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SS初の仕事
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弟のファインは器用貧乏と言う変なギフトを授かった事で、15歳になったら村を出て行くように親父に言われていた。
だが俺は長男で親父の後を継いで裕福な暮らしをする。
だが問題は次男のロインだ、俺より2歳年下で今は13歳とはいえ人当たりが良く村の大人達からも親父の後を継ぐのはロインじゃないか? なんて言われている。
そんな時15歳になった俺にチャンスがやって来た。
親父からルミナ村から4日程の場所にあるブロームの街に行き村の産物を売って布と酒を買い付けてこいと言う仕事を指示されたのだ。
当然、護衛は親父が冒険者を雇い入れてくれたので俺は馬車の手綱を握って街まで行き、産物を売って布と酒を仕入れるだけの簡単な仕事。
言うなればお使い程度の仕事だが俺が親父の後を継ぐための第一歩であり、どれだけ産物を高く売って、多く布や酒を仕入れて来れるかで俺の評価が上がる。
親父からは護衛の冒険者に支払う復路の依頼料と布や酒の買い付けに使う資金を預かり、冒険者に守られてブロームの街に向かう。
買い付け資金を渡されたのは、村の産物を売っただけでは大した額にならないからその不足分を補う為の資金だ。
村を出発した俺を街までは冒険者が常に護衛をしてくれるので、夜はテントで朝まで眠り、昼間は馬車の手綱を握っているだけでルミナ村を出て4日目には予定通りブロームの街に到着した。
親父からは泊まる宿を指定されていたのでそこに泊まり6日後までに産物を売り布を仕入れてルミナ村に戻る事になっている。
宿に到着したら、冒険者から渡された依頼書にサインをし、5日後の昼に冒険者ギルドで落ち合ったあと、ギルドに依頼を出したうえで護衛を引き受けてもらう約束をした後馬車を宿に預けブロームの街を見て周る。
流石に5万人以上が暮らすと言われる街ともなるとルミナ村と違い、道は舗装され、2階建ての家が立ち並び、様々な店が軒を連ねている。
「あんな村で一生を終えるぐらいならこんな街で暮らしたいな…」
そんな独り言を呟きながら、街を歩き、産物を売る店の場所、布を仕入れる店の場所などの下調べをしておく。
俺はやっぱり出来る男だな、ロインやファインだったら物珍しさで浮かれてるだろうけど俺は違う、ちゃんと取引先の場所を把握して明日の商談に備える事が出来る。
そんな事を思いながら、街を散策し宿に戻って併設された酒場で食事をとって居ると同年代と思われる冒険者のパーティーがテーブルを囲み依頼達成の祝いをしている。
どうやらパーティーで森に入りオークを討伐して来たらしく、肉や魔石をギルドで換金して来た後のようで自分達の武勇伝を仲間内で語り合っている。
ふん、冒険者なんか学も無くロクな職業に就くことが出来ない人間が行きつく場所だろ…。
金で雇われて護衛対象が寝てる間も見張りをしたりとか、魔物狩りなど単純な仕事しか出来ない連中だ。
そう思いつつも食事を続けていると、先程まで仲間内で語り合っていた冒険者の一人が声をかけて来た。
「お兄さん、1人かい、まさか商人だったり?」
「それがどうかしたのか?」
いきなり声をかけられて警戒気味に答えるとそんなに警戒するなよ、と言わんばかり笑顔で話しかけてくる。
「俺はルーイって言うんだが、この町で冒険者をやってる。 ランクはEランクだが俺達パーティーでオークを狩れるレベルなんだ」
「それがどうかしたのか? オーク狩れる冒険者が村の産物を売りに来た俺に用はないだろ?」
「そう言うなよ、俺達も次のステップアップに護衛の仕事とかを受けたいと思ってるんだ、どうだ? 今なら他の冒険者より安く引き受けるぜ」
「他の冒険者よりも安くね…。 それで?」
「それでってなんだよ? 護衛は必要なんだろ?」
「護衛は雇うが、お前…、ルーイ達のパーティーだったらいくらで護衛をするんだ?」
「そうだな、1人1日銀貨1枚、護衛後の復路分は往路の半分で良いぜ。 普通に冒険者を雇ったら最低でも1人1日銀貨5枚はするだから格安だろ?」
