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魔獣討伐2
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森から勢いよく飛び出してきた白い魔獣は、瞬きをした直後には自分の目の前に迫り鋭い爪を剥き出しにした右足を振り下ろす。
「うわぁ!!!」
地面を転がるように咄嗟に避けて態勢を整えようとした瞬間、今度は左足が振り下ろされる。
「カツヒコ!! そっちの相手はあなたに任せるわよ!!!」
カトレアの声が聞こえた気がするが、任せるって…、どう見てもウェアウルフより強くない?
既に地面を転がるようにして左右から襲って来る爪を避けるので精いっぱいの状態だし…。
「サンドウォール!!!!」
地面を転がり爪を避けながら土魔法で壁を作り距離を取ろうとするも魔獣が前足を振り下ろすとあっけなく土壁を砕き、勢いはそのままに爪が目の前まで迫る。
ガキィィィーン!!!!!
何とか迫りくる爪に剣を叩きこむが、勢いが止まるどころかその勢いのまま身体が弾き飛ばされ、態勢を立て直そうとするも瞬時に距離を詰めた魔獣の爪が目の前に迫る。
「サンダーウォール!!!!」
地面を転がりながらも、振り下ろされた爪の前に雷壁を作る。
「ギィャァン!!!!」
先程の土壁と同様に砕こうとしサンダーウォールに前足を振り下ろした瞬間、電撃が身体中をかけ巡ったのか、全身の毛を逆立てて白い魔獣は後方に飛びのく。
魔獣の動きが止まった事で態勢を立て直し、剣を構え対峙をするも、通常のウェアウルフの4倍~5倍はあろうかという巨体を目の前にして、ジリジリと後ずさる。
大きさは四足で立った状態で高さ約2メートル弱はあろうかと言う純白の魔獣、そしてカトレアとルイーズさんが戦っているウェアウルフとは違う顔付き。
狼はイヌ科だけど目の前に居る魔獣はネコ科のような顔つきをしていて、明らかにウェアウルフの変異種と言う訳ではなさそうな感じだ。
これがカトレアの言っていたレイムダリーアと言う魔獣なのか?
確か巨大な猫みたいな魔獣って言っていたけど…。
魔獣を観察しながらも剣を構え、ジリジリと下がり距離を取ろうとするも、魔獣は自分に合わせるかのように前に出て来る。
とは言え先ほどの電撃を警戒してか飛び掛かって来る事は無く、こちらの様子を伺いながら、隙を見て飛び掛かろうとしているかのようだ。
ネコ科だったら猫じゃらしかマタタビでもあればいいのにな、そう思いつつも距離を保ちつつ自分も魔獣の動きに全神経を集中する。
「シャァァァァー!!!!」
牙を剥き出しにし威嚇をする魔獣を前にジリジリと後ろに下がろうとすると、足に何か障害物が当たりそれを確認しようと一瞬魔獣から目を離した瞬間、魔獣は姿勢を低くし直後自分に向かって飛びかかって来た。
「うわぁ!!!」
魔獣の動きに気付き慌てて身体をひねり襲い掛かる爪を避けるも左腕をかすめたようで袖が破れ腕に2本、鋭い刃物で切られたかのような傷から血が流れ出す。
魔獣の爪が鋭いからか、アドレナリンが噴出しているからか痛みはあまり感じないものの、左腕から流れ出る血がポタポタと地面に落ち、土に吸収されていく。
かすっただけでもスッパリ切れた傷はそこまで深くはなく、致命傷でもないので今すぐ回復魔法を使用して傷を癒す必要はないけど、あの爪での攻撃をモロに受けたら即座に致命傷を負う。
てか死ぬ!!
一瞬…、一瞬魔獣から目を離した瞬間を見逃さず魔獣は攻撃をしてきた。
恐らくさっきのサンダーウォールによる電撃で様子を伺う姿勢を見せていた為に魔獣も警戒して深く踏み込まなかったから命が助かっただけで、思いっきり飛び込んで来られていたら今頃爪で切り裂かれ、身体を噛み千切られていた。
そう考えただけで、身体が小刻みに震え出す。
絶対的な強者、その存在を目の前にし心が折れかけた時、カトレアからすさまじい瘴気が溢れ、周囲の生き物の動きが一瞬止まり辺りに静寂が訪れた。
「カツヒコ!! 後ろに下がるな!!!! 後ろに下がっても活路は無いのよ!!!」
一瞬訪れた静寂をカトレアの怒号がかき消す。
カトレアの声で我に返ったのは魔獣もウェアウルフもルイーズさんも同時だったのか、再度戦いの喧噪が辺りを支配した。
白い魔獣は腹の底に響くような唸り声をあげこちらを注視し飛び掛かる隙を伺っており、自分は剣を構えたまま魔獣の動きを一瞬でも見失わないように集中する。
魔獣の動きに合わせ左足を一歩踏み出した瞬間、一段と姿勢を低くしネコ科特有の柔軟性があるバネのような動きで飛び掛かって来た。
両方の前足で自分を抑えつけようと爪を剥き出しにし飛び掛かる魔獣に対し、身体強化を限界まで使い地面を蹴って前に出て、下から切り上げるように剣を振るう。
ザシュッッ!!!!
