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第366話 バラクから話を聞く
しおりを挟むバラクを捕獲した直後……
◆タクトの視点
「えーい!放せ!放せーー!」
暴れるバラク。
「いや、放すわけないでしょ、あなたには聞きたいことが山ほどあるんだから、聞かせて貰うぞ!バラク」
「はぁ~ん!そんなもん言うかよ!だいたいお前は誰だよ!」
「え!?……一応一度会ってるんですけど」
「お前なんて知らん!それより放せ!」
「いや、だから放すわけないでしょ」
「はぁ~ん!それなら俺も話すわけないだろ」
「ほぉ~!確かに放さないのに話せと言うのはこちらに都合が良すぎると………」
「はぁ?何言ってるんだ。意味の分からないことを、そんなこと言ってないでさっさと……おい!なんだその顔……その顔は悪いことを考えている時の顔だぞ!」
「フッフッフ…………正解!覚悟しろよ!バクラ、ほどほどにはしておいてやる!」
取り出すはハンドライト!
聖なる光を浴びて喋りたくなりなさい!
スイッチ~ON…………あれ?
「おい!なんのつもりだ!眩しいぞ!嫌がらせか?」
俺は首を傾げる。
おっかしいな~ほとんど変化がないぞ!
これはどう言うことだ?
「あの~バラクさん、目的とか話してもらえません?」
「だ~か~ら~!話さねぇ~って言ってんだろが!」
やっぱりダメか!ハンドライトの効果がなかったことに釈然としないが、事実は事実、認めるしかない。しかし困った。これで上手くいくと思っていたから良いアイディアが思いつかない。捕まえたのなら拷問でもして無理やり口を割らせるのが思いつくが、俺の性分に合わない。気分が悪くなることはやめよう。う~ん……他に何か良い手はないのか?
「……………よし!決めた」
「あ?何をだよ!」
「あなたから話を聞くのをですよ」
「お!やっと分かったかよ!それでいつ放してくれるんだ」
「調子に乗るな!話さないヤツを放す分けないだろ!こっちは急いでいるんだ。これ以上手間を取らさせたくない。あんたにはこのままここに居てもらうよ」
「…はぁ~……わぁったよ!全部は話せないが、教えてやる」
「………どう言う心の変化だ?大したことは言ってないけど」
「あ~そうだな!ただ話すとは言ったが条件がある。俺を解放しろ!そうすれば話してやる」
「ええーー……解放したら逃げるでしょう」
「はぁー!逃げねぇ~よ!俺は約束を守る男だ!」
「……………う~ん、分かった解放する。絶対に話せよ!」
俺はバラクを解放することにした。本当なら圧倒的にこっちが有利なのだから、話してからにしても良かったけど、さっきハンドライトの光を当てたにも関わらず変化がなかった。これはもしかしたらバラクが思ったより悪いヤツではないと言うことかもしれない。だから信じてみることにした。
俺はバラクを拘束しているビスロックを緩め外した。
バラクは身体をぼかすように動かしこちらを睨むように見る。
「な~お前さ~、なんでこんなにあっさりと拘束を解いた?もちろん逃げるかもしれないとは考えたよな~どうしてだ?」
「ん!……悪いヤツに思えなかったからかな~」
「ほ~お……俺が悪いヤツに見えないと、こう見えてスラム街のドンっと言われたことのある俺が良いヤツとでも言うつもりか?」
「いや、そこまでは言わない。どっちかって言うと、あんまり考えず感情のまま動くタイプかな~って」
「………つまり馬鹿だと?」
バラクの表情がムカッと怒り出しそうな顔に変わる。
「違うよ。素直で悪意がない人かな~と思ったんだよ。だからま~信じても良いかな~って」
「あ?……なんだそりゃ~。ま~悪い気はしないけどな。それで何が聞きたい?」
バラクはハッとして動きを止め、驚きと嬉しさが混ざったような笑みを浮かべた。
「んーーじゃ~まずはエリックとラウラはここに来てるのか?」
「そりゃ~もちろんだ。あの二人のおかげでここまで迷わずに来れたんだからな」
「ん?それじゃ~なんでこんなところで一人で居るの?」
「変な野郎が突然現れたんだよ!俺達はボルジアが居る謁見の間を目指していたんだが、そいつのせいで分断された。なんとも言えない得体のしれない野郎で、しばらく追いかけられたがどっか行っちまった」
「んーーだとするとだいぶ戻ったね」
「仕方ないだろ。俺は……道を知らん」
「えーー!もしかして迷子かよ!」
「仕方がないだろ。エリック達がいれば案内してくれるんだから、俺が考える必要はないんだ!」
「やっぱ考えなしのバカか?」
「なんだと~!表に出ろ~!」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。取り敢えずバラク達の目的もボルジア公爵の捕縛もしくは抹殺ってところで良いよね」
「あぁ、ま~そうだな。今回の作戦はあの二人の提案だからな。俺は手伝ってる感じだ。ま~俺は俺の意思の元にだがな」
「バラクは国に不満があったから反乱を起こしたんだよね。何が不満だったの?」
「はぁ~そもそも反乱を俺が起こしたことになってるが、俺がそんな大それたことするわけないだろ。そりゃ~国に不満はあったさ。俺達スラム街の住人をいないもののように扱い虐げてきた職に就くにしても一苦労だしまともな仕事がない。仕事をしなければ食っていくことすら出来ない。俺達に死ねとでも言ってるじゃないか、そう思ったことは一度や二度じゃない。俺は仲間達と共に国王軍と何とか小競り合いをする事もあった。だがいくら何でも国を滅亡させかねない反乱なんて起こすつもりなんてないからな。あの反乱で一体どれだけの人が死んだと思ってるんだよ!……許せねぇー!」
「そうか……これで確定だな」
父さんの言う通りだ。情報が正しいならボルジア公爵を捕らえれば反乱がこれ以上広がることはない。それが分かれば急いでエリック達に合流だな!
「バラク急ごう!謁見の間の場所なら俺が分かる。エリック達を助けに行こうぜ!」
「ヨッシャ!目的が同じなら共闘だ!待ってろよ!エリック、ラウラ」
俺達は意気投合して二人を追うことにしたのだが……
「すいません、待って頂けますかな?」
どこからともなく声が聞こえてくる。
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