そう言うルーイの言葉に頭の中で計算をする。
親父が雇った冒険者を復路で雇う金は1人1日銀貨8枚、それが5人だから合計で1日金貨4枚と銀貨5枚、それがこのルーイ達5人組のパーティーなら1日で銀貨5枚だから一日当たり金貨4枚が浮く。
「1人1日銀貨1枚じゃ割に合わないんじゃないのか? ルミナ村まで4日、復路は半額として一人当たり銀貨6枚だぞ?」
「まあな、収入としては少ないけど、さっきも言った通り俺達はステップアップしたいんだよ、狩りだけしか出来ない冒険者じゃなくて、狩りも護衛も出来る冒険者になりたいしな。 まあ護衛依頼を成功させればギルドのランクが上がりやすいってのもあるけどな」
「冒険者の事はよく分からんがそんなもんなのか…。 俺はダインだ、出発は6日後…、いや、5日後だ、親父が雇う約束をした冒険者と5日後の昼にギルドで落ち合う予定だったからその前に街を出る」
「おい、誘った俺がこう言うのもどうかと思うんだがそれはまずいんじゃないか? 約束してたんだろ?」
「約束したのは親父だし、まだギルドに依頼を出していないんだから文句を言われる筋合いはないだろ! 雇うのは俺だ、俺が決めて何が悪い?」
「いや、ダインがそう言うんだったらいいんだけどよ…」
「ダインじゃない! 俺は雇い主なんだからダインさん、いやダイン様とでも呼べよ!」
「いやダイン様は無いだろ、どこぞの貴族様や豪商でも無いんだし」
「ふん、まあいい、じゃあダインさんとでも呼べ」
「分かったよ、それでギルドに依頼を出すのはいつにするんだ?」
「そうだな、明日、いや明日だと親父が約束した冒険者の耳に入るかもしれないから4日後の昼過ぎにギル出で待ち合わせて依頼を出すぞ、それで出発は5日後の朝だ」
「わかった、4日後の昼過ぎだな、じゃあギルドで待ってるぜ」
そう言うとルーイは仲間の元に戻り護衛依頼の話をし始めた。
食事を済ました俺はルーイに再度日時の念を押し部屋に戻って寝る。
やっぱり出来る男は違うな…。
旨い話が向こうからやって来やがる。
浮いた金で布と酒を多く買いつければ俺の評価も上がり村の奴らもロインじゃなく俺が跡を継いだ方が良いと思うだろう。
明日のうちに産物を売って、明後日には布と酒を仕入れ、残りは街を満喫しよう。
護衛費用も浮いだことだし、金貨4~5枚ぐらいは使っても問題ないだろうし、仕入れが終わったら昼間見かけた娼館に行ってみるか…。
翌日、産物も満足のいく買取価格で売れ、その後2日で布と酒を予定よりも多く仕入れられたおかげで馬車には荷が満載の状態だ。
夜には娼館に行って初めての体験もできたし満足だ。
そしてルーイ達との約束の日、ギルドに行くと既にルーイ達の姿はあり、受付で依頼をし、ルーイ達が受けるといった流れで手続きが終わった。
ギルドの受付は本当にルーイ達に護衛依頼をするので良いのかしつこく聞かれたけど、オークを狩れるぐらいの腕なんだから護衛としては十分だろう。
翌日、ブロームの街の門に馬車で向かいルーイ達と合流しルミナ村へ出発をする。
帰りも1日目、2日目ともの順調に進んでいく。
「なあダイン、夜の見張りをお前はしないのか? ダインが見張りに加われば俺達の休む時間も少し増えるんだけど」
「ダインさんだろ! それに何で依頼主の俺が見張りをするんだ? ルーイ達が護衛なんだから見張りもお前たちがするもんだろう、俺は寝るから見張りをしっかりしろよ!」
2日目の夜にルーイがふざけた事を言って来たが見張りも護衛の仕事なんだから俺がする必要はないのに何を言ってるんだあいつらは。
翌日、ルーイ達は疲れた感じの顔をしているがルミナ村まではあと2日だ、2日後に親父も俺の商才に驚き、そして俺を認めるだろう。
そう思いながら馬車の手綱を握り街道を進む。
異変が起きたのは夕方近くになり、予定の野営地に着いた時だった。
ルーイ達が座り込み、休憩をとりだした時、森の中から6人組の男が出て来た。
「お~お~、お子様達が随分大荷物を抱えてるな~」
そう言って男たちが近づいて来る。
「な、なんだお前たちは!」
