白蛇さんはたぶらかす

極楽 ちどり

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たぶらかすまで

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キスしたまま、彼はクスクスと笑って、私の上半身に腕を絡ませた。背中に回った腕がずり上がって後頭部を抱え込まれる。その拘束感にドキドキと鼓動が早くなる。
なんだか悔しくなって、私も競うように彼の髪に指をつっこんだ。うっわ、さらさら。つるつる。なにこれ。ムカつく。

わしゃっと髪の毛をぐちゃぐちゃにしてやったら、何故かキスが深くなった。
もう頭の中が気もちいことしか考えられていなくて、ほかのこととかどうでもよくなり始めていた。かろうじて、引っかかるように、最後までいたしたらまずいという思いがあって、それだけがストッパーになっていた。

ずず、となんとも言えない音がした。何か、重たいものを引きずる音だ。私の脚に、何か冷たくて硬くてでも柔らかい、という何とも不思議な感触が巻き付いていく。
それはずいぶんと太いようで、自分のウエスト程度はありそうな感触だった。
それがなんなのかはよくわからなかったけれど、太ももを優しく締め上げられる感触は気持ちがよかったのであまり抵抗したりはしなかった。


「んふっ、ふぅうんっんっ」


まあ、舌が絡みついてきて、正直それどころじゃないというのもあったけれど。この行為を始めた時よりよほど快感に従順になってしまった私は、舌に螺旋状に巻き付き扱き上げることで生まれるめくるめく快感に虜になってしまっていて、状況を判断しようだなんてことはこれっぽっちも考えてはいなかった。

彼の両腕がまた背中に回って、抱きしめられたまま、抜群の安定感で上体を起こされた。その間もキスは続いていていた。私に抵抗する意思なんてものはない。されるがままだ。
まるで力の入っていない私の脚が、巻き付いたものに軽く広げられて、何かを跨ぐようにして座らされる。逆撫でしたのかザラりとした感触が僅かにした。なに?この感触知ってる。鱗?
さすがに裸の股の間に挟まったものは気になるわけで、唇が離れると、ふらっと視線を落とす。


「・・・・ん?」


寝ぼけてるんだろうか。なんか、・・・え、なにこれ。蛇腹?暗い部屋の中、白い蛇腹を跨いで座っているらしいことに気が付く。ちょっとまて。大きすぎないか?元カレの胴体跨いでるのと感覚変わらないよ?え・・・・丸のみ?


「に、ニシキさ・・・・蛇っ」


とりあえず、彼にも伝えなければと思って視界をあげる途中でおかしなものをを目にする。彼の腰のあたりだ。白いとはいえ肌色と、本当に真っ白な鱗に覆われた蛇の体が、絶妙に混じりあいつながっている。
・・・つながってる?!

当たり前のことだけれど、目の前にいる裸体の男は一人なわけで。それでもちょっと意味が理解できないので、そろそろと視線をあげる。目の前のとんでもなくタイプな男の裸体をなぞるようにして。
そうして最後は、当たり前のようににこやかなニシキさんと視線が絡んだ。


「・・・え」

「ごめんね?こっちが本性なんだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・え」


どうしよう。全然意味が分からない。なんで上半身が人間で、下半身は蛇なんだっけ。お化けだから?お化けだとこれも常識なの?いやもう目玉がおかしかったりしてましたかれど、あからさまに人外じゃないですか。
むしろあれ、本当に擬人化してたの!?


「んぁあああっ」


私の跨ぐ胴体?といえばいいのか、蛇身がずりっと動く。意図的に押し付けるようにして、しとどに濡れたそこをぐりぐりと刺激され、私の思考が混乱と僅かな恐怖から快楽へ簡単に戻っていく。
ずり、ずりっという這いずる音のほかに、ぐちゅっとかぬちゅっとか耳をふさぎたくなるような粘着質な音が混じる。耳をふさぎたい。でも腕が動かない。
蛇腹がいやらしい割れ目をなぞりあげる感触は、不思議なものだった。その冷たくて硬い鱗の内側にやわらかい部分を感じる。鱗の凹凸に、襞をかき分けられ、いつもは隠されている膣の入り口を暴かれ、擦りあげられる。背筋がのけぞり震えた。


