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第26話 結の情報収集
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累と結が破魔屋の屋敷に逃げ込んで三日が経過した。
しかし鯉屋が動き出す様子もなく、大店も街もいつも通りの日常を過ごしている。
これならば幾分か安心だろうと、神威は累と結を心配する依都を破魔屋に連れてきた。
「結様ー!」
「よりちゃん!」
「ごめんなさい、僕助けに行けなくて……何もできなくて……」
「そんな事無い。累が鯉屋に入れるようにしてくれたって聞いたよ。水を抜く方法もよりちゃんが教えてくれたんでしょう?だから助かったんだ。よりちゃんのおかげだよ。有難う」
「結様~!!」
わあん、と依都は涙を流して結に抱き着いた。
それはいつも結が累にしているのと同じようで、こちらも兄弟のようだった。
「なあ、あいつら似てねえ?」
「結に手出したら殺す」
累はギラリと目を光らせた。
けれど神威はそれには興味無さそうで、いつまでじゃれてんだ、と依都を取られて面白くないという顔をしていた。
神威の部屋に集まった四人はこたつに入り、穏やかな気持ちでいられる幸せを噛みしめた。
「これからどうすんだよ。旦那が置いてくれてるうちにどうにかしないと」
「放流しないわけにはいかないですもんね……」
「でも放流したら死ぬんだろ?」
「神威君!そういう事言わないの!結様怖い思いしたばっかりなんだよ!」
「あのなあ、甘やかしたってしょーがねえだろ。震えて引っ込んでたって何にも解決しねえよ」
「神威君!めっ!」
依都はぽこっと神威を叩いた。累も大丈夫だからな、と結の頭を抱きかかえて撫でている。
けれど結は平気、と累の腕をするりと抜けて神威の袖をくいと引っ張った。
「あの、僕考える。でも、その前に、その、えっと……」
「どうした。ゆっくりでいいぞ」
累は恥ずかしそうにもじもじして言葉を詰まらせる結の頭を撫で続け、結局結は累の背に隠れてしまう。
そして、あのね、とちらちら神威を見ながら小声で必死に言葉を繋げた。
「あの……僕とも、と、友達に、なってくれますか……」
「あ?」
「もちろんですよ!ね!神威君!」
「あ、ああ」
「本当?友達?」
「おお」
「嬉しい!僕ずっと病気してたから友達いないんだあ。よろしくね。助けてもうばっかりで申し訳ないんだけど……」
「大丈夫!神威君は優しいから結様の事も守ってくれますよ!」
「報酬がありゃな」
「よし!じゃあ僕がぎゅーってしてあげる!!」
結が払える報酬などないけれど、その分僕が払ってあげる、と依都はぎゅうぎゅうと神威を抱きしめる。
普通ならこんなのは報酬にならないだろうが、神威はもう隠す事も言い返す事も無く大人しく抱きかかえられ、まあいいだろう、とにやにやと笑っていた。
そして結はぱっと顔を明るくして、パンっと両手を叩いた。
「はい、友達になったね。じゃあ友達の神威君に聞きたい事あるんだけど、聞いてもいい?」
「あ?お、おお」
結は急にけろりとして累の背から出て来た。
さっきまでのぽやぽやした雰囲気とは打って変わってキリっとした結に驚き、神威は思わず頷いた。
「神威君は出目金倒せるって聞いたんだけど、それってどうやるの?」
「破魔矢だよ。これで切る」
「切れるのは神威君自身に特別な能力があるから?それとも破魔屋を持てば誰でも使えるの?例えば僕でも」
「誰でも使えるよ。俺は身体鍛えてるだけ」
「でも光るじゃん」
「あれはそういう仕様なんだよ。別に意味は無い」
「無いの?演出って事?」
「さあな。けど旦那が作るほどの物が無意味とは思えない。俺は知らないけど」
「へえ、そっか。それっていっぱい作れないの?跡取りいらずじゃない」
「俺も聞いたよ。でも断られてた。有限なんだと」
「あ、やっぱりそうなんだ。残念。ところで神威君は破魔屋生まれなの?」
「……ああ、そうだけど」
やたらとぐいぐい来る結に少し引いて、何だ急に、と神威は身を引いてしまう。
けれど結はここぞとばかりにずいずいと詰め寄っていく。
「旦那さんも破魔屋生まれ?」
「そりゃそうだ。破魔一族は旦那の一族だしよ」
「旦那さんの?それは当主が世襲制なの?それともずっと今の、あの旦那さん?」
「今のあの旦那だよ」
「一代なんだ。旦那さんて何歳?この世界の人って寿命無いんだよね」
「僕よりもずーっと年上ですよ。千……何歳とか」