「なんだって? 馬鹿かお前! こんな所に便利屋が居るとでも思ってるのか? 俺達はお前らが持っている物を貰いに来たんだよ!」
「な、盗賊か? お前達、盗賊は死刑って知っているのか? 今なら見逃してやるぞ!!」
「ぶぁははははは!!!!! 今なら見逃してやるってよ!!」
「な、な、何が可笑しいんだ! 死刑だぞ!」
「お前馬鹿だろ!! 捕まらなければ死刑にならないんだよ! それともお前が俺らを捕まえるのか?」
「ふん、俺はそんな野蛮な事はしないに決まってるだろう!! お前らを捕まえるのは俺の護衛をしている冒険者だ!!」
「冒険者? そのお子様達がか? プっ…ハハハハハ!!!! そんなガキ共に俺達が捕まると思ってるのか?」
「ああ、こいつらはオークを狩れるレベルの冒険者だ! お前ら逃げるなら今のうちだぞ!」
それを聞いた盗賊たちは大笑いをし始める。
「何が可笑しい!!」
「何が可笑しいって? お前自分の護衛をしてるガキ共の顔を見てみろよ! 面白い顔をしてるぜ」
笑いながらそう言う盗賊共の言う通りルーイ達に目をやると全員が青い顔をして震えている。
「おい! ルーイ、お前達はオークを狩れるぐらい強いんだろ!! この盗賊共を追い払え!!!」
「ダイン、よせ、煽るな、殺されるぞ!」
「ふざけるな!! お前らはオークよりも強いと言ってただろ!! こんな薄汚れた盗賊共をとっとと蹴散らせ!!!」
「お~お~、薄汚い盗賊共を蹴散らせか…。 たかがオークを狩れるぐらいで調子に乗ってるガキに俺達が負けるとでも思ってるのか? 随分と舐められたもんだな」
「ダイン、よせ、煽るな、殺されるぞ! 馬車の荷を渡して命だけは見逃してもらうべきだ」
「ふざけんな! お前達は何の為の護衛だ! 盗賊を追い払うのもお前たちの仕事だろ!!」
「ハハハハハ、そこのガキはまだ見込みのある奴だがお前はやっぱり馬鹿だな!」
「なんだと!!」
「まあ馬鹿はほっといてお前らはどうするんだ? 俺達と殺あうか? まあガキは肉も骨も柔らかいから斬った時の感触が堪らないから殺あうなら喜んで殺してやるぜ」
そう言うと盗賊たちは、手に持った剣や斧を振りながらニヤニヤと笑っている。
「ダイン、荷を渡して見逃してもらおう、そうすれば命だけは取られない、死んだら終わりだぞ!!」
「ふざけんな! 護衛なんだからお前ら戦って追い散らせ!!!」
荷を渡して見逃して貰えとうルーイを怒鳴りつける俺の姿を盗賊たちは楽し気に眺めている。
「銀貨6枚程度で命なんて捨てられるか!! 俺達は逃げるぞ!!」
「な、おい! 待て!! お前達は護衛だろ!! 逃げるな!!」
そう言う俺の声を無視してルーイ達は来た道を走って逃げていく。
「あ~あ~、護衛が逃げちゃったな~、それでお前はどうするんだ?」
「ど、どうするだと?」
「お前ホントに馬鹿だな、馬車ごと荷を置いて行くか、死ぬかどっちか聞いてるんだよ」
「そ、それは…」
「ところでお前、数日前にここを通っただろ? その時の冒険者はどうした? 護衛を断られたか?」
急に話を変えられ戸惑っていると盗賊たちは俺を無視して話を進めている。
「お前が数日前にここを通った時も俺達は見てたんだよ! だがあの冒険者共、俺達に気が付いて警戒をしてたから手が出せなかったが、まさか数日後にガキを護衛にして戻って来るとはな…。 ガキ共だけなら向かって来ても簡単に殺せるからな、安全に狩れるカモだったぜ。 全く神に感謝だぜ」
俺は全く気が付かなかったが行きもこの盗賊立ちに狙われていたらしい。
「さて、おしゃべりは終わりだ、死ぬか、逃げるか決めろ! 俺達は善良な盗賊だから大人しく馬車を置いて行けば命だけは助けてやる」
「ヒッ!! い、命ばかりは…」
死にたくない、死にたくない、死にたくない…。
俺は馬車から飛び降りその場から離れるように後ずさる。
「おい!!! お前さっき俺達の事を薄汚れた盗賊とか抜かしたよなぁ? 俺達は深~く傷ついたんだが、この落とし前はどうしてくれるんだぁ?」
「ヒッ! ど、どうしろと…。 荷も全て置いて行くから…」
盗賊に凄まれ、その場に尻餅をついた状態で必死で命乞いをする。
「そうだなぁ着ている物も全部置いてけ! そうすれば許してやる!」
