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墳墓のダンジョン90階層
カトレア先生の授業はハッキリ言ってスパルタ…。 いや、身体で覚えろと言わんばかりの体育会系だ!!
結界が無くなり100階層に溜まっていた魔力が上層階に流れ出た影響で魔物は軒並みパワーアップして100階層を目指して進んでいた時に居た魔物と比べ動きも力も、そして素早さも桁違いだ。
盾で剣戟をまともに防いだらそのまま吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。
盾が斬られてたら自分も真っ二つじゃん!
なのに魔法は無しで剣だけって…。
唯一使用が許可されているのは身体強化と魔力を剣や身体に纏わせる事と回復魔法のみ。
カトレアいわく、倒した魔物が持つ魔力の一部が吸収され自然と身体能力と魔力が上昇するから魔法は使用せず剣での戦いを優先的に鍛える為らしいけど…。
無理じゃない?
一度カトレアを短剣で刺し殺したけど魔力吸収してないような気がするし。
カトレア程強力な魔物だったら吸収する魔力も多いはずだから絶対に気が付くはずだけど、そんな感覚は無かった。
普通の魔物を倒した際はその魔物の魔力の一部を吸収するのに、カトレアの時は吸収されなかった。
違いはなに?
そう思いつつも、90階層の主である金の鎧を着て剣を持ったリビングアーマーとかれこれ1時間以上戦ってる。
疲れたら91階層に避難して休憩をしてまた挑むの繰り返してるけど、まだ倒せる気がしない。
だって動き早いし、盾と剣をうまく使って攻撃を防いで反撃して来るんだもん!!!!
「だ~か~ら~! 相手をよく見て、動きを予測するのよ!! それに踏み込みが甘い!! 相手の攻撃を怖がって距離を取り過ぎるから有効打が与えられないのよ! 攻撃の隙を突いて回り込むなり懐に入るなりしなさい!!」
「いや、無理!! 動き早いし、剣を振るとブン!! とか音がしてるし、斬られたら真っ二つだから!! 即死だから!!!!」
「あなた100階層でリビングアーマー倒せたでしょ! だったら90階層のリビングアーマーなんて大したことないはずよ! ほら!! 腰が引けてる! 動きをよく見て前に出なさい!」
「いや、あれは魔法で倒したから!! 剣とかロクに使って無いから!!」
「じゃあ今度は剣で倒しなさい!!!!」
ハッキリ言ってスパルタだ!!
口は出すけど手は出さない、少し前に胸の辺りを浅く斬られた際も助けるどころか、慌てて自分が結界魔法を使ったら怒鳴られた!
疲労もピークの為、一旦91階層に避難をし休憩をする。
「はぁ~、これで何回目? 早く地上に出るんじゃなかったの? いつまでこんな所で遊んでるの?」
「いやいや、遊んで無いから、結構必死で戦ってますから…」
「何が必死よ! カツヒコ、あなた全く相手を見てないでしょ、相手をよく見なさい! 動きの癖、攻撃パターン、戦いながらそれを瞬時に見抜けるようにならないと冒険者なんてやっていけないわよ!」
うん、言い返せない…。
確かに言われる通り攻撃を避けるのに必死で相手の手元し見てなかったし、相手の動き全体を見てなかった気もするけど初心者にそれは酷じゃない?
「じゃあ休憩は終わりね、さあ行きなさい!」
「えっ!! もう休憩終わり? 早くない?」
「いつまでもこんな所に居たいならそれでもいいけど?」
「いえ、今すぐ90層のリビングアーマーを倒しに行きます…」
…。
……。
………。
ガラガラガラ…。
金色のリビングアーマーの鎧が崩れ落ち灰となっていく。
「はぁ はぁ はぁ…。 やっと倒せた…」
「本当にやっとね…。 こんな相手に24回も挑むなんてカツヒコは才能無いんじゃないの?」
「いや、結構強かったよ、 行きに倒した時と比べてパワーアップしてたし、何より剣だけって…。」
「当たり前でしょ、魔法が使えない場合だってあるんだから剣が使えないと死ぬわよ! 魔力なんて魔物を倒せば増えるんだし、若いうちは剣の腕を上げる事が重要なのよ。 魔法は補助だと思いなさい!」
そう言いながら、カトレアは89階層に向かって歩き出す。
10センチくらいの黄色い魔石とリビングアーマーが持っていた剣を回収し、カトレアに続いて89階層に足を踏み入れる。
そこは予想通りパワーアップしたリビングアーマーが沢山いた。
とは言え90階層の階層主だった金色のリビングアーマーに比べればはるかに劣る相手なので囲まれないように注意をしながら切り伏せていく。
稀に鎧が灰にならずに残ったり、剣が残ったりするので魔石と一緒に回収して行く。
「それにしても地図…、というかマッピングの必要ってあるの? 地上にでるのが遅くなるだけじゃない?」