丁度左前足の肉球を斬ったのか両前足で自分を抑えつけようとしていたであろう魔獣の体勢が若干崩れる。
このチャンスをと追撃に移ろうとした瞬間、自分を覆いかぶさるように魔獣の身体が目の前に迫る。
慌てて後ろに飛びのこうとするも、間に合わず魔獣にのしかかられるようにして地面に身体を押し付けられた。
地面に仰向けで押し付けられ、牙を剥いた魔獣の顔が目の前に迫る。
右手に握られた剣は恐らく魔獣に突き刺さっている感覚はあるが、それが致命傷となっている様子はなく、魔力を剣を持つ右手に集め、また剣で少しでも魔獣にダメージを与えられるよう抉るように動かす。
剣が刺さっているとは言え、致命傷とは思ってないのか魔獣が勝ち誇ったかのように唸り声をあげ頭から自分を食い千切ろうとした瞬間、右手に集めた魔力で雷魔法を発動する。
バリバリバリバリ!!!!!
魔獣と魔獣にのしかかられている自分の身体を電気が流れ筋肉が跳ねるように勝手に動く。
刺さった剣を通して直接体内に電撃を流された魔獣は飛びのこうとするも、電撃によって体が痺れ自分から若干距離を取ろうとするのが精いっぱいの様子だ。
魔獣にのしかかられ身動きが取れなかった自分は、魔獣の圧力から解放された直後、身体強化を最大限にし、魔獣の首へ剣を突き刺し再度雷魔法を流し込む。
電撃が魔獣の体内に流れ、筋肉が跳ね全身を覆う純白の毛が逆立つ。
「グゥ、ウギィャァン!!!!」
魔獣は悲鳴とも断末魔とも分からぬ声を上げその場に倒れ伏し動かなくなった。
「はぁはぁはぁ…。 イタッ、あぎゃ~、か、身体じゅうが…」
自身身体が耐えられる限界を超えた身体強化をした影響で全身が悲鳴を上げ、魔獣を倒した事で気が抜けた為、全身の痛みにのたうち回る事も出来ずその場で自身の身体に回復魔法を使用し悲鳴を上げる身体を癒す。
何とか首を動かしてウェアウルフの群れを相手にしていた2人の方を見ると、群れをほぼ狩りつくし、残るは30匹に満たない数になっていた。
しかも統率していた魔獣が倒されたことで、ウェアウルフ達は及び腰になっているようであわよくばこの場を逃げ出そうとしている風にもみえる。
可哀そうに、カトレアとルイーズさんが逃亡を許す訳なんか…。
えっ? 逃亡するウェアウルフ見逃すの?
1匹のウェアウルフが森に逃げ込むと、堰を切ったかのように生き残ったウェアウルフが森へと逃げ込んでいく。
カトレアとルイーズさんは、あえて追うような事はせず、あくまで向かって来るウェアウルフのみを相手にするようで逃げるウェアウルフには興味を示さず周囲に生きたウェアウルフが居ない事を確認すると自分の方に歩み寄らず素通りをして魔獣の生死を確認する。
「カツヒコ、あなた死にたいの? 運よく魔獣が事切れていたから良かったものの、少しでも息があったなら魔獣とは言えあなたなんか腕の一振りで殺せるの! 寝転ぶ前に生死を確認してまだ息があるようなら首を斬るか頭を刺すかしてトドメを刺しなさい!!」
「まあそうだな、気を抜くのは相手にトドメを刺して周囲の安全を確認してからが基本だぞ、でなければ手負いの相手から手痛い反撃を受けることもあるからな」
うん、この二人、自分の心配をする前に説教から入って来た!!
「せめて良く倒した! とか怪我は大丈夫とか、優しい言葉はないの?」
「無いわね!!」
「無いな!!」
「ひ、酷い…。 死ぬかと思ったのに…」
「最初から及び腰にならず、相手の動きをよく観察し前に出て戦わなかったからよ!! 魔獣を見ただけで相手に呑まれるから無駄に怪我もするし、身体が耐えられる限界を超えた身体強化を使わざるえなくなるのよ!! 冷静に対処をすればもっとましに戦えたはずよ」
いや、普通に倒せた相手って…。
絶対に判断基準おかしいって!!