「そ、そんな、裸になって村まで戻れと言うのか?」
「そうだよ! 俺達を薄汚れたとか言った罰だ! 死にたくなければ服を脱いでとっとと失せろ!」
そう言い盗賊に剣を突き付けられ、震える手で服を脱ぎ全裸になると、震える足でルミナ村に向かって走る。
「ギャァハハハハ!!!! 見ろよあのガキ! 震えで足がもつれて酔っ払いみたいだぜ!!」
盗賊たちの笑い声が聞こえて来るが、今は急いで村に帰らないと盗賊たちが心変わりして殺されるかもしれない。
そんな恐怖に駆られながら必死で街道を走る。
「お~い!! 街道には魔物が出るから喰われるなよ!! 素っ裸だと遺品も残らないからな~! ギャァハハハハ!!!!」
ふざけんな!!
ふざけんな!! ふざけんな!!!
アイツのせいだ!
ファインが器用貧乏なんて変な言う変なギフトを与えられたから俺にまで不幸が降り掛かって来るんだ!
クソ!! アイツが居なければ俺は普通より多くの品を仕入れて戻って来たと褒められるはずだったのに、アイツのせいで…。
弟であるファインが得たギフトのせいで自分にまで不幸が及んだと思うと沸々と怒りが湧いて来る。
だが、今はルミナ村に戻る事が先決だ!
帰ったら親父に言いつけてファインを家から追い出してやる。
いや、俺が親父の後を継いで事業を拡大したらこの国に居れなくしてやる!
盗賊に襲われた翌日の昼頃、俺はルミナ村に何とか戻ってこられた…。
途中何度も転んだせいで泥だらけなうえ裸で村に戻った俺を親父は何があったのか最初は心配したが事情を話すと烈火のごとく怒り、殴られた。
クソ!!
ファインのギフトのせいで俺に不幸が降り掛かって来たってのに何で俺が悪いみたいに言われるんだ!!
いつかアイツを酷い目に遭わせてやる!
アイツのせいで俺の評価が最悪になったんだ!
だが俺は長男で親父の後を継いで裕福な暮らしをする。
だが問題は次男のロインだ、俺より2歳年下で今は13歳とはいえ人当たりが良く村の大人達からも親父の後を継ぐのはロインじゃないか? なんて言われている。
そんな時15歳になった俺にチャンスがやって来た。
親父からルミナ村から4日程の場所にあるブロームの街に行き村の産物を売って布と酒を買い付けてこいと言う仕事を指示されたのだ。
当然、護衛は親父が冒険者を雇い入れてくれたので俺は馬車の手綱を握って街まで行き、産物を売って布と酒を仕入れるだけの簡単な仕事。
言うなればお使い程度の仕事だが俺が親父の後を継ぐための第一歩であり、どれだけ産物を高く売って、多く布や酒を仕入れて来れるかで俺の評価が上がる。
親父からは護衛の冒険者に支払う復路の依頼料と布や酒の買い付けに使う資金を預かり、冒険者に守られてブロームの街に向かう。
買い付け資金を渡されたのは、村の産物を売っただけでは大した額にならないからその不足分を補う為の資金だ。
村を出発した俺を街までは冒険者が常に護衛をしてくれるので、夜はテントで朝まで眠り、昼間は馬車の手綱を握っているだけでルミナ村を出て4日目には予定通りブロームの街に到着した。
親父からは泊まる宿を指定されていたのでそこに泊まり6日後までに産物を売り布を仕入れてルミナ村に戻る事になっている。
宿に到着したら、冒険者から渡された依頼書にサインをし、5日後の昼に冒険者ギルドで落ち合ったあと、ギルドに依頼を出したうえで護衛を引き受けてもらう約束をした後馬車を宿に預けブロームの街を見て周る。
流石に5万人以上が暮らすと言われる街ともなるとルミナ村と違い、道は舗装され、2階建ての家が立ち並び、様々な店が軒を連ねている。
「あんな村で一生を終えるぐらいならこんな街で暮らしたいな…」
そんな独り言を呟きながら、街を歩き、産物を売る店の場所、布を仕入れる店の場所などの下調べをしておく。
俺はやっぱり出来る男だな、ロインやファインだったら物珍しさで浮かれてるだろうけど俺は違う、ちゃんと取引先の場所を把握して明日の商談に備える事が出来る。
そんな事を思いながら、街を散策し宿に戻って併設された酒場で食事をとって居ると同年代と思われる冒険者のパーティーがテーブルを囲み依頼達成の祝いをしている。