「ゲ。そんなか」
「じゃあずっとあの人なんだ。ふうん。でもそれ変だよねえ」
「変じゃないですよ。ここでは千歳超える人は珍しくないですし」
そうかなあ、と結は口元に手を当てて、少しだけ目を伏せた。
質問の意図が分からず、神威はつまらなそうに口を尖らせる。
「結様。跡取りっていっぱい召べないんですか?そうすれば一人で何度もやる必要ないし!」
「あ、そうだよね!よりちゃん頭いい!でもどうなんだろ。出来るのかな」
「アホ。できるならとっくにやってるだろ。召べるのは一人一回。次はお嬢さんが子供産まないとだめだな」
「そうなの?大旦那様は?もう召んだ事あるのかな」
「大旦那は鯉屋の血統じゃないから無理だろ」
「何で?紫音さんのお父さんじゃないの?」
「父親じゃねえよ。大旦那は経営者だ。血統とは関係ない」
「へえ、そうなんだ。えー、神威君詳しいねえ」
「……おお」
結は眩しい笑顔でにこにこと微笑み続けた。
意図の読めない表情に神威は若干の恐ろしさを感じ、どういう事だと累を見たけれどこちらもこちらでにこにこと弟を眺めている。
何なんだこれはと神威はげんなりしたけれど、依都は元気にハイッと手を挙げた。
「鈴屋様に相談してみるのはどうですか!?」
「鈴屋ってあのお面の人?そういやあの人って何なの?僕あんまり知らないんだけど」
「そうなの?俺鯉屋の人間なのかと思ってた」
「僕は跡取りの仕事に関係無い人にはほとんど会った事無いもん」
「鈴屋は大旦那の右腕みたいな奴だから通報されるんじゃねえの」
「右腕?右腕かあ。ふうん。じゃあ駄目だね」
右腕ねぇ、と結はまた少し考え込んだ。
結が黙ってしまったところに、今度は累がハイッと手を挙げ神威に視線を送った。
「俺は破魔屋も気になる。相当特殊だろお前らって」
「そういえば破魔屋さんて何してるお店なんだっけ。店舗無かったけど」
「何でも屋。報酬次第で何でもやってくれるんだよ」
「ふうん。何でも屋さんだから破魔矢を作るの?」
「逆だ。破魔矢を作れるから破魔屋なんだよ」
「へえ、そう」
結は目を細めて、にいっと口元だけ笑った。
そしてこの機を逃してなるものかと、ずりずりと神威ににじり寄る。
「ねえねえ、破魔矢ってどういう経緯で出来たの?」
「経緯?そりゃ出目金退治する手段が必要だから作ったんだよ」
「じゃあたまたま出来たんじゃなくて作ろうと思って作ったんだ。この世界の人って『新しい物を作る』っていう概念無いのに不思議だね」
それは累も思った事で、鉢では折り紙や布を縫い合わせた程度の事を喜んだ。
現世では最も基本的な遊びや生活の知恵で、有難がる事ではない。しかも使える物であっても、本来の目的を果たしたら別の目的を持たせて再利用もしない。深く考える事をしないから新たに物を作るなんて事はしないのだ。
すっごく頭良い人なんだねえ、と結はにこにこと貼り付けたような笑顔で微笑む。
「ねえ、よりちゃんも破魔屋さんにお願いする事あるの?」
「僕は無いですけど、でも出目金を倒してくれるんで金魚屋はすっごく助かってます」
「金魚屋は逃げた出目金に襲われる事が多かったからな」
「確かに。危険度ナンバーワンだよな」
「そっか。それで神威君はよりちゃんにくっついてるんだ」
「いえ、神威君は僕に会いたいだけです」
「ち、ちげーよ!」
「違うの~?」
「ちが、ちがわ、ねえけど」
もうこれはルーティンだな、と累は笑った。
いつもこうかぁ、と結も微笑ましい光景に笑ったけれど、ふうん、とまた何かを考えたようだった。
「僕、旦那さんにもう一度話聞きたいなぁ」
「破魔矢作りなら取り合わないぞ。今までも頼まれた事があるけど断り続けてる。絶対に首を縦に振らない」
「そんなの振らせればいいだけだよ」
「え?」
急に結は低い声で言い捨てた。
それはまるで切れ味の良い研ぎたての刃物で横一線に切り付けられたような鋭さで、とてもほわんとしていた結の口調だとは思えなかった。
その豹変に依都と神威は固まってた。
「欲しい情報は揃ったよ。有難う、神威君。僕は良い友達を持ったなあ」
「……何の情報だって?」
「始めるための情報だよ」
「始めるって、何をですか?」
結はクスリと含みのある笑みを浮かべて立ち上がって羽織を羽織る。
「跡取りを汎用化する仕組み化と自動化」
ふふ、と結は口角を吊り上げた。
結の言っている意味が分からず、神威は累にこそりと耳打ちする。
「……何だって?」
「あ~、結の変なスイッチ入ったな~」