「うわぁ!!!」
地面を転がるように咄嗟に避けて態勢を整えようとした瞬間、今度は左足が振り下ろされる。
「カツヒコ!! そっちの相手はあなたに任せるわよ!!!」
カトレアの声が聞こえた気がするが、任せるって…、どう見てもウェアウルフより強くない?
既に地面を転がるようにして左右から襲って来る爪を避けるので精いっぱいの状態だし…。
「サンドウォール!!!!」
地面を転がり爪を避けながら土魔法で壁を作り距離を取ろうとするも魔獣が前足を振り下ろすとあっけなく土壁を砕き、勢いはそのままに爪が目の前まで迫る。
ガキィィィーン!!!!!
何とか迫りくる爪に剣を叩きこむが、勢いが止まるどころかその勢いのまま身体が弾き飛ばされ、態勢を立て直そうとするも瞬時に距離を詰めた魔獣の爪が目の前に迫る。
「サンダーウォール!!!!」
地面を転がりながらも、振り下ろされた爪の前に雷壁を作る。
「ギィャァン!!!!」
先程の土壁と同様に砕こうとしサンダーウォールに前足を振り下ろした瞬間、電撃が身体中をかけ巡ったのか、全身の毛を逆立てて白い魔獣は後方に飛びのく。
魔獣の動きが止まった事で態勢を立て直し、剣を構え対峙をするも、通常のウェアウルフの4倍~5倍はあろうかという巨体を目の前にして、ジリジリと後ずさる。
大きさは四足で立った状態で高さ約2メートル弱はあろうかと言う純白の魔獣、そしてカトレアとルイーズさんが戦っているウェアウルフとは違う顔付き。
狼はイヌ科だけど目の前に居る魔獣はネコ科のような顔つきをしていて、明らかにウェアウルフの変異種と言う訳ではなさそうな感じだ。
これがカトレアの言っていたレイムダリーアと言う魔獣なのか?
確か巨大な猫みたいな魔獣って言っていたけど…。
魔獣を観察しながらも剣を構え、ジリジリと下がり距離を取ろうとするも、魔獣は自分に合わせるかのように前に出て来る。
とは言え先ほどの電撃を警戒してか飛び掛かって来る事は無く、こちらの様子を伺いながら、隙を見て飛び掛かろうとしているかのようだ。
ネコ科だったら猫じゃらしかマタタビでもあればいいのにな、そう思いつつも距離を保ちつつ自分も魔獣の動きに全神経を集中する。
「シャァァァァー!!!!」
牙を剥き出しにし威嚇をする魔獣を前にジリジリと後ろに下がろうとすると、足に何か障害物が当たりそれを確認しようと一瞬魔獣から目を離した瞬間、魔獣は姿勢を低くし直後自分に向かって飛びかかって来た。
「うわぁ!!!」
魔獣の動きに気付き慌てて身体をひねり襲い掛かる爪を避けるも左腕をかすめたようで袖が破れ腕に2本、鋭い刃物で切られたかのような傷から血が流れ出す。
魔獣の爪が鋭いからか、アドレナリンが噴出しているからか痛みはあまり感じないものの、左腕から流れ出る血がポタポタと地面に落ち、土に吸収されていく。
かすっただけでもスッパリ切れた傷はそこまで深くはなく、致命傷でもないので今すぐ回復魔法を使用して傷を癒す必要はないけど、あの爪での攻撃をモロに受けたら即座に致命傷を負う。
てか死ぬ!!
一瞬…、一瞬魔獣から目を離した瞬間を見逃さず魔獣は攻撃をしてきた。
恐らくさっきのサンダーウォールによる電撃で様子を伺う姿勢を見せていた為に魔獣も警戒して深く踏み込まなかったから命が助かっただけで、思いっきり飛び込んで来られていたら今頃爪で切り裂かれ、身体を噛み千切られていた。
そう考えただけで、身体が小刻みに震え出す。
絶対的な強者、その存在を目の前にし心が折れかけた時、カトレアからすさまじい瘴気が溢れ、周囲の生き物の動きが一瞬止まり辺りに静寂が訪れた。
「カツヒコ!! 後ろに下がるな!!!! 後ろに下がっても活路は無いのよ!!!」
一瞬訪れた静寂をカトレアの怒号がかき消す。
カトレアの声で我に返ったのは魔獣もウェアウルフもルイーズさんも同時だったのか、再度戦いの喧噪が辺りを支配した。
白い魔獣は腹の底に響くような唸り声をあげこちらを注視し飛び掛かる隙を伺っており、自分は剣を構えたまま魔獣の動きを一瞬でも見失わないように集中する。
魔獣の動きに合わせ左足を一歩踏み出した瞬間、一段と姿勢を低くしネコ科特有の柔軟性があるバネのような動きで飛び掛かって来た。
両方の前足で自分を抑えつけようと爪を剥き出しにし飛び掛かる魔獣に対し、身体強化を限界まで使い地面を蹴って前に出て、下から切り上げるように剣を振るう。
ザシュッッ!!!!