「あるわよ、ダンジョン内部の地図は冒険者にとっては喉から手が出る程欲しい代物よ、それこそギルドに売ればお金にもなるし、何より正確情報は大切よ!」
そう言って100階層にあった紙とペンで地図を描くように指示され、ダンジョンの構造を書き写していく。
う~ん、これしないで地上目指したらもっと早くダンジョンを出られるんだけどな~。 まあ金になるって言うし。
そう思いながらも言われた通りマッピングをしながら地上を目指す。
魔力が解放されてダンジョンに充満した事で、ダンジョンの形も様変わりし広くなった感じだが、ダンジョンに現れる魔物の出現パターンは変わっていないようで階層主が居る部屋から下に向かうにつれ数が増えるので、地上を目指す場合、階層主を倒し次の階層主の部屋に向かい上層に上がるにつれて数が減っていく。
そして100階層を目指した際には1個も見かけなかった宝箱を1階層につき1個は見かけるようにもなった。
とは言え100階層にあった明らかに強力な魔道具や魔導書などでは無く、魔力を帯びた短剣やC級ポーション、状態異常を多少軽減するネックレスなどがメインで強力な魔道具や魔力の籠った武器などは無かった。
カトレアの話では、まだ魔力が流れ出して間もない為、産まれる宝箱の中身も強力な物では無いと言っていた。
因みに何故ダンジョンに宝箱が現れるのかと聞いてみたけど、解明されておらず、恐らく魔力がダンジョンの一部に滞留しそこで宝箱とその中身が何かの理由で具現化されるのだろうとの事だった。
そもそもカトレアの話では、ダンジョンが産まれる原因も解明されていないらしい。
そしてダンジョンにも種類があり、大まかに迷宮型、洞窟型の2つに分かられるが、ただその中でも特殊なダンジョンもあり、地下なのに昼のように明るく、ジャングルのような場所があったり、草原だったりするダンジョンもあるらしい。
カトレアが生きていたころにも王都近くに突然迷宮型のダンジョンが産まれた事もあってその時は大騒ぎになったと言っていた。
何百年経っても解明されない事ってやっぱりどの世界にもあるんだな…。
そんな事を思いつつ上層を目指す。
それにしても上の階層に行くほど楽になるのは助かるな…。
カトレアからは剣技は一応合格点を貰えたし、むしろ魔力を剣や身体に纏わせる方法とか知らない事を学べたのは良かった。
うん、ハズレダンジョンって呼ばれてたけど全然ハズレじゃなかったね。
100階層の階層主を除いて…。
それにしても100階層の階層主をダンジョンの外に連れ出してよかったのかな?
まあ一応。蘇生して人間に戻ってるからいいか…。
カトレア先生の授業はハッキリ言ってスパルタ…。 いや、身体で覚えろと言わんばかりの体育会系だ!!
結界が無くなり100階層に溜まっていた魔力が上層階に流れ出た影響で魔物は軒並みパワーアップして100階層を目指して進んでいた時に居た魔物と比べ動きも力も、そして素早さも桁違いだ。
盾で剣戟をまともに防いだらそのまま吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。
盾が斬られてたら自分も真っ二つじゃん!
なのに魔法は無しで剣だけって…。
唯一使用が許可されているのは身体強化と魔力を剣や身体に纏わせる事と回復魔法のみ。
カトレアいわく、倒した魔物が持つ魔力の一部が吸収され自然と身体能力と魔力が上昇するから魔法は使用せず剣での戦いを優先的に鍛える為らしいけど…。
無理じゃない?
一度カトレアを短剣で刺し殺したけど魔力吸収してないような気がするし。
カトレア程強力な魔物だったら吸収する魔力も多いはずだから絶対に気が付くはずだけど、そんな感覚は無かった。
普通の魔物を倒した際はその魔物の魔力の一部を吸収するのに、カトレアの時は吸収されなかった。
違いはなに?
そう思いつつも、90階層の主である金の鎧を着て剣を持ったリビングアーマーとかれこれ1時間以上戦ってる。
疲れたら91階層に避難して休憩をしてまた挑むの繰り返してるけど、まだ倒せる気がしない。
だって動き早いし、盾と剣をうまく使って攻撃を防いで反撃して来るんだもん!!!!
「だ~か~ら~! 相手をよく見て、動きを予測するのよ!! それに踏み込みが甘い!! 相手の攻撃を怖がって距離を取り過ぎるから有効打が与えられないのよ! 攻撃の隙を突いて回り込むなり懐に入るなりしなさい!!」
「いや、無理!! 動き早いし、剣を振るとブン!! とか音がしてるし、斬られたら真っ二つだから!! 即死だから!!!!」
「あなた100階層でリビングアーマー倒せたでしょ! だったら90階層のリビングアーマーなんて大したことないはずよ! ほら!! 腰が引けてる! 動きをよく見て前に出なさい!」
「いや、あれは魔法で倒したから!! 剣とかロクに使って無いから!!」
「じゃあ今度は剣で倒しなさい!!!!」
ハッキリ言ってスパルタだ!!