どうやらパーティーで森に入りオークを討伐して来たらしく、肉や魔石をギルドで換金して来た後のようで自分達の武勇伝を仲間内で語り合っている。
ふん、冒険者なんか学も無くロクな職業に就くことが出来ない人間が行きつく場所だろ…。
金で雇われて護衛対象が寝てる間も見張りをしたりとか、魔物狩りなど単純な仕事しか出来ない連中だ。
そう思いつつも食事を続けていると、先程まで仲間内で語り合っていた冒険者の一人が声をかけて来た。
「お兄さん、1人かい、まさか商人だったり?」
「それがどうかしたのか?」
いきなり声をかけられて警戒気味に答えるとそんなに警戒するなよ、と言わんばかり笑顔で話しかけてくる。
「俺はルーイって言うんだが、この町で冒険者をやってる。 ランクはEランクだが俺達パーティーでオークを狩れるレベルなんだ」
「それがどうかしたのか? オーク狩れる冒険者が村の産物を売りに来た俺に用はないだろ?」
「そう言うなよ、俺達も次のステップアップに護衛の仕事とかを受けたいと思ってるんだ、どうだ? 今なら他の冒険者より安く引き受けるぜ」
「他の冒険者よりも安くね…。 それで?」
「それでってなんだよ? 護衛は必要なんだろ?」
「護衛は雇うが、お前…、ルーイ達のパーティーだったらいくらで護衛をするんだ?」
「そうだな、1人1日銀貨1枚、護衛後の復路分は往路の半分で良いぜ。 普通に冒険者を雇ったら最低でも1人1日銀貨5枚はするだから格安だろ?」
そう言うルーイの言葉に頭の中で計算をする。
親父が雇った冒険者を復路で雇う金は1人1日銀貨8枚、それが5人だから合計で1日金貨4枚と銀貨5枚、それがこのルーイ達5人組のパーティーなら1日で銀貨5枚だから一日当たり金貨4枚が浮く。
「1人1日銀貨1枚じゃ割に合わないんじゃないのか? ルミナ村まで4日、復路は半額として一人当たり銀貨6枚だぞ?」
「まあな、収入としては少ないけど、さっきも言った通り俺達はステップアップしたいんだよ、狩りだけしか出来ない冒険者じゃなくて、狩りも護衛も出来る冒険者になりたいしな。 まあ護衛依頼を成功させればギルドのランクが上がりやすいってのもあるけどな」
「冒険者の事はよく分からんがそんなもんなのか…。 俺はダインだ、出発は6日後…、いや、5日後だ、親父が雇う約束をした冒険者と5日後の昼にギルドで落ち合う予定だったからその前に街を出る」
「おい、誘った俺がこう言うのもどうかと思うんだがそれはまずいんじゃないか? 約束してたんだろ?」
「約束したのは親父だし、まだギルドに依頼を出していないんだから文句を言われる筋合いはないだろ! 雇うのは俺だ、俺が決めて何が悪い?」
「いや、ダインがそう言うんだったらいいんだけどよ…」
「ダインじゃない! 俺は雇い主なんだからダインさん、いやダイン様とでも呼べよ!」
「いやダイン様は無いだろ、どこぞの貴族様や豪商でも無いんだし」
「ふん、まあいい、じゃあダインさんとでも呼べ」
「分かったよ、それでギルドに依頼を出すのはいつにするんだ?」
「そうだな、明日、いや明日だと親父が約束した冒険者の耳に入るかもしれないから4日後の昼過ぎにギル出で待ち合わせて依頼を出すぞ、それで出発は5日後の朝だ」
「わかった、4日後の昼過ぎだな、じゃあギルドで待ってるぜ」
そう言うとルーイは仲間の元に戻り護衛依頼の話をし始めた。
食事を済ました俺はルーイに再度日時の念を押し部屋に戻って寝る。
やっぱり出来る男は違うな…。
旨い話が向こうからやって来やがる。
浮いた金で布と酒を多く買いつければ俺の評価も上がり村の奴らもロインじゃなく俺が跡を継いだ方が良いと思うだろう。
明日のうちに産物を売って、明後日には布と酒を仕入れ、残りは街を満喫しよう。
護衛費用も浮いだことだし、金貨4~5枚ぐらいは使っても問題ないだろうし、仕入れが終わったら昼間見かけた娼館に行ってみるか…。
翌日、産物も満足のいく買取価格で売れ、その後2日で布と酒を予定よりも多く仕入れられたおかげで馬車には荷が満載の状態だ。
夜には娼館に行って初めての体験もできたし満足だ。