「気持ちいいね、千尋」

「あっあっあっ、ん。きもち、いっ」

「ふふっもっともっと気持ちよくなろうね?」

「やっんんっやあっ」


否定を口にして期待する。ずるいと思う。最後までしないから、と言い訳をする。私はきっとひどく呆けた媚びた表情をしているに違いない。
ぴたっと、彼の冷たい手が片方、私の乳房を包み込むように掴む。やわらかい心地よさのそれに、ため息をついた。こういう気が抜けてしまうような快楽が、休憩のように挟まれるとたまらない。


「ひんっ」


気を抜いていたところに、陰核を摘ままれて、私の体は飛び跳ねた。さっき死ぬのではないかと感じたときよりは優しい手つきだが、未だに断続的に痙攣を繰り返すそこは、異常なほどに敏感だった。指を添えるようにつままれただけで頭が白くなりかける。いつもより腫れ上がってしまっているそこは、包皮がめくられたままだ。
ずるずると私の腰回りに蛇身が巻き付く。白く細かい鱗はきれいだった。股の下を通って私の体に巻き付いてまだ余っているらしいそれは、一体どれだけ長いのだろう。

親指と人差し指で軽く触れる程度に摘まれ、根元から先端までを何度もさすりあげられる。骨抜きの腰は蛇腹にその中心に刺激を送り込まれると、痙攣を起こすことこそあれ、まともに動くことなんてできない。そもそも蛇の体に押さえつけられて逃げることは叶わない。
その優しいタッチからは考えられないような、鮮烈な快感に居てもたってもいられなくて、彼の髪に差し込んだままだった指先に力が入った。


「あーーっ!あっ!やあっやああっあっ・・・あ、・・・・あ?」


体中の筋肉が強張り始め、もう頭の中がスパークするというその瞬間、彼の蛇腹も指も動きを止めた。何が起きたのかわからずに、悲鳴のような切羽詰まった喘ぎ声が、尻すぼみに間抜けた疑問形に代わる。
子宮がその時を期待して信じれらないほど熱く疼いている。なぜ、なぜ解放してくれなかったの。


「な・・・で・・・・?」


まだ体の中心がひくひくと引き攣っている。あとちょっと。ほんの少しだったのに。脳がぐらっと揺れた気がした。


「うん?どうしたの?千尋」


きっと非難がましい目をしていたのだろう。ニシキさんが首を傾げる。ぐっと言葉に詰まる。なんて言えばいいのか。イってしまいたいけど、それってとんでもなく恥ずかしい自分を晒すことで、いや、本当に今更なのだけれども。だけどそれを、自ら願い出るのはものすごく恥ずかしくて、でもこの体の中の疼きは苦しくて、結局は縋るようにニシキさんの二の腕にそっと手を這わせた。


「っ、…、もう、千尋。ちょっと可愛すぎるでしょ」


また唇を塞がれる。ニシキさんは本当によくキスをするな。私、キスって好きじゃなかったのに、こんなに気持ちのいいことだなんて、知らなかった。
また、きっと湿度を増してしまったであろうそこを蛇腹が擦り出す。喘ぎ声が彼に食べられてくぐもった物になる。苦しいけれど、唇を離したくない。もっとキスしたい。きもちよくなりたい。もっと、奥にーーー

そこまで乱れた思考がさ迷って、イケナイとストップがかかる。だめ、だめなの。最後までは許したらダメなの。

胸を優しく包み込むだけだった手が乳首を転がす。陰核への刺激に比べたら幾分劣るけれど、もうイキそうな体は、過剰なほどに快感を拾い集める。続けられたら簡単に絶頂に達するだろう。
きもちいいっきもちいいの、もっと。もっと乳首くりくりして欲しい。先っぽがいいの。ああっもう噛んで。噛みしだいて欲しい。さっきのすごかった。でもちゅうやめたくない。

陰核から離れ、太ももに添えられていた手が、私の体の上を這い上がりだす。そっちの手でも胸を苛めてもらえるのかと、期待感に膣がキュッと緊張した。
おへその下で、彼の手が止まる。まるで包み込むように、そうっと当てられる。
名残惜し無用に舌を解かれ、唇が離れる。


