君の絆創膏

千魔猫アリス

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2.ごめんね

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2.ごめんね

「……ゆ……」
ゆうちゃん、ごめんねが言えない。
「……え、何?」
「だ、だから!」

小さな深呼吸のあと、思い切り顔を上げて、ボクは叫んだ。
「べ、べつに、す……好きなんかじゃ」
「わかってる」
「違う……」
「……あおいくんは私が嫌いなんだよね。知ってる」
「それも違う!」
「?」

ボクは、ゆうちゃんが大好きなんだ。
いっそ言えたらいいのに……。
「バーカ!」
ボクは結局、いつもこうだ。

ゆうちゃんに、背を向けると、ダッシュで逃げた。
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