超魔法こがね

湯殿たもと

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盗聴で遊んじゃいけないよの巻

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超魔法こがね15


「人探しの魔法」を使って、ちまちま進んでいく。もう一週間過ぎた。特に戦闘もなく、穏やかな時間が流れていた。

「本当にこっちであってるのですか?誰もいませんよ」

「あってるぞ、三人ともこっちを指してるし、反応するってことはやられて完全に消えたってわけでも無さそうだ」

「うん」

「そうなのかなぁ」

一週間大きな動きがないことに飽きはじめていた。この世界はただ一面の広い空間で景色も何も無いから余計に飽きる。

「まあ、飽きてきたか。それじゃあれでも使ってみるか」

あれとはなんだろう。アポロさんが懐から取り出したのは、通信機の類いとみられる、小さな機械。

「これは盗聴できるタイプなんだ、使ってみよう」

「盗聴なんてしていいんですか」

「ここだと聴かれる方が悪い」

「そう」

「そうなんですか」

まあ、先輩がそういうなら仕方ないか。よく考えたら戦場だったら当たり前なのかも。

「お、無線が聞こえる聞こえる」

静かに耳を傾ける。男の声が聞こえる。

「いまからそっち向かうぜ!待ってろ」

「きゃあっ」

「どうしたクォーターパウンダーチーズ!返事しろぉ!」

ぶつっ。切れてしまった。

「魔法名ながいな」

「三人ぶんある」

「それより、今のって・・・・・・」

「死んだかもな」

「男が油断させた。最低」

気を取り直して次。

「はい、こちら魔法ピザ」

「デリシャスピザ二枚お願いします」

「座標とお名前を教えて下さい」

「8181-877のフランクといいます」

ここで、アポロさんがニヤリと笑い、フランクの声まねをして無線機の黄色いスイッチを押した。

「やっぱり十枚でお願いします」

「かしこまりました、では」

「あ、ちょっと」

プツン。

「あははははははひひひひ」

「今の何ですか」

「通信割り込み機能だ、なかなか便利だぞ」

「ひどい」

「いじわる」

「ちょっとくらいいいじゃないか、あいつ金持ってるし食い意地はってる方だぞ」

またカチャカチャと弄って盗聴。

「◯◯の本隊に派手に攻撃を仕掛けるぞ、期日は、◯◯(暗号か)」

「なにぃ」

ちなみに敵が味方の主力に、という相手関係だ。止めなければ。

「聞こえてるぜー!やりたきゃやってこい!」

アポロさんが挑発をして、大人しくグラシアさんが聞いている。挑発なんかして大丈夫なのか?

「相手は秘密裏に作戦を行おうとしてるんだから、ばれてるって知れば抑止力になるし、こっちにデメリット無いんだ」

「逆探知とかは・・・」

「いちいちこんなのに反応してたらきりないだろう、大丈夫だ」

何日かしても、その後は確かになにもなかった。大丈夫だったけど、少しこわい。びびりすぎなのかな。

「使ってみてもいいですか」

「いいぞ」

カチャカチャと適当にネジを調整する。

「若葉、俺は大丈夫だ、安心しろ、必ず帰ってくるからな」

「待ってるよ・・・」

「愛してるぜ」

「ボクの目の前で言ってくれればいいのに、もう」

・・・・・・

「良いもん聞けたな」

「ちょっと悪い気がする」

グラシアさんがそう言ったあと、アポロさんが冗談混じりで言う。

「あー、俺もこういう人欲しいなーグラシアあたりなってくれないかなー」

「おことわり」

「ぐはぁ」

でも、仲は良さそうだった。恋じゃないけど、信頼しあっている関係。素敵。


続きます。

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