「千尋。ね、想像してよ」


片方の耳を塞がれ、もう片方の耳に彼の唇が宛てがわれる。あの脳みそを掻き混ぜられるような感触が蘇り、体がこわばる。
耳の軟骨を甘噛みされ、ため息のような吐息が犯す。背筋が震えた。


「千尋の真っ赤に熟れた穴から私のが入り込んで、グチュグチュに濡れちゃった壁のビラビラを全部押し延ばすみたいに少しずつ奥に進んでいく。千尋が身も世もなく泣きすがっちゃうような弱点も私に見つかってしまって、勿論そこは沢山苛められちゃうんだ。あなたはイってしまうかもね?でも私は辞めない。まだ進んで、ゆっくり、もっと奥までいくよ」

「やっやっひんっ奥はっ」

「そう、千尋の奥。誰にも触られたことのない奥だよ。大事な場所までゆっくりとね?あなたの体は小さいからきっと私でいっぱいになっちゃうね?」


すり、すりっと子宮の上をさすられる。


「あっあっやっ」


ダメだと思うのに、太くて熱いのが入ってくる様を想像してしまう。ゆっくりと私の壁を鞣すようにゆっくりと奥に進んでくるのだ。


「千尋は逃げようとするだろうね。でもだめ。私があなたを雁字搦めにしているから、どんなにもがいても、千尋は私に奥まで犯されちゃうよ。とりあえずは、子宮の入口までで止めてあげる。ね、そうしたら、千尋の可愛い子宮口にたくさんキスしてあげようね。グリグリっていっぱいマッサージしてあげる。
ああ、ふふふっわかる?千尋の子宮、ちょっと降りてきてるよ。可愛い。私に犯されるのを想像してくれてるんだね」

「うそ、だっ、そんなの、分かる訳なっあっ、あっ」

「ふふふっどうだろう。千尋、自分でもわかってるんでしょう?ほら、こんなに物欲し気によだれ垂らしちゃって。
はぁっ、千尋もっともっと想像して。クリトリスの裏側を刺激されて、ああ、勿論クリトリスも可愛がってあげるからね。ぬるぬるのクリトリスを優しく擦ってあげる。千尋敏感だから、それやったらイっちゃうかな?」

「やだっやだぁ、あっあっやめてぇ」


言葉だけでは流石にイけない。頭の中では奥まで犯されているのに、体はまだだ。
なんで、どうして。なんでいれてくれないの。中に欲しい。大きいの?熱いの?埋めて。もう奥までして。でも、だめ。
あれ、なんでだめなんだっけ。なんだっけ。もう苦しいの。体熱いの。子宮がきゅんきゅんしちゃって我慢できないの。


「あっ‥‥あ、ほし、っ、んっんんっだめぇっ」

「可哀想に。苦しいの?大丈夫だよ。優しくしてあげるからね?」

「でもっでも、あっ、ダメなの、戻れなくなっちゃうの」

「大丈夫。大事に大事にするから。ね、千尋の中に入らせて」

「あぅぅう、あっ、欲しいっ欲しいよぉ。でもダメなのっ。ダメなの」

「ふふっ可愛い千尋。言って。ね?赦すと」

「ダメぇっだめなの」


動いてくれない蛇腹に、そこを擦り付けるように腰が動いてしまう。


「私は千尋を捨てたりしないよ。酷いこともしない。ずぅっと愛する。あなただけだ。千尋だけ‥‥。千尋、」

「んくぅ、ふっ。ん」


口付けられ、そうじゃなくてもおかしくなりそうな頭に霞がかかる。


「お願い。千尋」


泣きそうな顔で、掠れた声で呟かれたそれが、止めだった。


「赦す。全部、ニシキさんに」


もうダメだ。我慢できない。私は半人半蛇の化物に犯されたくてたまらない。

この後どうなったってもう知らない。そんなのもう、いいや。


はっ、とニシキさんが息を呑む。彼が私をここまで追い込んだくせに。完全に発情してる私は荒い呼吸を繰り返して、やっと埋められると歓喜する膣の収縮に喘ぐ。
ぶるっと私を抱く彼の体が震えた。


「あ、あっ千尋っ。千尋。好き。大好き。千尋。愛してる。千尋、これで私のものだ。私の千尋っ」


ぐいっと抱き上げられて押し倒される。ずりずりと慌ただしく彼の体が引き摺られる音がして、また私の濡れそぼったそこに蛇腹が押し当てられる。でもそこは他の所と違って冷たくない。むしろ熱い。下を見る。彼の人間の腰までの部分から、蛇の体がしばらく続いてようやっと彼の本来の腰が来るらしい。
鱗の下にアレがあるのかな。蛇の交尾ってどんななの?

