黒い狼と赤い赤ずきん

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8.変わり果てる日常

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次の日から私の高校生活は一変した。  

ピロリロリーん。スマホがなった。龍我からだった。
『放課後トイレの掃除しとけ。俺は汚い所が大嫌いだ。汚い人間共だな。』
は?こんなことに私使われるの?でも……逆らったら。
大人しく、「分かりました。」と送っておいた。
ピロリロリーん。また龍我かとおもったら今度は雄登からだった。
『ひまりちゃん!昨日はありがとね!さっそくなんだけど今日家に来て料理教えて欲しいんだぁー!ってことで時間あったらよろしく!!』
どんだけ人使い荒いんだよ……。まぁ、雄登は優しいから許すけど……。

 昼休みになれば、パン買ってこいだのジュース買ってこいだのほとんど龍我からの命令だけど…。まぁ、忙しくしていればボッチには見えないから良い。
龍我の所へ走って行くと、
『俺の好きなのじゃない。』いや、どれだけ走ったと思ってんだよ!!。
その時私のお腹がグーっとなった。頬を赤らめると。
『いちごと、ブルーベリーどっちが好きか言え。』
「いちごかな。もしかしてくれるの!?」
『はい、ブルーベリー。あげるよ。』なんだよコイツ!!人の好きな物聞いておいて!!龍我はクスクスって笑った。私は初めて龍我の笑った顔をみた。
その後もちろん一緒に食べるわけでもなく、どっかいけ。と言われて屋上へ行った。誰もいないし心地よい風が吹いていた。ふと、龍我からもらった、袋の中をみると、
『あま~い、いちごパン』と書いてあった。

いいとこあるじゃん。そう思った。
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