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第396話 ローム先生はモヤッとした
しおりを挟む「間違っている?一体何を言っている。この情報はハドリアヌス国王本人から聞いたものだ。間違っているはずが……」
「でもバロンだっておかしいと思ってはいるんだよね。本当は他に方法がないのか?それともハドリアヌス国王が嘘をついているのかも、なんてね!」
「いや。ハドリアヌス国王がこの状況で私達を欺くメリットがない」
「ふふっそうだよ。ハドリアヌス国王がそんなことをしても何の意味もない。ならそういうこと逢魔の扉を開き部屋の中に入る方法は他にあったんだ。残念だったね」
「じゃ~本当に知らないだよ。きっと伝えられなかったんだね。可哀想に、そのせいでこの国は滅ぶんだからさ」
アトラスはつまらなさそうに言った。
「わかんねぇ~な~。アトラスよ~。お前の目的は世界を滅ぼすことなのか?違うよな~。お前とは数回しか会ったことがないがお前の目的は私怨だろ」
「突然だねイグニス、そんなことイグニス達にとってどうでもいいことだろ」
「そうか、それがお前の全てで、もしかしたらこの戦のきっかけなんじゃないのか?」
闇は深かかった。唯一明かりに照らされているアトラスから黒いオーラがにじみ出るように溢れる。でもすぐに収まる。
「………イグニスって日頃は勘が悪いのに、たま~に確信をついて来るタイプなのかな?ちょっと不意を突かれちゃったかも」
「………………」
イグニスは何も言わない。いや言えない。今なにか言えば確実に殺されると思えるほどアトラスから殺気が出ていた。
「でもね…イグニス違うんだ。私怨は一割くらいかな。ボクがしたいことは……ただ会いたいだけかな」
………………▽
◆謁見の間、ロームの視点
我の弟子はトラブル体質なのか、厄介ごとによく巻き込まれる。今回は王城に侵入し貴族様の討伐、失敗すれば死刑十回くらいの罪になるじゃろうな。
まったく面倒な弟子を取ったものじゃ。
『ロックビート』
地面から岩を連続射出、ボルジアにぶつけるが、当たった後ボロボロと砕け落ちている。ボルジアは何ともなさそうにこっちへと歩いて来た。
なんじゃコイツは!?丈夫にも程があるじゃろう!
これでは話にならんと言うことじゃな。この化物め!
『アースランス』
地面から土を硬化して作った槍を伸ばし突き刺す。
ボルジアに当たるが大して効いているようには見えない。少々鬱陶しく思っている程度、しかし問題はない。これはあくまでも布石、ボロボロと槍は砕け砂となる。
『サンドストーム…………そしてロック』
ボルジアの周りにある砂が竜巻となりボルジアを包み込むと、一気に収縮して張り付き動きを止めた。
「うむ!どうじゃ!動けまい。何も殺すことだけが倒す方法ではないのじゃ、分かるか?タクトよ」
「よ!お見事ローム先生、つよ~い!天才~!カッコいい~!」
なんじゃ!その取ってつけたような褒め言葉は、それでもタクトに褒められると嬉しいから困るのじゃ。
「でも先生、アイツかなりしつこいヤツだと思うから油断しない方がいいよ」
「ふむ!しかしああなっては動きようが………ムッ?」
なんじゃアレは?
砂で固めたボルジアが膨らんでおる。
「ええ~い!何をするつもりかは知らんが出る前に潰すまでじゃ!」
『アースクエイク』
地面が揺れ大地が割れる。膨らんでいたボルシアはその地割れに飲み込まれ落ちて行った。そして更に追い打ちで地面は徐々に締まり挟み潰す。
「どうじゃ!これで出てこれまい。のう~タクトよ…………ムッ!……おらんどこに行きおった!」
周りを見渡すとタクトはエメリアと共にボルジアと闘っていた。
「なんじゃ~我が敵を倒したと言うのに見ておらんのか!…………ムゥ~………まぁ~仕方あるまいな!エメリアは子供じゃし…………」
我は納得しながらもどこかモヤッとしていた。
決してタクトに見てもらえなかったことでモヤッとしていることは認めない!
取り合えすモヤッとする気持ちをぶつけてスッキリさせにもう一人のボルジアを倒しに我は行く。
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