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第五章「タイセツだと思うから」
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甘崎君達が行ってしまった後、私は王寺先輩の方を向いてペコッと頭を下げる。
「王寺先輩、ありがとうございました!私もここで」
「白石さん、あの子にクッキー作ってあげたの?」
「えっ?」
その質問に驚いて王寺先輩の方を向くと、いつもと違う少し悲しげな表情を浮かべていた。
「あの男の子、ウチの制服着てたよね?」
「はい、甘崎君は同じクラスなんです。最近隣に引っ越してきたらしくて、弟君達が私に懐いてくれてて」
「もしかして付き合ってる、とか?」
「え!」
そんな質問されると思わなかったから、私は目をまん丸にしながら王寺先輩の方を見る。
いつも笑顔の先輩とは違う、少し不安そうな表情。まっすぐ見つめられて、胸がドクンと反応した。
「まさか!甘崎君とは友達です!」
「そっか、よかった」
よ、よかった!?よかったってそれはどういう意味なの!?
聞き返したくてもそんなことできるわけがない。ホッとしたように溜息をついた王寺先輩は、またいつもの爽やかスマイルに戻る。
私は顔の熱が全然引かないまま、恥ずかしくてそれ以上先輩の顔が見れなくて視線を下に向けた。
「ごめんね、変なこと聞いちゃって」
「い、いえ!そんな全然」
「じゃあ、また明日」
王寺先輩はニコッと笑いながら片手を上げると、クルッと向きを変えて帰っていく。何度か振り返っては手を振ってくれるのが嬉しくて、先輩の姿が見えなくなるまでそこに立っていた。
「ふあぁ…ビックリしたぁ…」
家に入るなり階段を駆け上がり、着替えもしないで部屋のベッドにダイブする。枕を抱きしめてしばらく足をジタバタさせてたけど、ふとさっきのことを思い出して私は暴れるのをやめた。
先輩はどうして、私と甘崎君が付き合ってるなんて思ったんだろう。私達はただのお隣さんで、学校ではほとんど喋ることもないのに。
「もしかして、甘崎君も何か思ったかな…」
自分以外誰もいない部屋で、一人ポツリと呟く。
甘崎君は私が王寺先輩に憧れてることを知ってる。王寺先輩の顔まで知ってるのかどうかは分からないけど、もしかして付き合ってるって思われたりしたかな…
「もしそうだったら、どうしよう…」
無意識にそう口にして、私は勢いよくガバッと体を起こした。
どうしようってなに!どうしようもこうしようもないよ!甘崎君にどう思われたって、別に関係ないじゃん!
最近、ホントにおかしい。王寺先輩からあんんなセリフ言われて、凄くドキドキしてたのに。気がつくとまた、頭の中は甘崎君でいっぱいだ。
私が憧れてるのは、王寺先輩なのに。
「あぁもう、分かんないよーっ!」
枕に口を押しつけて、思いっきり声に出して叫ぶ。彼氏どころか恋だってまともにしたことのない私には、今のこのグチャグチャな気持ちが何なのか、自分でも分からない。
一旦落ち着こうと目を閉じると、隣の賑やかな笑い声が微かに聞こえてくる。
「今日も楽しそうだなぁ」
甘崎兄弟がドタバタしてる様子がまぶたの裏に浮かんできて、心の中がふんわり温まるような気分になった。
「王寺先輩、ありがとうございました!私もここで」
「白石さん、あの子にクッキー作ってあげたの?」
「えっ?」
その質問に驚いて王寺先輩の方を向くと、いつもと違う少し悲しげな表情を浮かべていた。
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「はい、甘崎君は同じクラスなんです。最近隣に引っ越してきたらしくて、弟君達が私に懐いてくれてて」
「もしかして付き合ってる、とか?」
「え!」
そんな質問されると思わなかったから、私は目をまん丸にしながら王寺先輩の方を見る。
いつも笑顔の先輩とは違う、少し不安そうな表情。まっすぐ見つめられて、胸がドクンと反応した。
「まさか!甘崎君とは友達です!」
「そっか、よかった」
よ、よかった!?よかったってそれはどういう意味なの!?
聞き返したくてもそんなことできるわけがない。ホッとしたように溜息をついた王寺先輩は、またいつもの爽やかスマイルに戻る。
私は顔の熱が全然引かないまま、恥ずかしくてそれ以上先輩の顔が見れなくて視線を下に向けた。
「ごめんね、変なこと聞いちゃって」
「い、いえ!そんな全然」
「じゃあ、また明日」
王寺先輩はニコッと笑いながら片手を上げると、クルッと向きを変えて帰っていく。何度か振り返っては手を振ってくれるのが嬉しくて、先輩の姿が見えなくなるまでそこに立っていた。
「ふあぁ…ビックリしたぁ…」
家に入るなり階段を駆け上がり、着替えもしないで部屋のベッドにダイブする。枕を抱きしめてしばらく足をジタバタさせてたけど、ふとさっきのことを思い出して私は暴れるのをやめた。
先輩はどうして、私と甘崎君が付き合ってるなんて思ったんだろう。私達はただのお隣さんで、学校ではほとんど喋ることもないのに。
「もしかして、甘崎君も何か思ったかな…」
自分以外誰もいない部屋で、一人ポツリと呟く。
甘崎君は私が王寺先輩に憧れてることを知ってる。王寺先輩の顔まで知ってるのかどうかは分からないけど、もしかして付き合ってるって思われたりしたかな…
「もしそうだったら、どうしよう…」
無意識にそう口にして、私は勢いよくガバッと体を起こした。
どうしようってなに!どうしようもこうしようもないよ!甘崎君にどう思われたって、別に関係ないじゃん!
最近、ホントにおかしい。王寺先輩からあんんなセリフ言われて、凄くドキドキしてたのに。気がつくとまた、頭の中は甘崎君でいっぱいだ。
私が憧れてるのは、王寺先輩なのに。
「あぁもう、分かんないよーっ!」
枕に口を押しつけて、思いっきり声に出して叫ぶ。彼氏どころか恋だってまともにしたことのない私には、今のこのグチャグチャな気持ちが何なのか、自分でも分からない。
一旦落ち着こうと目を閉じると、隣の賑やかな笑い声が微かに聞こえてくる。
「今日も楽しそうだなぁ」
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