき犬が飛びかかって来た。
 
 次の瞬間犬は大量の血を流し倒れていた。
 最初は何が起こったか分からなかったけど、犬の身体に空いた穴と私の持っている杖の先端の光を見てなんとなく分かった。私がコイツを殺したのだと。

 それから私は何が何だか分からないまま歩き続けた。偶然にも優しい冒険者に会い助けて貰い、そして私が日本どころか別の世界にいることが分かった。

 それからは大変だった。ただの女子高生が冒険者となり生き抜くために傷だらけになって戦場で戦った。私には何故か魔法の才能があったのでメキメキとその力を上げ、いつしかA級冒険者になっていた。

 私は日課のお祈りをするため、教会に行った。

(どうか女神様、お願いします。私を元の世界に返して下さい)

 私は目を瞑り必死に祈った。

 いつものように祈りは届かず、悲しい気持ちになり帰ろうとした時だった。周りの景色が一変する!?

「え!?ここは……」
 周りには大量の本が入った棚がびっしりと敷き詰められた部屋、どこかの書庫に入ったの?

「なんで今まで見つけれなかったのかしら?遅くなったわね。あなたの声…届いたわよ」

 目の前には一人の少女が椅子に座って居た。
 不思議な少女……少女は神秘的な美しさを持っており神々しいく、自然と跪きそうになる。とても普通の人には見えない。

「あ、あなたは誰?ここは教会だったと思うけど……」
 緊張しているのか上手く口が動かない。

「そう緊張しなくて良いわよ。別に獲って喰おうとしているわけじゃないわ。むしろあなたにとっては良い話だと思うわ。……あ!そうだ、自己紹介がまだだったわね。私はイリス、この世界を守護する女神の一人よ」」

 うそ!?女神?この少女が……もしもそれが本当なら知っているかも知れない。

「女神様!どうか教えて下さい!私は元の世界に帰りたいんです。何か何か方法を知りませんか!私は早く戻らないと行けないんです………………」

 私は無我夢中で一方的に喋る。それがとても無礼なことだと考えもせず。

「あら、随分ね。いきなりお願いごと、そんなに簡単に聞いてもらえると思うの?」

 少女の気配が変わる。
 足がガクガクと震え汗が流れる。

「毎日欠かさずお祈りを捧げるあなたの献身的な行動には関心するけど、それは決して私を敬う心からではないわ。あなたはただ神にすがっているだけで、なら行動で示しなさい」

 私の一言でイリス様の態度は激変し、私に対して興味を失った目をしていた。私は一体どうすれば良いの!

「人が神にすがるのは構わないけど、それを叶えるかどうかは私の気分、あなたは私の信者ですらないけど、どうするの?」

 私は跪き頭を下げる。

「先程は大変失礼致しました。どうかお許し下さい。私はイリス様の信者になります。どんなことでもします。どうか私の話を………」

 ビシッ……何かが軋むような音がした。

「う~ん……まだ分かっていないみたいね。私がなぜあなたの願いを叶えなければ行けないのかしら?……さようなら異世界人」

「え!?………」

 私はいつの間にか教会に戻っていた。

「今のは……ゆめなの?」
 
 私はしばらく立ち尽くしていた。
 冷静に考えれば神なんていないと思ってしまう私だけど、今の私は藁にもすがりたい気持ちだった。そして私は考える。どうするべきかを、イリス様の言葉の中に答えはある。

 私は再び祈りを捧げた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた

歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。 剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。 それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。 そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー 「ご命令と解釈しました、シン様」 「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」 次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

【完結】テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

処理中です...