口は出すけど手は出さない、少し前に胸の辺りを浅く斬られた際も助けるどころか、慌てて自分が結界魔法を使ったら怒鳴られた!
疲労もピークの為、一旦91階層に避難をし休憩をする。
「はぁ~、これで何回目? 早く地上に出るんじゃなかったの? いつまでこんな所で遊んでるの?」
「いやいや、遊んで無いから、結構必死で戦ってますから…」
「何が必死よ! カツヒコ、あなた全く相手を見てないでしょ、相手をよく見なさい! 動きの癖、攻撃パターン、戦いながらそれを瞬時に見抜けるようにならないと冒険者なんてやっていけないわよ!」
うん、言い返せない…。
確かに言われる通り攻撃を避けるのに必死で相手の手元し見てなかったし、相手の動き全体を見てなかった気もするけど初心者にそれは酷じゃない?
「じゃあ休憩は終わりね、さあ行きなさい!」
「えっ!! もう休憩終わり? 早くない?」
「いつまでもこんな所に居たいならそれでもいいけど?」
「いえ、今すぐ90層のリビングアーマーを倒しに行きます…」
…。
……。
………。
ガラガラガラ…。
金色のリビングアーマーの鎧が崩れ落ち灰となっていく。
「はぁ はぁ はぁ…。 やっと倒せた…」
「本当にやっとね…。 こんな相手に24回も挑むなんてカツヒコは才能無いんじゃないの?」
「いや、結構強かったよ、 行きに倒した時と比べてパワーアップしてたし、何より剣だけって…。」
「当たり前でしょ、魔法が使えない場合だってあるんだから剣が使えないと死ぬわよ! 魔力なんて魔物を倒せば増えるんだし、若いうちは剣の腕を上げる事が重要なのよ。 魔法は補助だと思いなさい!」
そう言いながら、カトレアは89階層に向かって歩き出す。
10センチくらいの黄色い魔石とリビングアーマーが持っていた剣を回収し、カトレアに続いて89階層に足を踏み入れる。
そこは予想通りパワーアップしたリビングアーマーが沢山いた。
とは言え90階層の階層主だった金色のリビングアーマーに比べればはるかに劣る相手なので囲まれないように注意をしながら切り伏せていく。
稀に鎧が灰にならずに残ったり、剣が残ったりするので魔石と一緒に回収して行く。
「それにしても地図…、というかマッピングの必要ってあるの? 地上にでるのが遅くなるだけじゃない?」
「あるわよ、ダンジョン内部の地図は冒険者にとっては喉から手が出る程欲しい代物よ、それこそギルドに売ればお金にもなるし、何より正確情報は大切よ!」
そう言って100階層にあった紙とペンで地図を描くように指示され、ダンジョンの構造を書き写していく。
う~ん、これしないで地上目指したらもっと早くダンジョンを出られるんだけどな~。 まあ金になるって言うし。
そう思いながらも言われた通りマッピングをしながら地上を目指す。
魔力が解放されてダンジョンに充満した事で、ダンジョンの形も様変わりし広くなった感じだが、ダンジョンに現れる魔物の出現パターンは変わっていないようで階層主が居る部屋から下に向かうにつれ数が増えるので、地上を目指す場合、階層主を倒し次の階層主の部屋に向かい上層に上がるにつれて数が減っていく。
そして100階層を目指した際には1個も見かけなかった宝箱を1階層につき1個は見かけるようにもなった。
とは言え100階層にあった明らかに強力な魔道具や魔導書などでは無く、魔力を帯びた短剣やC級ポーション、状態異常を多少軽減するネックレスなどがメインで強力な魔道具や魔力の籠った武器などは無かった。
カトレアの話では、まだ魔力が流れ出して間もない為、産まれる宝箱の中身も強力な物では無いと言っていた。
因みに何故ダンジョンに宝箱が現れるのかと聞いてみたけど、解明されておらず、恐らく魔力がダンジョンの一部に滞留しそこで宝箱とその中身が何かの理由で具現化されるのだろうとの事だった。
そもそもカトレアの話では、ダンジョンが産まれる原因も解明されていないらしい。
そしてダンジョンにも種類があり、大まかに迷宮型、洞窟型の2つに分かられるが、ただその中でも特殊なダンジョンもあり、地下なのに昼のように明るく、ジャングルのような場所があったり、草原だったりするダンジョンもあるらしい。
カトレアが生きていたころにも王都近くに突然迷宮型のダンジョンが産まれた事もあってその時は大騒ぎになったと言っていた。
何百年経っても解明されない事ってやっぱりどの世界にもあるんだな…。
そんな事を思いつつ上層を目指す。
それにしても上の階層に行くほど楽になるのは助かるな…。
カトレアからは剣技は一応合格点を貰えたし、むしろ魔力を剣や身体に纏わせる方法とか知らない事を学べたのは良かった。
うん、ハズレダンジョンって呼ばれてたけど全然ハズレじゃなかったね。
100階層の階層主を除いて…。
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