異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

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第274話 ラキさんは我慢出来ない!

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◆タクトの視点

 俺達は住民の反乱事件が起きた場所に誤って入ってしまい強盗に襲われた後、ラキさんが暴走、現れる強盗を片っ端からシメた。ある意味町の治安が良くなって良かったけどトラブルはまだ続く。

「君達この状況はどう言うことかな~?私にも分かるように説明してくれる」

 俺達四人は衛兵につかまり職質を受けていた。
 運が悪かった。強盗をボコったところを目撃され、このままだとむしろ俺達が強盗と勘違いされる。

「だから!何度も言ってるんでしょ!あなた達が不甲斐ないから私がコイツらを懲らしめてあげてるのよ」

「なんだと!?言わせておけば貴様」

 そしてこの通り、ラキさんは遠慮なく強盗が行われている状況を指摘、言い方がきついからより衛兵のおっさんを怒らせ揉め事に発展してしまった。

「だいたいなぜこんなところに居るのだ。ここは今立ち入り禁止区域に指定されている。どちらにしても詰所まで来てもらおうか」

 う~んまずいな~、これ以上目立ちたくない。出来れば逃げたいんだけど。

 俺はこっそりと先生に相談する。

「先生この状況なんとかなりませんか?これ以上の面倒事は勘弁です」

「そうじゃな。ここにいても仕方ないのじゃ、我に任せよ」

 ローム先生はパラパラっと地面に種を落とし、地の精霊の力を借り一気に淡い緑色の花を衛兵の足元に咲かせた。

「ん?なんだ……こにょあみゃいきゃおり……」
 衛兵は身体をクラクラとさせながら言葉がしどろもどろになり、最後には膝を崩して倒れてしまった。

「先生何やったんですか?」

「大したことではないのじゃ。少し眠ってもらった」

 衛兵の近くに行くと確かに寝息をたてて寝ているようだ。でもどうやって。

「タクトにはまだこの様な地の精霊の使い方は教えておらんかったのじゃ。今のは麻酔草と言う人を眠らせる成分を持った花の種を一気に発芽させ花粉を飛ばし眠られたのじゃ」

「へー流石先生、そんなことが出来たなんて、ん?と言うことは他にも色々と役に立つ種がありそうですね」

 気になる!俺も色々やってみたい。

「フッ…そんな簡単に教えるわけないのじゃ」
 
「えー良いじゃないですか!教えて下さいよ~。と言うか下さい」

「な~にを言っとるか!これは我が長年かけて見つけた種なのじゃ。そんな簡単に教えたらつまらんのじゃ」

「良いじゃないですか~ローム先生……」

 先生は結局教えてくれなかった。でもやり方は分かったから色々な花探して試してみよう。

 それから眠りかけている衛兵をおいて俺達はその場を離れた。



…………▽

「困った……今度はどこだ?」

 ただでさえ知らない土地なのに走って逃げていたらさらにわけのわからない場所に着いた。


「ここどこかしら?私も来たことないわよ」
 アチャ~王都に来たことのあるジェーさんまで知らない場所か、ま~確かに周りを見ると人っ子一人居ない。寂しい所だな。

「ねぇ~ここってスラム街じゃないのかしら?」
 
 ん?マジで!
 改めて周りを確認する。町に入って最初に見た住宅と違って作りが甘いし見た目もボロい。スラム街ぽい。

「コトッ……」
 少し離れた場所から何か石が転がるような音がした。視線をそれらに向け気配を探ると何人かの気配を
感じた。

「どうやら誰か隠れているみたいだね」
 もしかしたらさっきと同じ強盗かも。
 俺は戦闘体勢を取ろうとした時、ラキが音のした場所へ走って行ってしまった。

「あ~まったくラキさんは……あの人熱血漢があり過ぎなんだよ」

 俺はため息をつきながらラキさんを追う。

 ん?おかしいな。いつもなら強盗の叫び声が聞こえるのに、ラキさんに追いつくとなぜか両手を上げて棒立ちしていた。

「ラキさんどうし……」
 声をかけようとした時、視界に人が入る。

「こ…子供!?なんでこんなところに子供が」
 子供が5人、見た目から十歳前後の男の子と女の子、格好はボロボロの服と言えるのか分からない布を
巻いて着ているだけ、そうかこの子達孤児なんだ。

「うっ……我慢……出来ない!」
「ちょ!?ラキさ~ん!」
 
 ラキさんは前にいた小さな子供を二人抱き締める。
 いきなりのことに子供達も動揺して動けずにいた。

「もう大丈夫だからね。お姉さんが絶対に助ける」
 ラキさん記憶を見ているから気持ちは分かる。彼女自身も孤児だったから彼ら辛さが分かり放ってはおけないわな。

『アースアロー』
「フン!」
 
 ラキさんの側面から鋭い矢が飛んで来た。それをジェーさんが剣で受け止める。

「キャー」
「うわぁー」

 俺達の視線が攻撃された方向に向くとその隙を狙った様に子供達が引っ張られる様に風に連れ去られた。

「待って!」
『アースウォール』

 ラキさんが子供達を追おうとするとそれを阻む様に地面が隆起し壁となる。

「チッ、やってくれたわね」
 ラキさんの視線の先、建物の屋根の上に人影が見えた。そいつは屋根から飛び降りる。

 マントをなびかせて降りて来たのは、目の部分のみを隠す仮面を付けた男だった。

『アースプレス』
 俺達の両側の大地が隆起し壁が出来ると、その壁が
移動し俺達を挟み込む。

『地の精霊さんヘルプ!』
 俺の声を聞いてくれた地の精霊さん達はあっと言う間に壁を崩してくれた。

「貴様何をした!」
 仮面の男は大声で言うが、もちろん答えてやる義理はない。

「いや!まだだ『アースバインド』」
 
 仮面の男の足元から土の帯が飛び出し向かって来る。

『地の精霊さんヘルプ!』
 俺の声を聞いてくれた地の精霊さん達はあっと言う間に帯を崩してくれた。

 ワーすご~超便利!
 俺はどうやら土魔法の相手なら地の精霊に助けを求めるだけでなんとかしてくれるみたい。レベル上げといて良かった。

 仮面の男は顔が見えないけど酷く動揺していると思う。
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