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第268話 モンモンとするラキ
しおりを挟む「それでは話を戻し王都の調査について話をしようか、今回はあくまでも調査だから戦いに行くことに比べれば危険度はグッと低い、とは言えある程度の自衛が出来る者でなければいけない」
「それは町中を歩いているだけでも危ない可能性があると言うことですか」
「そう、普通なら気にし過ぎなんだけど、でもね。現状ボルジア公爵が掌握している王都では何が起こって
いるか分からない」
確かにそうだ。本来都民を守る衛兵すら俺達の敵、そのうえ今の都民は王国に暴動を起こしている。かなり神経質になっている可能性が高い、気をつけないと。
俺が難しい表情をしていると父さんが話しかける。
「タクトそんな顔しなくてもいいよ。そんな大した任務じゃないさ。気楽に行こう」
「そりゃ~ブラックから言えば散歩しに行くようなもんだろうが、慣れない土地での調査だ。不安にもなる。そうは言っても固くなり過ぎるのも良くはない」
「そう、その通りだよ。そう言った不安は見る人が見れば気取られる。気楽が一番良いんだよ」
父さんが良く言う口癖の一つ気楽に、バロンさんの屋敷の庭木剪定(せんてい)を父さんにやらせて貰えた時に良く言われた。失敗してもなんとかなるから挑戦してみなさいって
……おかげで俺はいつも気楽に色々と試せた。
「ま~そうだな。それじゃ~調査に行くメンバーと編成についてだが説明する。…………」
こうしてバロンさんから俺は説明を聞き承諾した。その2日後、俺達は王都へと出発する。
……………▽
「ここが王都エリウスか~」
俺は王都エリウスの巨大な城門に圧倒されていた。高さが約五十メートル幅が約百メートルの門、怪獣でも入るのかと思ってしまう。当然こんな者を人が閉められる訳もないから魔法でも使って閉めるのかな?と考えながら見ているとエメリアが頭の上に乗っかる。
「こら!エリウスお前は出て来たらダメだぞ!町中にドラゴンが居たら騒ぎになる。ま~お前くらい小さいと気が付かないし騒ぎにもならないとは思うけどさ」
俺はそう言って優しくエリウスを掴むと胸をポケットに入れた。
「そろそろ行きましょ!時間は有限なのよ」
「あ!うん…分かった。今行く」
ちょっとはしゃぎ過ぎたかな?いやそこまでではないはず、噂通りちょっとキツめなラキさん、遊んでいるとすぐに怒られそう。
今回の調査には必ず聖職者を付けることになっていたが、まさかラキさんになるとはびっくりだ。ラキさんとは助けるために色々とやって知っている人だけど、本人とは全く接点がない。だから仲が良いと言うことにはならないのは仕方ないんだけど、話をするきっかけみたいな物が全く分からない。何回か話かけたけど、続ける気がないと言うかバッサリ切られる。どうしよう。短い時間とは言えチームを組むわけだし、う~ん……
「ちょっとまだボーっとしているの!早く来てって言ってるでしょ!」
ラキは両手を腰に当て怒っている。
「はーい!今行きま~す!」
タクトの返事を聞いたラキは何も言わず振り返り歩き出す。そしてこの時ラキは思っていた。
どうしようなんて言って助けて貰ったお礼を言えばいいのかな。全然切り出し方が分からない。とモンモンとしていた。
ラキはコミュ力が高くなかった。
………………▽
時は遡り、ラキが目覚めて三日目のこと。教会の仲間達に慰められ落ち着いたころ、マンションにルナが訪ねて来た。
◆ラキの視点
「ラキ、身体の方はどう?ちゃんとご飯食べられてる?」
「ルナ来てくれたの、ご飯は食べてる。むしろ絶好調よ」
「ラキは線が細いからたまーに心配になるのよ。ご飯も食べずに仕事してないかって」
「あなたが言うと嫌味ね。それで…今日はどうしたの?」
「どうしたのって?あなたの様子を見に来たに決まってるじゃない」
ルナがムスッとした顔をしている。全く綺麗な顔をしてなんて顔をしているのよ。
「ありがとうルナ、本当に体調は良いの。ルナ達のおかげね」
目が覚めてから教会のみんなが私の身体と心を癒してくれた。身体が凄く軽い。
「気にしないで、それに私は大したことは出来ていないから、でも一応言っておくわよ!ちゃんとタクトにお礼を言うのよ!」
タクト……みんなの話によると私を助けるために色々と奮闘してくれたと聞いた人物、教会のみんなの怪我を治し、師匠達をあの世から呼び出してくれた。どちら奇跡の様な所業、もちろんお礼を言わないといけない。むしろここまでやって貰ってお礼だけで済ましてはいけないと思う。でも何をすれば良いんだろう。
「分かってる!みんなからも言われたわ。そのタクトって何者なの? みんなの腕や脚……あの怪我は聖女様や大司教クラスの聖職者でないと治せない」
「も~う言ったでしょ!彼は私の未来の旦那様、そのくらいのこと簡単にやってのけるんだから!」
ルナはすごく自慢げ、自分のことの様に嬉しそう。
そんな姿を私は不思議そうに見ていた。前にルナは生涯結婚をしないか悩んていた。ルナは貴族での令嬢最終的に良い人を見つけて結婚すると思っていたけど、ルナ自身は嫌がっていた。それが今はどうだろう。恋する乙女とは今のルナのことを言うんだろう。友人の私としてはこの変わりようには驚かされる。
「ラキ…もう一つ言っておくわ!タクトに惚れちゃダメだからね!私の旦那なんだから」
「分かっているわよ。ちょっと目が怖いわよ。ルナ」
ルナがここまで言う人、ちょっと興味は出て来た。でもその前になんて言おうかな。
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