超魔法こがね

湯殿たもと

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友達と浪人と変人

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超魔法こがね4


「こがねちゃんおはよう!」 

学校でそう声を掛けてくれたのは友達の白樺みすず。クラスの中で一番仲が良い。

「ふぁーみすずちゃんおはよう」

「何か眠そうだよ?どうしたの」

「うーん、どうもしてないんだけどね」

「昨日何時に寝たの?」

「十一時」

「夜更かししてたわけじゃないんだね」

「寝た気がしないんだよ・・・」

「後で快眠グッズおしえてあげるよ」

あの変な夢を見始めてから昼間にも眠気が襲ってくる。もしかして脳は眠って無いのかもしれない。

眠気と戦いながら放課後まで踏ん張る。体育とか色々乗り越えてやっと放課後。

「私の家に快眠グッズが沢山あるんだよ。家に来てよ」

「何で快眠グッズがそんなにあるのさ」

「ちょっと前にお母さんがはまっててね、それで」

白樺家。小学生のころから度々来てるけど最近は足が遠のいていた。

「ただいま~」

「おじゃまします」

「おっ久しぶりだな。いらっしゃい」

家に居たのはみすずの兄、白樺あさま。みすずの三つか四つ上だったはず。

「お兄ちゃん浪人してるけど気にしないでね」

「来年こそは良い大学に入ってやるからな。見とけよ見とけよ~」

みすずちゃんは快眠グッズを探しに行ったのか、姿を消した。たまたま居間にいたお兄さんと二人になる。

「どうだ勉強は。難しいか?」

「少し・・・でも大丈夫ですよ」

「教えてあげようか」

「もう!お兄ちゃんは浪人してるんでしょ、自分の勉強をしなよ」

こがねちゃんは手に快眠グッズを大量に抱えて戻ってきた。アイマスク、ヘッドホンみたいなの、耳栓・・・

「どれがいいかな」

「個人的にはアイマスクが良いと思うぜ」

「じゃあアイマスクにしようかな」

「うん。持ってって持ってって」


夜。

また夢の中でいつものところに来てしまった。グラシアさんがぬいぐるみのようなものを抱えている。

「こんばんは」

「よう、お前がこがねか。話に聞いてるぞ」

ぬいぐるみがしゃべった!しかもやたらとおっさん臭い声で!

「このぬいぐるみはフランクくん。化けてる」

「そうだ」

「え、そうなんですか」

「そうだ。この姿は魔法をあまり使わない省エネモードなんだ」

「はぇー」

「でも耐久力は小さくなるな。メリットもデメリットもある」

「一回変なところ触ってきて殴ったら死にかけてた時がある」

魔法の世界がますます解らなくなってきた。耐久力を下げてまで省エネをする理由が解らない。

「魔法はこの世界で活動しているだけでも減っていく。小さくなると自然に減る量は減る」

「そうだ。ようは攻撃を食らわなければ良い。しかもこの世界は攻撃側のリスクがでかいんだ。そういうことだ」

わかったようなわからないような・・・

続きます。
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