黒い狼と赤い赤ずきん

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6.屋上

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私は誰もいない屋上へ連れていかれた。
殺されることも覚悟した。

2人になると雄登の頭から耳が生えてきた。
「分かってると思うけど、俺達は人間に化けて生活してる。だからさこの事は、絶対に誰にも言わないでほしい。まぁ、言った所で信じてもらえないと思うけどね。」
『あ、あの。言わないですから殺さないでください。』その瞬間、黒い影が私達の前に現れた。
龍我だった。龍我の頭からも耳が生えていた。
「待った。」低い声が心に響く。
「その女はどうも怪しい。見る限り近くに親も友達もいなさそうだしな。」
その時誰かがくる気配がした。
雄登がいった。
「今日、学校が終わったら俺達の家に来て欲しい。ここで話すと誰かに聞かれるかもしれないからね。」
『え!それなら1つお願いがあります。殺さないでください。』
龍我が「それは保証できない。場合によっては殺すかも。」
からかうように言われた。
「ちょっと龍我!大丈夫だよひまりちゃん。絶対むやみに襲わないから。」
黒い狼と白い狼、正反対の2人だ。


放課後。私は渡された地図をたどりながら、重い足で狼達が暮らしている寝床へと向かった。
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