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第七章「いざ、双子同士の対決へ!」
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頭からシーツを被っているルシフォードとケイティベル。薄らぼんやりとではあるが、ちゃんと前が見えるようになっている。リリアンナが弟妹の為に手を加え、実は下方にこっそりと名前も刺繍されているのだが、それは愛ゆえについついとった行動である。
双子命名「油断させて捕まえるぞ大作戦」は、果たして功を奏すのか否か。
パーラーへと続く扉は、まるで二人を招くかのごとく微かに開いていた。二人は布越しに視線を交わし合うと、意を決して中へと足を踏み入れる。
「お姉様はここかしら?ねぇ、ルシフォード」
「さぁ、どうだろうケイティベル。もしかしたら違う部屋にいるのかも」
わざと愛称を使わず、自分達が何者であるかをアピールする。隣から響いてくる音色に負けないよう、二人は声を張り上げた。
「でも考えてみれば、パーラーには来ないよ。ケイティベル。せっかく驚かそうと思ったのに」
「そうね、ルシフォード。今日はなんと言っても私達双子の誕生日だし、皆ホールで楽しんでいるものね」
他愛ない会話を続けても、部屋からは物音ひとつ聞こえない。もしかすると犯人が潜伏しているのはここではないのかもしれないと、二人の胸に一抹の不安が広がる。シーツを被っていなければきっとこの緊張と恐怖には耐えられないだろうと思いながら、それぞれ必死に唇を噛み締めた。そして示し合わせたように、二人は同じ話題を口にする。
「それにしても、今日は朝から凄い数のプレゼントをもらったね。ケイティベル」
「毎年恒例じゃない、ルシフォード。たくさんのプレゼントに新しいドレス、豪華な食事とおいしいお菓子に囲まれて、大勢の人からおめでとうの言葉をもらう。でもそれって、当たり前よ」
演技とはいえ、嫌な物言いをするのは憚られる。基本的に争いごとが嫌いな二人は、殺される恐怖よりも嘘を吐かなければならないことに心を痛めていた。
「だって私達は、満月の夜に産まれた男女の双生児ですもの。幸福と繁栄の象徴で、誰からも愛されて、なんでも願いを叶えてもらえるのよ」
「僕、前にこんな話を聞いたんだ。同じ男女の双子でも、体のどこかに痣を持って産まれてると忌み子になるって」
ぺらぺらと饒舌に喋る二人の会話に割って入る者は誰もいない。いつものパーラーが、今夜だけはまったく違う雰囲気を纏っていた。
本当はこんなこと、たとえ芝居でも言いたくない。いっそ部屋に誰もいなければいいのにと、ケイティベルは泣きたくなった。優しい彼女を気遣い、ルシフォードはきっと眉を吊り上げる。
「僕達はそうじゃなくて良かったね、ケイティベル。忌み子なんて大切にされないだろうし、酷い目に遭わされるかもしれない。それに家族にだって、きっと嫌われるよ。産まれてこなきゃ良かったのにって――」
その瞬間、ルシフォードのシーツがはたはたと揺らめく。締め切られた窓が微かに音を立て、ベルシア自慢のカクトワールが一脚ごろりと絨毯に転がった。
「黙れ白豚共!!それ以上私達を侮辱するなぁ!!」
ドレープカーテンの裏から飛び出したのは、痣持ちの双子オリビア。兄オリバーと同じシースナイフを逆手で振り上げ、シーツを被りしゃがみ込んでいるルシフォードを目掛けて思い切り振り下ろす。
――ガキィィィン!!
それはどう聞いても、人間を刺した音ではなかった。金属と金属がぶつかり合い、押し負けたのはオリビアの方。怒りに任せた彼女は勢いを殺しきれず、手からナイフが飛んでいった。
双子命名「油断させて捕まえるぞ大作戦」は、果たして功を奏すのか否か。
パーラーへと続く扉は、まるで二人を招くかのごとく微かに開いていた。二人は布越しに視線を交わし合うと、意を決して中へと足を踏み入れる。
「お姉様はここかしら?ねぇ、ルシフォード」
「さぁ、どうだろうケイティベル。もしかしたら違う部屋にいるのかも」
わざと愛称を使わず、自分達が何者であるかをアピールする。隣から響いてくる音色に負けないよう、二人は声を張り上げた。
「でも考えてみれば、パーラーには来ないよ。ケイティベル。せっかく驚かそうと思ったのに」
「そうね、ルシフォード。今日はなんと言っても私達双子の誕生日だし、皆ホールで楽しんでいるものね」
他愛ない会話を続けても、部屋からは物音ひとつ聞こえない。もしかすると犯人が潜伏しているのはここではないのかもしれないと、二人の胸に一抹の不安が広がる。シーツを被っていなければきっとこの緊張と恐怖には耐えられないだろうと思いながら、それぞれ必死に唇を噛み締めた。そして示し合わせたように、二人は同じ話題を口にする。
「それにしても、今日は朝から凄い数のプレゼントをもらったね。ケイティベル」
「毎年恒例じゃない、ルシフォード。たくさんのプレゼントに新しいドレス、豪華な食事とおいしいお菓子に囲まれて、大勢の人からおめでとうの言葉をもらう。でもそれって、当たり前よ」
演技とはいえ、嫌な物言いをするのは憚られる。基本的に争いごとが嫌いな二人は、殺される恐怖よりも嘘を吐かなければならないことに心を痛めていた。
「だって私達は、満月の夜に産まれた男女の双生児ですもの。幸福と繁栄の象徴で、誰からも愛されて、なんでも願いを叶えてもらえるのよ」
「僕、前にこんな話を聞いたんだ。同じ男女の双子でも、体のどこかに痣を持って産まれてると忌み子になるって」
ぺらぺらと饒舌に喋る二人の会話に割って入る者は誰もいない。いつものパーラーが、今夜だけはまったく違う雰囲気を纏っていた。
本当はこんなこと、たとえ芝居でも言いたくない。いっそ部屋に誰もいなければいいのにと、ケイティベルは泣きたくなった。優しい彼女を気遣い、ルシフォードはきっと眉を吊り上げる。
「僕達はそうじゃなくて良かったね、ケイティベル。忌み子なんて大切にされないだろうし、酷い目に遭わされるかもしれない。それに家族にだって、きっと嫌われるよ。産まれてこなきゃ良かったのにって――」
その瞬間、ルシフォードのシーツがはたはたと揺らめく。締め切られた窓が微かに音を立て、ベルシア自慢のカクトワールが一脚ごろりと絨毯に転がった。
「黙れ白豚共!!それ以上私達を侮辱するなぁ!!」
ドレープカーテンの裏から飛び出したのは、痣持ちの双子オリビア。兄オリバーと同じシースナイフを逆手で振り上げ、シーツを被りしゃがみ込んでいるルシフォードを目掛けて思い切り振り下ろす。
――ガキィィィン!!
それはどう聞いても、人間を刺した音ではなかった。金属と金属がぶつかり合い、押し負けたのはオリビアの方。怒りに任せた彼女は勢いを殺しきれず、手からナイフが飛んでいった。
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