異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

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第261話 父さんの修行

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「はぁーー!」

 俺は気合を入れて剣を振った。
 父さんはそれを上手くいなして、そして俺の死角に回る。俺はそうはさせまいと父さんを追いかける。いつもそう、こうやって父さんを追いかけることで身体の動かし方を教えてくれているらしい。そしてこれはウォーミングアップ、そろそろかな。

「以前に比べて身体の動かし方が上手くなったなタクト。実践で培った物は修行の数倍の効果があると言うが、………そろそろ身体も温まって来た……」

 父さんは短剣をしまうと素手で構える。
 父さんは剣や槍、短剣など多彩に武器を扱えるけど基本スタイルは素手だと聞いていた。剣を構えている相手になんて無謀だと思うかも知れないけど、そんなことは全くない。

 俺は構わず剣を振る。

「キーン」刃物が接触する音が鳴る。俺が振り上げた剣は父さんの素手に受け止められていた。

「父さん良く受け止めるよね。怖くないの?」

「ん?これかい、もう慣れっこさ」
 父さんは手を見て言う。
 
 普通刃物を素手で受け止めようとは思わない。だけどこの世界は魔法やスキルが存在する。魔力を闘気に変換したり、魔法で肉体強化をすれば受け止められるんだけどね!でも父さんが使っているのはスキル。スキルの名は『カット』刃物の切れ味を上げる能力なんだけど、父さんはそれを手に行っている。『カット』とはコモンスキルに該当され結構な人が持っているけど、そんな使い方しないししたところで手に切れ味なんてないから剣を受け止めるのは無理だろう。だけど父さんはそれをやってのけている。これはきっと父さんがスキルを研鑽し熟練度を上げたことで出来るのだろう。


「キーン…キーン……キーン」
 幾度かのやり取りの中、いつもと違うことが起きる。

「え!?」
 スーッと剣の根元に線が入り刃の部分が落ちる。

「タクト、今日はいつもより実践向きで行くからお前も好きにやりなさい」

 父さん本気か!切れ味が格段に上がっている。今までならここまではしなかった。

『地の精霊力を貸してくれ』
 地面に手をつき話しかけると、地面から土のゴーレムが次々と現れる。

 ゴーレムは小型にし敏捷性を高めて父さんを囲い一斉攻撃をさせる。

 父さんはゴーレムにすれ違う様に腹部に触れるとゴーレムは真っ二つに切れる。

「タクト、もう少し硬く作らないと足止めにもならないよ」

 十体以上いたゴーレムがあっと言う間に倒されてしまった。強い!父さんがここまで戦えるとは思っていなかった。

「それならこれでどうだ~」
 地面に手をつき地の精霊に頼む。
 地面は大きく隆起しまるで津波のように父さんを飲み込む。
 
 ちょっとやり過ぎたかなと思った瞬間、大地の波が大きく横に切り裂かれ父さんが飛び出て来た。


「今のはびっくりしたぞタクト、面白い攻撃だな。相変わらず強度に欠けるけど」

 父さん……本当にそれってコモンスキルなの?いくら鍛えたからって今のは切れないでしょ!

「父さん今のは『カット』ですか!あんな威力なんて出るとは思えないんだけど!」

「アハハ…そうだね。普通は出ないかな。でも今のは『カット』だよ!」

 え~『カット』なんだ、スゴ!?

「てもなタクト、コモンスキルの様な下級スキルを鍛えることで上位のスキルを手に入れることがある」

 シューン、風が吹いた。

「いっ!?」
 腕に痛みを感じ見ると、腕から血が流れていた。鋭い刃物の様な物で切り裂かれている。

「痛かったかい、ごめんよ!タクト、父さんのスキルを見せたくてね」

 父さんのスキル、確かに今までちゃんと聞いたことはなかった。

「『カット』からの派生したスキル『切り裂く風』」

「父さん他にもそんなスキルを持ってたんだ。それってレアスキルだよね。すごい!」

 レアスキルは数百人に一人の割合で持っていると言われている。しかも派生してなんて俺は聞いたことがなかった。

「このスキルは扱いが難しくってね。風魔法にかなり似ているんだけど、触れたものを必ず切り裂くから敵以外には使えないだよ」

 見えないけど父さんの周りに何かを感じる。

「う~ん……父さんはタクトをこれ以上傷つけたくないし……どうしよっかな~」

 父さんは近くの木に手を当てると、木は木っ端微塵に刻まれる。

「今父さんに触れるとこうなるから近づくんじゃないぞ!」

 木は根元がなくなり大きくな音を立てて倒れる。

「どうかなタクト、父さんは結構強いだろ」
 
 父さんはいつもの爽やかな笑顔に変わる。
 気配が落ち着き、修行はここまでのようだ。
 父さんは俺が思うよりずっと強かった。

 ん?……なんだこの音。
 突然「ドドドド」っとたくさんの足音が聞こえて来た。

「少し派手にやり過ぎたかな~。音で魔物を引き寄せてしまったようだ」

 森から数十体の魔物大群が一気に現れる。
 ちょっと面倒だな。俺はバーナーを取り出す。


 俺が戦闘態勢を取った時、スーッと周りの気配が変わる。冷たく暗い、そして何より恐ろしい圧倒的な『死』の気配、気配を追って見ると父さんは自分と同じくらいの長さをした漆黒の大鎌を振り上げる。

「死の風よ!吹き荒れろ!『デスサイズ』」
 
 普通の人には見ることの出来ない黒い風、それが魔物達の命を刈り取り倒して行った。
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