そしてルーイ達との約束の日、ギルドに行くと既にルーイ達の姿はあり、受付で依頼をし、ルーイ達が受けるといった流れで手続きが終わった。
ギルドの受付は本当にルーイ達に護衛依頼をするので良いのかしつこく聞かれたけど、オークを狩れるぐらいの腕なんだから護衛としては十分だろう。
翌日、ブロームの街の門に馬車で向かいルーイ達と合流しルミナ村へ出発をする。
帰りも1日目、2日目ともの順調に進んでいく。
「なあダイン、夜の見張りをお前はしないのか? ダインが見張りに加われば俺達の休む時間も少し増えるんだけど」
「ダインさんだろ! それに何で依頼主の俺が見張りをするんだ? ルーイ達が護衛なんだから見張りもお前たちがするもんだろう、俺は寝るから見張りをしっかりしろよ!」
2日目の夜にルーイがふざけた事を言って来たが見張りも護衛の仕事なんだから俺がする必要はないのに何を言ってるんだあいつらは。
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「お~お~、お子様達が随分大荷物を抱えてるな~」
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「な、なんだお前たちは!」
「なんだって? 馬鹿かお前! こんな所に便利屋が居るとでも思ってるのか? 俺達はお前らが持っている物を貰いに来たんだよ!」
「な、盗賊か? お前達、盗賊は死刑って知っているのか? 今なら見逃してやるぞ!!」
「ぶぁははははは!!!!! 今なら見逃してやるってよ!!」
「な、な、何が可笑しいんだ! 死刑だぞ!」
「お前馬鹿だろ!! 捕まらなければ死刑にならないんだよ! それともお前が俺らを捕まえるのか?」
「ふん、俺はそんな野蛮な事はしないに決まってるだろう!! お前らを捕まえるのは俺の護衛をしている冒険者だ!!」
「冒険者? そのお子様達がか? プっ…ハハハハハ!!!! そんなガキ共に俺達が捕まると思ってるのか?」
「ああ、こいつらはオークを狩れるレベルの冒険者だ! お前ら逃げるなら今のうちだぞ!」
それを聞いた盗賊たちは大笑いをし始める。
「何が可笑しい!!」
「何が可笑しいって? お前自分の護衛をしてるガキ共の顔を見てみろよ! 面白い顔をしてるぜ」
笑いながらそう言う盗賊共の言う通りルーイ達に目をやると全員が青い顔をして震えている。
「おい! ルーイ、お前達はオークを狩れるぐらい強いんだろ!! この盗賊共を追い払え!!!」
「ダイン、よせ、煽るな、殺されるぞ!」
「ふざけるな!! お前らはオークよりも強いと言ってただろ!! こんな薄汚れた盗賊共をとっとと蹴散らせ!!!」
「お~お~、薄汚い盗賊共を蹴散らせか…。 たかがオークを狩れるぐらいで調子に乗ってるガキに俺達が負けるとでも思ってるのか? 随分と舐められたもんだな」
「ダイン、よせ、煽るな、殺されるぞ! 馬車の荷を渡して命だけは見逃してもらうべきだ」
「ふざけんな! お前達は何の為の護衛だ! 盗賊を追い払うのもお前たちの仕事だろ!!」
「ハハハハハ、そこのガキはまだ見込みのある奴だがお前はやっぱり馬鹿だな!」
「なんだと!!」
「まあ馬鹿はほっといてお前らはどうするんだ? 俺達と殺あうか? まあガキは肉も骨も柔らかいから斬った時の感触が堪らないから殺あうなら喜んで殺してやるぜ」
そう言うと盗賊たちは、手に持った剣や斧を振りながらニヤニヤと笑っている。
「ダイン、荷を渡して見逃してもらおう、そうすれば命だけは取られない、死んだら終わりだぞ!!」
「ふざけんな! 護衛なんだからお前ら戦って追い散らせ!!!」
荷を渡して見逃して貰えとうルーイを怒鳴りつける俺の姿を盗賊たちは楽し気に眺めている。
「銀貨6枚程度で命なんて捨てられるか!! 俺達は逃げるぞ!!」
「な、おい! 待て!! お前達は護衛だろ!! 逃げるな!!」
そう言う俺の声を無視してルーイ達は来た道を走って逃げていく。
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「ど、どうするだと?」