依都もきょとんと目を丸くしていたけれど、累だけは幸せそうに微笑んでいた。
しかし鯉屋が動き出す様子もなく、大店も街もいつも通りの日常を過ごしている。
これならば幾分か安心だろうと、神威は累と結を心配する依都を破魔屋に連れてきた。
「結様ー!」
「よりちゃん!」
「ごめんなさい、僕助けに行けなくて……何もできなくて……」
「そんな事無い。累が鯉屋に入れるようにしてくれたって聞いたよ。水を抜く方法もよりちゃんが教えてくれたんでしょう?だから助かったんだ。よりちゃんのおかげだよ。有難う」
「結様~!!」
わあん、と依都は涙を流して結に抱き着いた。
それはいつも結が累にしているのと同じようで、こちらも兄弟のようだった。
「なあ、あいつら似てねえ?」
「結に手出したら殺す」
累はギラリと目を光らせた。
けれど神威はそれには興味無さそうで、いつまでじゃれてんだ、と依都を取られて面白くないという顔をしていた。
神威の部屋に集まった四人はこたつに入り、穏やかな気持ちでいられる幸せを噛みしめた。
「これからどうすんだよ。旦那が置いてくれてるうちにどうにかしないと」
「放流しないわけにはいかないですもんね……」
「でも放流したら死ぬんだろ?」
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「あのなあ、甘やかしたってしょーがねえだろ。震えて引っ込んでたって何にも解決しねえよ」
「神威君!めっ!」
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けれど結は平気、と累の腕をするりと抜けて神威の袖をくいと引っ張った。
「あの、僕考える。でも、その前に、その、えっと……」
「どうした。ゆっくりでいいぞ」
累は恥ずかしそうにもじもじして言葉を詰まらせる結の頭を撫で続け、結局結は累の背に隠れてしまう。
そして、あのね、とちらちら神威を見ながら小声で必死に言葉を繋げた。
「あの……僕とも、と、友達に、なってくれますか……」
「あ?」
「もちろんですよ!ね!神威君!」
「あ、ああ」
「本当?友達?」
「おお」
「嬉しい!僕ずっと病気してたから友達いないんだあ。よろしくね。助けてもうばっかりで申し訳ないんだけど……」
「大丈夫!神威君は優しいから結様の事も守ってくれますよ!」
「報酬がありゃな」
「よし!じゃあ僕がぎゅーってしてあげる!!」
結が払える報酬などないけれど、その分僕が払ってあげる、と依都はぎゅうぎゅうと神威を抱きしめる。
普通ならこんなのは報酬にならないだろうが、神威はもう隠す事も言い返す事も無く大人しく抱きかかえられ、まあいいだろう、とにやにやと笑っていた。
そして結はぱっと顔を明るくして、パンっと両手を叩いた。
「はい、友達になったね。じゃあ友達の神威君に聞きたい事あるんだけど、聞いてもいい?」
「あ?お、おお」
結は急にけろりとして累の背から出て来た。
さっきまでのぽやぽやした雰囲気とは打って変わってキリっとした結に驚き、神威は思わず頷いた。
「神威君は出目金倒せるって聞いたんだけど、それってどうやるの?」
「破魔矢だよ。これで切る」
「切れるのは神威君自身に特別な能力があるから?それとも破魔屋を持てば誰でも使えるの?例えば僕でも」
「誰でも使えるよ。俺は身体鍛えてるだけ」
「でも光るじゃん」
「あれはそういう仕様なんだよ。別に意味は無い」
「無いの?演出って事?」
「さあな。けど旦那が作るほどの物が無意味とは思えない。俺は知らないけど」
「へえ、そっか。それっていっぱい作れないの?跡取りいらずじゃない」
「俺も聞いたよ。でも断られてた。有限なんだと」
「あ、やっぱりそうなんだ。残念。ところで神威君は破魔屋生まれなの?」
「……ああ、そうだけど」
やたらとぐいぐい来る結に少し引いて、何だ急に、と神威は身を引いてしまう。
けれど結はここぞとばかりにずいずいと詰め寄っていく。
「旦那さんも破魔屋生まれ?」
「そりゃそうだ。破魔一族は旦那の一族だしよ」
「旦那さんの?それは当主が世襲制なの?それともずっと今の、あの旦那さん?」
「今のあの旦那だよ」
「一代なんだ。旦那さんて何歳?この世界の人って寿命無いんだよね」
「僕よりもずーっと年上ですよ。千……何歳とか」
「ゲ。そんなか」
「じゃあずっとあの人なんだ。ふうん。でもそれ変だよねえ」
「変じゃないですよ。ここでは千歳超える人は珍しくないですし」