そこが押し上げられる。鱗が持ち上がった感触がした。片脚に彼の尾が巻き付く。
彼の鱗の下から現れ、そのままそれは私の体内に飲み込まれていく。
先端に丸みはない。刃物の切っ先のように尖っている。でも熱い。「ふぁ」っとついに与えられた熱にため息をつく。気持ちいい。うっとりと目を細めた。

そんなことができたのは、先端部分だけだった。私と彼の隙間からほんの一瞬見える彼の陰茎には先端こそ丸みを帯びているものの鋭利な突起が、返しのようにびっしりと生えていた。そんなもの入れられたら血みどろになるんじゃないかと青ざめるがもう遅い。静止をかける暇すらなくそれは私の中に押し込まれていく。


「ま、きゃひっ?!な、え、ぅああっ!」


沢山の突起がついたものが入ってくる感触に悲鳴をあげた。逃げようとするけれど、絡みついた彼の長い上半身と尾がそれを許さない。彼がさっき言った通りだ。
突起は思いのほか柔らかいらしく、僅かな抵抗を持ってやすやすと私の中に飲み込まれていく。きっと奥までしとどに濡れているせいだ。

ゆっくりと入って来る灼熱に唯一自由になる首を振り乱して訴えた。所謂大人のおもちゃというのすら使ったことがないのに、そんなの無理だ。
中のビラビラの隙間に入り込むようにざわざわと突起が擦りあげ、奥へ奥へと進む。


「ひゃめっ!あっ、やめっ、そんなのだめっ!いれちゃだめぇ!壊れちゃう!」

「千尋が痛がったらやめるね?」
「あうっ、あぅうう!なんでぇ」


なんで痛くないの。こんな、こんなトゲトゲしたの入れられてるのに。なんで痛くないの。全然。これっぽっちも。ただ熱くて気持ちいいだけで、背筋が反り返るのすら許されない拘束感がたまらないの。
すごい、奥まで入ってくる。あ、あ、どうしよう。そんなところ、元彼も入ったことない。深すぎる。


「ふか、ぁっんんんんっ」

「はっ、ん。ふふっ、こーら。絞めないで。もう少しで子宮口だから」


子宮なんていう、女の秘めた場所に触れられてしまうのがどうにも恥ずかしくて、涙がぼろぼろと溢れる。


「やぁっやあ!子宮触らないでぇ。恥ずかしいの、だめなの」

「恥ずかしいの?可愛い。千尋の恥ずかしいところ、全部暴いてあげるからね。ほら、」


ずん、と体に衝撃が走った。


「っ、つっ、あっ!ぁっ、ふあ、」

「千尋の大事なところに触れてるよ。わかる?」


そこを小突かれた瞬間に軽くイってしまった私は、弛緩していく感覚のまま、ぼんやりとニシキさんを見た。
金色で綺麗だった目はいつの間にか朱金に変わっている。紅に金粉を振ったみたいな目だ。

でもやっぱりその目は底の方まで優しくて、全然、上辺だけじゃなくて、安心する。
なんでその目が上辺だけではないってわかるのか、自分でも不思議だったけれど、でもそう感じたんだからまぁそうなんだろう。
ぺろり、と長い舌で舌なめずりをした彼は、ひどく満足げに笑った。


「ふふふっ千尋。もうこれで私から逃げられなくなっちゃったね」


なんであんたがそんな顔するんだ。
笑顔が瞬く間に泣きそうな表情に変わる。厳かに感じてしまうほど、額に丁寧な口づけが落とされる。
それから額がコツんと合わさった。


「私は勝手だけど、それでもあなたを誰よりも愛しているから。ねえ、それだけは疑わないでいて」


頷いてやるのはなんだかしゃくだったので、もう今にもくっついてしまいそうな唇を私から繋げてやった。

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