異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

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第304話 良い物はどの時代でも良い!

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 ヘカテー様が痺れを切らせて来てしまった。おっかしいな~まだ時間があるかと思っていたんだけど、カンナに聞くとどうやら俺は1時間以上黙って頭を悩ませていたらしい。頭を空っぽにしようとして結果考えまくってさらに時間も使ってしまっていた。Oh my God!


 ヘカテー様から禍々しいオーラが放たれており、俺の危険感知センサーがビンビン反応している。


 まだです……とは言えない。

「そ……そうですね~もちろん準備は万端で御座います。すぐに対応させて頂きますのでもう少々お待ち下さい」

 俺はタブレットをガン見して操作する。時間にして数分の猶予、ここでやれるのは本当に己の直感のみ!


「ポチッとな!」
 ドサッと書物が落ちて来た。

「これをプレゼントすれば良いのね!行って来る~!」

 ヘカテー様はすーーっと消えたと思うと、いつの間にかイリスの隣に座っていた。


「イリス~これ私からのプレゼントよ!見て見て~!」

 ヘカテー様が女子高生みたいなノリでイリスに絡んている。
 
 ハハッ……乾いた笑いが漏れてしまった。
 渡されてしまった。もう手遅れだ。
 運と直感で選んだ本、しかも漫画。

 字が読めなくてもなんとなく分かるかな~なんて安易に考えてしまった。ま~そんなので分かるわけないのに、バカだな俺……

 
 しかし意外なことにほろ酔い状態のイリスは黙ってその本を読んでいた。

 あれ?もしかして読める?
 そう言えば、キョウカの様に異世界人がこちらの世界に来ることは稀ではあるがあるわけで、女神様ともなればそう言う者から言語を習得している可能性がある。もしそうなら取り敢えずは書物に関しては読むことは出来る。

 あとは渡した漫画が気に入るかだけど、出来るだけ伝わりそうな時代でかつ心に響く様なストーリーを持った漫画が良いのだけど、ほぼほぼテキトウに検索して出た物をそのまま買って出してしまった。


 ムムッ!なんだと!?

 イリスは真剣にその漫画を読み、まだそれほど時間が経っていないのにすでに全巻の半分単行本7冊も読んでいた。これはもしや……

 マジか、ベル◯らってこちらの人にもオモロイんだ。ここ最近映画化までされて勢いがあると言ってもかなり前の漫画なんだけど、ま~良い物はどの時代でも良いって言うし、もしかして良い感じ?


「ちょっとあなた!あれ大丈夫なの!」

「ぐへぇー、止めて下さい~」

 突然ヘカテー様に首を絞められブンブンと振られる。
 死ぬ!死ぬから放してー!

 イリスの様子を見ているとほろりほろり涙を流しそれを拭っていた。

「あんた分かってるでしょうね!これで私がイリスに嫌われたら死より恐ろしい呪いをかけるからね!」

 なんちゅ~恐ろしいことを言うんだこの人は、あなたが言ったらシャレにならないから!

「ヘカテー様、アレは問題御座いません。むしろ良い感じだと思います」

「え!?ホント、でも泣いているわよ。泣くのは悲しかったり苦しかったりした時でしょ?」
 ヘカテー様はぽかーんとしている。言っている意味が理解出来ていなさそう。冥界の女神は負の感情の部分しか知らないのか?

「ヘカテー様、イリスは感動しているんですよ。決して気分を害するようなことにはなっておりません。それに嫌なものなら読むのを止めていますよ」

「でももしかしたら、読み始めると止められない呪いがかかっているかも!」

「そんな訳ないでしょ。そもそも女神に呪いなんてかけられないでしょ」

「んんっ!それはそうだけど、でも……」
 心配そうな表情をするヘカテー様、まだ理解出来ないから不安なのは分かる。だけどもう少しすれば結果は出る。おっと!イリスが最終巻をテーブルに置いた。


「あの~………大丈夫?」
 恐る恐る声をかけるヘカテー様、怖いのは分かるけど漫画を読んでいるだけの人に大丈夫って何なのよ?

「うん、とても良いお話だったわ。絵ものっていたから分かりやすかった。とても配慮された書物ね」

 イリスはほんの少し笑っていた。


「はぁう~~」

「あー!?ヘカテー様」

 ヘカテー様はイリスの笑顔に感激、昇天され倒れそうになったので慌てて支えた。

 も~う!あなたが戻るのは上じゃなくて下でしょうが、取り敢えず満足そうな顔をされているので良かった。

 俺はホッと胸を撫で下ろす。
 なんとかミッション完了ってところか、死なずに済んだ~。正直短い時間であったけど生きた心地がしなかった。

 俺はヘカテー様を支えながらカンナと「イェーイ」と言ってハイタッチするともう一つ手が重なる。

「あら?……ヘカテー様お早いお目覚めで……」
 なぜか横で一緒にハイタッチする女神に動揺するも、無視するわけにもいかず、俺は声をかけた。

「ありがとうタクト、あなたに感謝します。褒美にあなたのスキルを強化いたしましょう」

 満面の笑顔を向けるヘカテー様の言葉に驚く。
 え!?マジで!
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