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第1章 刻印覚醒編
第13話 ギャンブル惑星で一稼ぎ
しおりを挟む雲ひとつない晴天、虹のビーチには多くの観光客が訪れおり、綺麗な水着を来た女性達がのんびりと日光浴をしている。
そんな中、2人な男は部屋の電気もつけずに、カーテンを閉めていた。
「金ねぇなぁ……」
「あぁ……金がねぇ……」
2人はまたソファーの同じ席に座りため息を吐いていた。その横でウェルズがぐっすりと寝ていた。
「Syo……今何円ある?」
「約6万G……お前は」
「約10万G……後でボード代の修理代で4万吹き飛ぶ……」
Syoがテレビをつけると、アルがアイドル活動再開のニュースがやっていた。アルがインタビューを受けている模様が放送されている。
「最近乱入事件が発生しましたが大丈夫でしょうか?」
「最初はびっくりしましたけど、何とか乱入者本人と謝罪の場を設けてもらいそこで何とか謝罪の言葉を受けてもらいました。少しばかり精神安定のために休止状態にしてもらいましたが、今日からいつも通りに皆さんの笑顔の為に頑張りたいと思います!!」
ハキハキと言葉の乱れもなく、堂々とインタビューに答えていたアル。2人は色々と気になるところがあって疑問を持つ。
「謝罪したっけ俺?」
「アルちゃんなりの言い訳みたいなもんでしょ……」
「ボード壊したのあいつだけどなぁ……」
そしてインタビューが終わりCMに入った。2人はそのCMに釘付けとなった。
君達はまだギャンブル惑星に来たことはないかぁ⁉︎
カジノ・パチンコ・競馬など多種多様なギャンブルをご用意‼︎でも薬物並みにやり過ぎは注意ですよ!!
綺麗なバーテンダーもいる。もちろんダンディなバーテンダーも~
一獲千金を目指せ‼︎ギャンブル惑星にぃぃようこそぉぉぉぉ!!
そのCMにシーカーは興味を持つ。
「ギャンブル惑星?」
「多くのプレイヤーが金稼ぎの為に行く場所だよ……結構人いるらしいよ……」
「どれくらい稼げるんだ?」
「少し前には1000Gから1000万Gまで稼いだ人がいたらしいからな、でもその人すぐに他のギャンブルで全て使い果たして一文無しになったって」
「1000から1000万……」
「そうだがって……まさか……」
身体が震え上がるシーカーを見て嫌な予感がして来たSyo。だんだん怖くなって来て、ソファーから転げ落ちた。そしてシーカーは不気味に微笑みながら転げ落ちたSyoを睨みつける。
「そのまさかだろぉ?」
「で、でも……ギャンブル惑星に行くには、宇宙船が……」
「それを用意してない俺だと思ったか?」
「嘘、おいマジかよ!?お前、宇宙船を……」
「ふっ……」
不気味に笑っていたシーカーが天使の微笑みに見えてきたSyoであった。
「お前も行くだろ……ギャンブル惑星に……」
「あぁ……行くよ!!宇宙の旅のついでにだと思えば楽しそうなもんだぜ!!」
おもちゃを貰った子供のように嬉しそうにはしゃぎながら承諾するSyoであった。
ーーーーーーーーーーーーーー
「……だと思ったよ」
真顔でとある椅子に座っているSyoと外を眺めているシーカー。
「俺が宇宙機買うお金があると思ったか」
それは宇宙船航機と呼ばれる見た目は普通の大型飛行機と同じ宇宙へと飛んで行ける宇宙機である。
そしてここは多くの惑星へ繋がる宇宙機が集う、惑星ターミナル。宇宙機を始め、宇宙航海に必要な宇宙服や多くの戦闘機用の改造パーツが売られている。
移動についても通常はメサの操作でそのフィールドなどに移動出来るが、この宇宙フィールドでは宇宙戦闘機、または宇宙船などでしか移動出来ないのだ。
「まぁまぁそんなテンション低くなるなよ!!楽しく金稼ごうぜ」
「うん……」
そしてシーカー達が乗る宇宙船航機は普通の飛行機と同じ離陸し、そのまま宇宙へと飛んで行った。
ーーーーーーーーーーーーーー
薄暗い朝の様な空模様の星ギャンブル惑星。空港には多くの戦闘機や宇宙船航機などが止まっている。
そして宇宙船航機から降り、空港から出る2人。
「へぇ~かなり発展してるんだなここ」
「そりゃあこの宇宙の中では最大級の発展都市だからな」
何十階もある綺麗なガラス張りの巨大なビルが立ち並び、その空を戦闘機や小型船航機などが飛び回っている。
街を歩くと、ヴィジョンで映し出された宇宙服や戦闘機などの広告や綺麗な噴水広場など、まさに近未来的な街である。
「映画とかでは結構見たけど、実際に行くとこんなにも面白い場所とはな……」
近未来的な景色に見惚れてあちこち見渡すシーカー。その点しっかり真っ直ぐ凛々しく歩くSyo。
「おいおいゲームといえ、それじゃあ田舎もん丸出しだぜ」
「いざ来るとかなりみちゃうもんだな……」
そしてエスカレーターのように動く歩道トラベレーターに乗り、カジノ場へと向かう。
乗る事10分周りを見渡すシーカーだったが、目的の場所に到着した。その入り口を見た瞬間、シーカーはあまりの煌びやからに絶句した。
「ここが……カジノ……」
「これがギャンブル惑星1の巨大カジノアモーレデナーロだ‼︎」
まるでテーマパークの入り口の様な大きなドアが開いており、ドアの上には電気文字でWelcome‼︎と筆記体で書かれていた。常にお洒落なBGMや歌が流れていて、空には1分に10発以上の花火が上がっている。
