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最終章「ずっとずっと、そばにいる」
⑥
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一心君がウチを出ていってから、もう一週間。学校は夏休みに入り、わたしは宿題のかたわら毎日キッチンにこもってる。
タブレットとにらめっこしながら、せっせと料理作りに励んでいた。
ちなみに今日は、パンナコッタ作りに挑戦中だ。
パンナコッタっていうのは、生クリームに牛乳や砂糖を加えてゼラチンで固めた、プリンに近いイタリアのスイーツだ。
ふるふるで滑らかで、冷蔵庫で冷たく冷やして食べるから、夏にぴったり。
「キャンキャン!」
「ココア!もうちょっと待ってね。これが終わったら、一緒に遊ぼう」
「キャイン!」
キッチンにはゲートがしてあるから、ココアは入ってこられない。その向こうから元気な鳴き声が聞こえて、わたしはニコニコしながら手を振った。
フワフワのわたあめみたいな体が、可愛く揺れてる。もう今すぐ、思いっきり撫でまわしたい。
「っと。今はパンナコッタに集中しなくちゃ」
わたしは気合いを入れ直して、カチッとコンロのツマミを回して火を入れる。
ウチのキッチンがIHじゃないのは、お母さんのこだわりらしい。
今日はイチゴを入れたいから、あとで洗って切っておかなきゃ。
そう思いながら、火にかけた牛乳がフツフツと温まっていくのを、ジッと見つめた。
一心君、元気にしてるかな。
あれからなんの連絡もなくて、ちょっとさみしい。
「……」
ううん。ホントはすっごくさみしい。
もしここに一心君がいてくれたら、このパンナコッタも一緒に食べてくれるんだろうな。
ぶっきらぼうに、だけど「おいしい」って言いながら、あっという間に完食するんだ。
一心君、見た目は細く見えるのに、意外とよく食べるんだよね。
この間のパーティーの時だって、たぶん一番食べてた気がする。
まだ一週間しか経ってないのに、もうずいぶん長い間会ってないような気がする。
今まで離れてた八年間、どうして平気でいられたのか、もう思い出せない。
ピンポーン
「あれ、誰か来た」
ボーッとしていたわたしは、慌てて火を止める。モニターも確認しないまま、ガチャッと玄関のドアを開けた。
「久しぶり」
「い、一心君……っ!」
そこに立っていたのは、一心君。白いTシャツと黒いスキニー、それから同じ黒のキャップ。シンプルな服装なのに、キラキラ輝いてる。
一週間ぶり、しかも心の準備ができてなかったから、ドキドキが止まらない。
「はいはーい、俺もいますよーっと」
一心君の後ろから、ロン君がひょっこりと顔を出す。
「ロン君も!」
「ていうか一心、久しぶりではなくない?こないだ会ったばっかじゃん!」
「…いいんだよ、うるさいな」
ロン君は相変わらずの金髪で、目を細めてニコニコしてる。
突然でビックリしたけど、二人に会えてすごくうれしい。
「二人とも、会いに来てくれたんだね!」
「いや、会いにきたというか」
「そうそう、ご挨拶的な?」
顔を見合わせる二人に、わたしの頭上にはハテナのマークがいくつも浮かぶ。
「明日から、となりに住むことになったから」
「ちなみに、俺も大神ファミリーに混ざらせてもらいまーす」
「そういうこと」
え……?どういうこと……?
「アッハハ!すっごい顔!ね、一心!だから言ったでしょ?日向ちゃん絶対いいリアクションしてくれるから、黙ってようって!」
わたしの顔を指さしてロン君が大爆笑してるけど、今はそんなことにかまっていられない。
「と、となりって…ウチのとなり?」
「そう。売りに出てたからって、父さんが」
いや、そりゃあ確かに、おとなりさん一家は仕事の都合で海外に行っちゃって、立派な一戸建てが売り家になってた気がするけど。
となりがお店だし、敷地も結構広いからって、なかなか次の人が決まらないみたいって、お母さんが言ってたような。
でもだからって、これはさすがにタイミングがよすぎるんじゃあ……
「まぁ、そうなったものはそうなったわけだから!これからもよろしくってことで!」
ずいぶん適当なまとめ方だ。ロン君が握手を求めるみたいに、わたしの前に手を差し出したのを、一心君がパシッと叩いた。
「った!もー、なにすんの一心」
「ロンはうるさい。ちょっとだまってて」
一心君はヒジでグイグイとロン君を押しながら、パッとわたしの方を向く。
「これからもよろしく、日向」
柔らかなその表情を見て、わたしもたちまち笑顔になった。
「こちらこそ、よろしくね!」
これからますます、わたしの周りはにぎやかになりそうな予感です。
タブレットとにらめっこしながら、せっせと料理作りに励んでいた。
ちなみに今日は、パンナコッタ作りに挑戦中だ。
パンナコッタっていうのは、生クリームに牛乳や砂糖を加えてゼラチンで固めた、プリンに近いイタリアのスイーツだ。