「お前ホントに馬鹿だな、馬車ごと荷を置いて行くか、死ぬかどっちか聞いてるんだよ」
「そ、それは…」
「ところでお前、数日前にここを通っただろ? その時の冒険者はどうした? 護衛を断られたか?」
急に話を変えられ戸惑っていると盗賊たちは俺を無視して話を進めている。
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俺は全く気が付かなかったが行きもこの盗賊立ちに狙われていたらしい。
「さて、おしゃべりは終わりだ、死ぬか、逃げるか決めろ! 俺達は善良な盗賊だから大人しく馬車を置いて行けば命だけは助けてやる」
「ヒッ!! い、命ばかりは…」
死にたくない、死にたくない、死にたくない…。
俺は馬車から飛び降りその場から離れるように後ずさる。
「おい!!! お前さっき俺達の事を薄汚れた盗賊とか抜かしたよなぁ? 俺達は深~く傷ついたんだが、この落とし前はどうしてくれるんだぁ?」
「ヒッ! ど、どうしろと…。 荷も全て置いて行くから…」
盗賊に凄まれ、その場に尻餅をついた状態で必死で命乞いをする。
「そうだなぁ着ている物も全部置いてけ! そうすれば許してやる!」
「そ、そんな、裸になって村まで戻れと言うのか?」
「そうだよ! 俺達を薄汚れたとか言った罰だ! 死にたくなければ服を脱いでとっとと失せろ!」
そう言い盗賊に剣を突き付けられ、震える手で服を脱ぎ全裸になると、震える足でルミナ村に向かって走る。
「ギャァハハハハ!!!! 見ろよあのガキ! 震えで足がもつれて酔っ払いみたいだぜ!!」
盗賊たちの笑い声が聞こえて来るが、今は急いで村に帰らないと盗賊たちが心変わりして殺されるかもしれない。
そんな恐怖に駆られながら必死で街道を走る。
「お~い!! 街道には魔物が出るから喰われるなよ!! 素っ裸だと遺品も残らないからな~! ギャァハハハハ!!!!」
ふざけんな!!
ふざけんな!! ふざけんな!!!
アイツのせいだ!
ファインが器用貧乏なんて変な言う変なギフトを与えられたから俺にまで不幸が降り掛かって来るんだ!
クソ!! アイツが居なければ俺は普通より多くの品を仕入れて戻って来たと褒められるはずだったのに、アイツのせいで…。
弟であるファインが得たギフトのせいで自分にまで不幸が及んだと思うと沸々と怒りが湧いて来る。
だが、今はルミナ村に戻る事が先決だ!
帰ったら親父に言いつけてファインを家から追い出してやる。
いや、俺が親父の後を継いで事業を拡大したらこの国に居れなくしてやる!
盗賊に襲われた翌日の昼頃、俺はルミナ村に何とか戻ってこられた…。
途中何度も転んだせいで泥だらけなうえ裸で村に戻った俺を親父は何があったのか最初は心配したが事情を話すと烈火のごとく怒り、殴られた。
クソ!!
ファインのギフトのせいで俺に不幸が降り掛かって来たってのに何で俺が悪いみたいに言われるんだ!!
いつかアイツを酷い目に遭わせてやる!
アイツのせいで俺の評価が最悪になったんだ!
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アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
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以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
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本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
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「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
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