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第260話 父さんの昔の話
しおりを挟む「タクト…何者と言うのはどういう意味かな?父さんはタクトの父さんだぞ!それ以上でもそれ以下でもないからな!」
ニコリと爽やかな笑顔で答える父さん、この人モテるだろうな~イケオジだな~でも……
「父さん、少しだけ顔が引きつってるよ。ボクは何があっても父さんの息子だからさ。落ち着いて」
俺は出来るだけ父さんに優しく声をかける。
「あはは…すまない。動揺してしまった。いつかは話さないといけない時は来ると覚悟はしていたんだけど、母さんほどではないが、タクトに嫌われるかもしれないと思うと…こうも怖く感じるものなんだな」
「父さん………」
「たぶんバロンあたりが何か言ったんだな。余計なことを……タクトは知りたいんだな。父さんのことを…」
「うん!」
俺は笑顔で答えた。
「そうか、これは嬉しくも思えることだな。分かったよ。父さんの昔の話だけど聞いてくれかな」
俺は無言で首を縦に振った。
「父さんは昔国王軍に勤めていた。とは言えそれ程長い期間ではなかったがな。4年…最初は国王軍の兵士として、そして残り3年は常闇と言う。特別な組織に配属されていた」
「父さんが常闇に……」
俺は驚きから声が上擦ってしまう。
「その様子だと常闇については知っているようだね。とは言え知っているのは表面上のことだけだろう。父さんが一番長く居たのは常闇の中でも黒い部分、暗殺を生業とした任務を行っていた」
父さんの目が鋭く変わる。
「父さんが暗殺……見てはいないけど、だから父さんは強いんだね」
「そうだな。父さんは常闇の中でも強いかったよ。フッ……だからたくさん仕事をあてがわれたよ」
たくさん仕事をって言ったけど、言葉を濁しただけで、多くの暗殺……殺しを父さんが……息子の俺としては簡単には受け入れるのは難しいこと……なんて思っているんだろう。
確かにそうなのだが、ここ異世界やし、そんなことはある気がする。父さんが暗殺者とは驚きだが、ある意味カッコいいとも思える。これはアニメや漫画のお陰だな。ま~実際はそんなに綺麗な世界ではないんだろうけど、それがどうした!俺が知ってる父さんは優しくてしっかり者の父さんなんだから、それで良い。
「父さん話してくれてありがとう。あんまり気にし過ぎないでよ。俺は父さんを嫌ったりはしない。まだ色々と話があるかもしれないけど、これ以上は聞かないよ。あ!?でも母さんは………」
「ちょっと待つんだ!それはダメだ!絶対にダメ!母さんについては聞くな!良いか!これは非常に危険なんだ」
えー~……父さんは自分ことは話してくれたけど母さんの話は絶対にダメとめちゃくちゃ激しく止められた。ここまで来たら俺としてはよっぽど受け入れられると思うよ!
「いいかタクト、母さんにとってタクトがすべてと言っても過言ではない。もしもタクトに嫌われる。いや嫌われたと思ったら何が起こるか分からない。だから絶対に父さんに聞いたようなことは言うなよ!これは男の約束だぞ~」
「お!おう~……父さん目が怖いよ」
さっきまでとはまた違った意味で目がギラギラして怖いッス!
「何にしても、そう言う話ならバロンさんが言っていたことにも納得は出来るかな。心情的には難しいけどね」
「ん?そう言えば何かあったのか?」
俺は父さんにことの経緯を話す。
「はぁ~……バロンのアホがお前が全部やれば良いのに、とは言っても手伝ってやらないとな。幼馴染として、それでバロンはどのくらい後で来るんだい?」
「えっとねぇ~特に時間は指定していなかったから、父さんと話を終えたら呼びに行こうと思っていたんだけど」
「そうか、なら時間は気にしなくて良いな。タクト少し外に出よう。あ~外っていうのは、この町の外と言う意味だぞ」
「え!ソウルフロンティアを出るの?何か用事でもあるの父さん」
「そうだな。少しやりたいことがある。ここだと母さんがいつ帰ってくるか分からないからな。落ち着いて
出来ないんだよ」
ん?父さん何をするつもりだ?
俺はまったく想像がつかなかった。
父さんに言われるがまま配管で空間転移、テキトウな山の中に移動した。
「父さんここで何をするつもりなの?」
俺は父さんに言われ一緒に屈伸運動、これってまさか……
「久し振りに修行をつけてやろうかと思ってな。覚えているか?初めてタクトに剣を教えた時のことを」
「うっ……恥ずいよ……父さん」
「アッハハ……思い出したのか、あの時のタクトは可愛かったな」
困っている俺を見て楽しそうに笑う父さんは嬉しそうだ。
父さんの修行か本当に久し振りだ。ローム先生が来てからはあまりやってなかったし、でもなんで突然。
「タクトの心配を少しでも減らそうと思ってな。父さんの力を見せよう」
「うん、父さん宜しく」
俺は父さんから距離を取り地の精霊にお願いして土の剣を作り剣を構えた。
父さんは短剣を拔き魔力を剣先に集中し剣先を伸ばす。
「さ~タクト、修行の時間だよ」
父さんが剣を構えると、俺は突撃し剣を振った。
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