ふるふるで滑らかで、冷蔵庫で冷たく冷やして食べるから、夏にぴったり。
「キャンキャン!」
「ココア!もうちょっと待ってね。これが終わったら、一緒に遊ぼう」
「キャイン!」
キッチンにはゲートがしてあるから、ココアは入ってこられない。その向こうから元気な鳴き声が聞こえて、わたしはニコニコしながら手を振った。
フワフワのわたあめみたいな体が、可愛く揺れてる。もう今すぐ、思いっきり撫でまわしたい。
「っと。今はパンナコッタに集中しなくちゃ」
わたしは気合いを入れ直して、カチッとコンロのツマミを回して火を入れる。
ウチのキッチンがIHじゃないのは、お母さんのこだわりらしい。
今日はイチゴを入れたいから、あとで洗って切っておかなきゃ。
そう思いながら、火にかけた牛乳がフツフツと温まっていくのを、ジッと見つめた。
一心君、元気にしてるかな。
あれからなんの連絡もなくて、ちょっとさみしい。
「……」
ううん。ホントはすっごくさみしい。
もしここに一心君がいてくれたら、このパンナコッタも一緒に食べてくれるんだろうな。
ぶっきらぼうに、だけど「おいしい」って言いながら、あっという間に完食するんだ。
一心君、見た目は細く見えるのに、意外とよく食べるんだよね。
この間のパーティーの時だって、たぶん一番食べてた気がする。
まだ一週間しか経ってないのに、もうずいぶん長い間会ってないような気がする。
今まで離れてた八年間、どうして平気でいられたのか、もう思い出せない。
ピンポーン
「あれ、誰か来た」
ボーッとしていたわたしは、慌てて火を止める。モニターも確認しないまま、ガチャッと玄関のドアを開けた。
「久しぶり」
「い、一心君……っ!」
そこに立っていたのは、一心君。白いTシャツと黒いスキニー、それから同じ黒のキャップ。シンプルな服装なのに、キラキラ輝いてる。
一週間ぶり、しかも心の準備ができてなかったから、ドキドキが止まらない。
「はいはーい、俺もいますよーっと」
一心君の後ろから、ロン君がひょっこりと顔を出す。
「ロン君も!」
「ていうか一心、久しぶりではなくない?こないだ会ったばっかじゃん!」
「…いいんだよ、うるさいな」
ロン君は相変わらずの金髪で、目を細めてニコニコしてる。
突然でビックリしたけど、二人に会えてすごくうれしい。
「二人とも、会いに来てくれたんだね!」
「いや、会いにきたというか」
「そうそう、ご挨拶的な?」
顔を見合わせる二人に、わたしの頭上にはハテナのマークがいくつも浮かぶ。
「明日から、となりに住むことになったから」
「ちなみに、俺も大神ファミリーに混ざらせてもらいまーす」
「そういうこと」
え……?どういうこと……?
「アッハハ!すっごい顔!ね、一心!だから言ったでしょ?日向ちゃん絶対いいリアクションしてくれるから、黙ってようって!」
わたしの顔を指さしてロン君が大爆笑してるけど、今はそんなことにかまっていられない。
「と、となりって…ウチのとなり?」
「そう。売りに出てたからって、父さんが」
いや、そりゃあ確かに、おとなりさん一家は仕事の都合で海外に行っちゃって、立派な一戸建てが売り家になってた気がするけど。
となりがお店だし、敷地も結構広いからって、なかなか次の人が決まらないみたいって、お母さんが言ってたような。
でもだからって、これはさすがにタイミングがよすぎるんじゃあ……
「まぁ、そうなったものはそうなったわけだから!これからもよろしくってことで!」
ずいぶん適当なまとめ方だ。ロン君が握手を求めるみたいに、わたしの前に手を差し出したのを、一心君がパシッと叩いた。
「った!もー、なにすんの一心」
「ロンはうるさい。ちょっとだまってて」
一心君はヒジでグイグイとロン君を押しながら、パッとわたしの方を向く。
「これからもよろしく、日向」
柔らかなその表情を見て、わたしもたちまち笑顔になった。
「こちらこそ、よろしくね!」
これからますます、わたしの周りはにぎやかになりそうな予感です。
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おもしろいお話を書いてくださりありがとうございます♪
琴音様、最後までお付き合いくださり本当にありがとうございます!以前にも素敵な感想をいただき、それを励みに最後まで書ききることが出来ました!日向や一心を好きになってくださり、心から感謝いたします!本当にありがとうございました!
琴音様、感想をくださりありがとうございます!主人公日向のことを好きだと言っていただけて、とても嬉しいです!!貴重なお時間を使って細かいところまで読んでくださり、本当に感謝しかありません!拙い部分もあるかとは思いますが、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです!本当にありがとうございました!!