そうかなあ、と結は口元に手を当てて、少しだけ目を伏せた。
質問の意図が分からず、神威はつまらなそうに口を尖らせる。
「結様。跡取りっていっぱい召べないんですか?そうすれば一人で何度もやる必要ないし!」
「あ、そうだよね!よりちゃん頭いい!でもどうなんだろ。出来るのかな」
「アホ。できるならとっくにやってるだろ。召べるのは一人一回。次はお嬢さんが子供産まないとだめだな」
「そうなの?大旦那様は?もう召んだ事あるのかな」
「大旦那は鯉屋の血統じゃないから無理だろ」
「何で?紫音さんのお父さんじゃないの?」
「父親じゃねえよ。大旦那は経営者だ。血統とは関係ない」
「へえ、そうなんだ。えー、神威君詳しいねえ」
「……おお」
結は眩しい笑顔でにこにこと微笑み続けた。
意図の読めない表情に神威は若干の恐ろしさを感じ、どういう事だと累を見たけれどこちらもこちらでにこにこと弟を眺めている。
何なんだこれはと神威はげんなりしたけれど、依都は元気にハイッと手を挙げた。
「鈴屋様に相談してみるのはどうですか!?」
「鈴屋ってあのお面の人?そういやあの人って何なの?僕あんまり知らないんだけど」
「そうなの?俺鯉屋の人間なのかと思ってた」
「僕は跡取りの仕事に関係無い人にはほとんど会った事無いもん」
「鈴屋は大旦那の右腕みたいな奴だから通報されるんじゃねえの」
「右腕?右腕かあ。ふうん。じゃあ駄目だね」
右腕ねぇ、と結はまた少し考え込んだ。
結が黙ってしまったところに、今度は累がハイッと手を挙げ神威に視線を送った。
「俺は破魔屋も気になる。相当特殊だろお前らって」
「そういえば破魔屋さんて何してるお店なんだっけ。店舗無かったけど」
「何でも屋。報酬次第で何でもやってくれるんだよ」
「ふうん。何でも屋さんだから破魔矢を作るの?」
「逆だ。破魔矢を作れるから破魔屋なんだよ」
「へえ、そう」
結は目を細めて、にいっと口元だけ笑った。
そしてこの機を逃してなるものかと、ずりずりと神威ににじり寄る。
「ねえねえ、破魔矢ってどういう経緯で出来たの?」
「経緯?そりゃ出目金退治する手段が必要だから作ったんだよ」
「じゃあたまたま出来たんじゃなくて作ろうと思って作ったんだ。この世界の人って『新しい物を作る』っていう概念無いのに不思議だね」
それは累も思った事で、鉢では折り紙や布を縫い合わせた程度の事を喜んだ。
現世では最も基本的な遊びや生活の知恵で、有難がる事ではない。しかも使える物であっても、本来の目的を果たしたら別の目的を持たせて再利用もしない。深く考える事をしないから新たに物を作るなんて事はしないのだ。
すっごく頭良い人なんだねえ、と結はにこにこと貼り付けたような笑顔で微笑む。
「ねえ、よりちゃんも破魔屋さんにお願いする事あるの?」
「僕は無いですけど、でも出目金を倒してくれるんで金魚屋はすっごく助かってます」
「金魚屋は逃げた出目金に襲われる事が多かったからな」
「確かに。危険度ナンバーワンだよな」
「そっか。それで神威君はよりちゃんにくっついてるんだ」
「いえ、神威君は僕に会いたいだけです」
「ち、ちげーよ!」
「違うの~?」
「ちが、ちがわ、ねえけど」
もうこれはルーティンだな、と累は笑った。
いつもこうかぁ、と結も微笑ましい光景に笑ったけれど、ふうん、とまた何かを考えたようだった。
「僕、旦那さんにもう一度話聞きたいなぁ」
「破魔矢作りなら取り合わないぞ。今までも頼まれた事があるけど断り続けてる。絶対に首を縦に振らない」
「そんなの振らせればいいだけだよ」
「え?」
急に結は低い声で言い捨てた。
それはまるで切れ味の良い研ぎたての刃物で横一線に切り付けられたような鋭さで、とてもほわんとしていた結の口調だとは思えなかった。
その豹変に依都と神威は固まってた。
「欲しい情報は揃ったよ。有難う、神威君。僕は良い友達を持ったなあ」
「……何の情報だって?」
「始めるための情報だよ」
「始めるって、何をですか?」
結はクスリと含みのある笑みを浮かべて立ち上がって羽織を羽織る。
「跡取りを汎用化する仕組み化と自動化」
ふふ、と結は口角を吊り上げた。
結の言っている意味が分からず、神威は累にこそりと耳打ちする。
「……何だって?」
「あ~、結の変なスイッチ入ったな~」
依都もきょとんと目を丸くしていたけれど、累だけは幸せそうに微笑んでいた。
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