上 下
2 / 7

【古ぼけた屋敷】

しおりを挟む
【古ぼけた屋敷】
引き寄せられようにやってきたこの屋敷。
中に入ってみたい。そう思い扉を開けた。
”ギギッと音が鳴る玄関ドアを開けると、うすぐらく埃っぽい。カビた匂い、目の前には大きな階段。引き寄せられるようにその階段を上がった。
階段を登りきって左側へと進むと、変に綺麗な扉が見える。
「ここはなんの部屋なのだろうか。」そうなことを考えるが扉を開け入ってしまった。

中は薄暗い。あかりはテーブルにあるランプだけだが、妙に周りの景色がはっきり見える。


「………ッ!!」
無数の目の入った瓶。ホルマリン漬けされている手足。いけないものを見てしまった。そう思ったのもつかの間入口に人の気配を感じる。

「綺麗だろう。ボクが集めたコレクションなんだ」
そこに居たのは見た目は12歳に見えるがなんだが妙に大人びたように見える。
「で、なぜ君はここに入った。扉は閉めていたはずだが、」

【ぁ、ぅ、あぁ、】
言葉が出ないなんて言えばいいのか分からない。恐怖?それとも好奇心?それとも。

【”自分もこのコレクションの1部に”】
いやいやそんな事思って居ないはず、、

「とりあえず出ていってくれ。出ていかなければ問答無用でボクのコレクションにするがいいのか?」
ニヤッと口角を上げ笑う少年。不気味だがなんだが愛おしい。そんなことを考えていると少年が近ずいてきた。
グッと顔を近ずけ今にも唇が触れてしまいそうな距離だ。
   

「君は綺麗な瞳をしているね。吸い込まれそうだ、おっと失礼近ずき過ぎたね。さ。今日はもう帰りたまへ。玄関まで連れて行ってやろう。」

隣を歩く少年。頬を赤く染め息が荒い。
でもなにか妙だ、、


「また会えるのを楽しみにしている。そうだこの紙切れを渡しておこう。くれぐれも無くさないようにな。」
そう言い終わると少年は背中を押し強制的に扉から出されてしまった。

気がつけば森の入口にいた。
自分は今まで何をしていたのか分からない。手に握られている紙切れはなんなのだろうか、、
だがもう帰ろう。そう思い自分の村へと帰った。



To Be Continued

しおりを挟む

処理中です...