丁度左前足の肉球を斬ったのか両前足で自分を抑えつけようとしていたであろう魔獣の体勢が若干崩れる。
このチャンスをと追撃に移ろうとした瞬間、自分を覆いかぶさるように魔獣の身体が目の前に迫る。
慌てて後ろに飛びのこうとするも、間に合わず魔獣にのしかかられるようにして地面に身体を押し付けられた。
地面に仰向けで押し付けられ、牙を剥いた魔獣の顔が目の前に迫る。
右手に握られた剣は恐らく魔獣に突き刺さっている感覚はあるが、それが致命傷となっている様子はなく、魔力を剣を持つ右手に集め、また剣で少しでも魔獣にダメージを与えられるよう抉るように動かす。
剣が刺さっているとは言え、致命傷とは思ってないのか魔獣が勝ち誇ったかのように唸り声をあげ頭から自分を食い千切ろうとした瞬間、右手に集めた魔力で雷魔法を発動する。
バリバリバリバリ!!!!!
魔獣と魔獣にのしかかられている自分の身体を電気が流れ筋肉が跳ねるように勝手に動く。
刺さった剣を通して直接体内に電撃を流された魔獣は飛びのこうとするも、電撃によって体が痺れ自分から若干距離を取ろうとするのが精いっぱいの様子だ。
魔獣にのしかかられ身動きが取れなかった自分は、魔獣の圧力から解放された直後、身体強化を最大限にし、魔獣の首へ剣を突き刺し再度雷魔法を流し込む。
電撃が魔獣の体内に流れ、筋肉が跳ね全身を覆う純白の毛が逆立つ。
「グゥ、ウギィャァン!!!!」
魔獣は悲鳴とも断末魔とも分からぬ声を上げその場に倒れ伏し動かなくなった。
「はぁはぁはぁ…。 イタッ、あぎゃ~、か、身体じゅうが…」
自身身体が耐えられる限界を超えた身体強化をした影響で全身が悲鳴を上げ、魔獣を倒した事で気が抜けた為、全身の痛みにのたうち回る事も出来ずその場で自身の身体に回復魔法を使用し悲鳴を上げる身体を癒す。
何とか首を動かしてウェアウルフの群れを相手にしていた2人の方を見ると、群れをほぼ狩りつくし、残るは30匹に満たない数になっていた。
しかも統率していた魔獣が倒されたことで、ウェアウルフ達は及び腰になっているようであわよくばこの場を逃げ出そうとしている風にもみえる。
可哀そうに、カトレアとルイーズさんが逃亡を許す訳なんか…。
えっ? 逃亡するウェアウルフ見逃すの?
1匹のウェアウルフが森に逃げ込むと、堰を切ったかのように生き残ったウェアウルフが森へと逃げ込んでいく。
カトレアとルイーズさんは、あえて追うような事はせず、あくまで向かって来るウェアウルフのみを相手にするようで逃げるウェアウルフには興味を示さず周囲に生きたウェアウルフが居ない事を確認すると自分の方に歩み寄らず素通りをして魔獣の生死を確認する。
「カツヒコ、あなた死にたいの? 運よく魔獣が事切れていたから良かったものの、少しでも息があったなら魔獣とは言えあなたなんか腕の一振りで殺せるの! 寝転ぶ前に生死を確認してまだ息があるようなら首を斬るか頭を刺すかしてトドメを刺しなさい!!」
「まあそうだな、気を抜くのは相手にトドメを刺して周囲の安全を確認してからが基本だぞ、でなければ手負いの相手から手痛い反撃を受けることもあるからな」
うん、この二人、自分の心配をする前に説教から入って来た!!
「せめて良く倒した! とか怪我は大丈夫とか、優しい言葉はないの?」
「無いわね!!」
「無いな!!」
「ひ、酷い…。 死ぬかと思ったのに…」
「最初から及び腰にならず、相手の動きをよく観察し前に出て戦わなかったからよ!! 魔獣を見ただけで相手に呑まれるから無駄に怪我もするし、身体が耐えられる限界を超えた身体強化を使わざるえなくなるのよ!! 冷静に対処をすればもっとましに戦えたはずよ」
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