そしてSyoはシーカーに1つ聞く。
「でもよ、俺達場違いかないか……」
カジノに入って行くのは、綺麗なドレスを着ている美人のお姉さんや、昔の貴人が掛けていた片眼鏡を付けている紳士服の老人などブランド物を着ている富裕層の人ばかりが優雅に歩いていた。
聞かれたシーカーは人差し指を左右に振った。
「ちっちっち、そんなもん分かってるさ……それが用意してないと思ってたのか?」
「さっきの例を見るとね……」
「ふっ……」
2人はシーカーが用意していた黒の紳士服に片眼鏡、そして高級な木材で作られた杖、そして高級なビジネスバッグを持ったダンディな大人の男になり変わった。
「燃えてるかいベイビー!!大人の階段登ってるかいベイビー!!」
「もうそんな事言ってる時点ダメじゃないのか……ベイビー……」
大人の言葉なのか分からない事を意気揚々に言うシーカーに呆れるSyo。
遠くから見ればまさに紳士、だが近くから見ればただの紳士のコスプレをした風変わりな小僧。そんな2人は優雅に歩きながらカジノ内の入り口へと向かう。入り口の人型ガードロボによる検査が行われ、許可をもらった人だけが大人のカジノに入れる。2人はガードロボの前に立ち検査を受けた。
「ケンサシマス!!」
「おう!!……じゃなくてよろしく頼むよベイビー」
「それ今日ずっと言ってるつもりか?」
紳士的な言い方でガードロボに接するシーカー。ガードロボはメサの情報を読み込み、年齢確認をしている。
「ブー‼︎ブー‼︎ネンレイセイゲン二ヒッカカッテイマス‼︎アナタタチハハイルコトガデキマセン‼︎」
「えっ!!ダメなの!?」
「アタリマエデス‼︎ダメデス‼︎」
両手を合わせてガードロボにゴマを擦るシーカー。
「ダメなのぉ~!?」
「ダメデス!!」
その瞬間シーカーは手のひらを返し、態度を豹変した。
「なら俺達の船航機代返せこのやろー!!」
ガードロボに食い掛かり、酔っ払いの親父の如く絡みつく。
「船航機代4万Gだぞぉ!?返せこのやろぉ!!」
「ミセイネンヨウノカジノハムコウニアリマス‼︎ソチラニィ~」
「えっ?未成年用のカジノ?」
ガードロボが指す場所には電気文字でminorityと筆記体で書かれてた看板が立っている大型カジノがあった。
またシーカーは態度を変え、ガードロボの頭を軽く叩いた。
「いや~すまなかった。ご協力感謝します!!これからも頑張ってねベイビー!!」
「めちゃくちゃなだなお前……」
そう言いながら2人は未成年用カジノへと紳士服を脱ぎ捨てながら走って行く。
カジノの中へ入ると騒がしい音楽や機械から出てくる大量のコインの音などまさにカジノの音である。大勢のプレイヤーがゲームに挑んでいたり、負けたのか入り口付近で落ち込んでいるプレイヤーもいた。
大人のカジノとは違い、スロットやルーレット、トランプなどはなく、独自のゲームが立ち並んでいる。シーカーは1つのゲームを発見し、興味を示した。
「ビンゴゲーム?」
巨大なガラスの球体の中に数値の書かれたピンポン球サイズの玉が入っており、その中に強力な風を送り込み球体内で回転させている機械だ。1000Gを機械に払うとビンゴの紙が出てきて、球体から10個の数値の書かれたボールがランダムに小さな透明な箱へと落ちて行く。
その数値が紙にあったら穴を開け、1列ビンゴしたら1万Gもらえる。もちろん同じ紙でビンゴを続けることも出来、その際は一度出た玉はまた球体へと戻って行くため、同じ数値が出てくる可能性もある。
「これやってみるか」
「1万Gか……まぁやらないよりかはマシか……」
1000Gを払うと、5列×5列のビンゴカードが出て来た。そして球体からランダムにボールが10個、箱の中に出て来た。
「どれどれ……」
シーカーは真ん中を開けて、紙とボールを交互に見ながら確認する。
「えぇ……っと10番と5番と……」
何個か穴を開けていくシーカー。だが出てくるのは100個の内の10個、そして5列×5列の真ん中を除く24個。2・3個は開くが、そう簡単には揃わなかった。
「簡単には揃わないよなぁ……」
そう言いながらシーカーはすぐに1000Gを追加する。
「まだやるのか?」
「次で当たるって!!次で!!」
「そう言いながら当たった人見たことねぇよ……」
呆れるSyoだが、そんな事を知らずにシーカーは次の出て来た玉を凝視して穴を開けていく。
「お前はそれやってろ、俺は別の事をやるからな」
「おう」
別の場所に行こうとするSyoに興味なさそうに適当に返事するシーカー。Syoは多くのゲームを見物しながら選んでいる。
「なんか面白そうなのないかなぁ……」
「お兄さんお兄さん……」
「ん?」
後ろからお兄さんと呼ぶ綺麗で心地よい声の女性の声が聞こえて来た。Syoは自分の事かな?と左右を確認していると
「そうそうそこのあなたよ」
と飛び止めていたのは、円状の穴が空いた卓の中をバニーガールの姿をした若い金髪のお姉さんがSyoを誘っていたのだった。
「お、俺の事?」
「えぇ……そうよ、私と一回遊ばない?」
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そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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