超魔法こがね

湯殿たもと

文字の大きさ
14 / 19

誰か探して三千里

しおりを挟む
「チェルシー兄貴を探すのに今までどうしてきたんだ」

「人にあったら聞く、それを繰り返してた」

「なるほど、それは確実だな、しかし、効率があまり良くない」

「それはわかるけど」

「人探しの魔法もあるんだけど、あれは」

「えっ?」


超魔法こがね14


「あれ、知らなかったの」

「こがねに何の本を貸したんだ、載ってないやつもあるからな。あまり簡単じゃないくせに効果が悪いからな」

「そうなんですか」

「例えばグラシアが『滅茶苦茶敵を察知しやすくなるメイド服』をきていたとするだろ?それでもその魔法は人を探すのに素の索敵で効果が変わるんだ。グラシアが裸だろうが米軍のレーダーを積んでいようが変わらないんだ」

「微妙にたとえが気になるけどそういうこと」

「あれ、ジパングの素の索敵って」

「・・・・・・もしかしたらできるかも」

「ほえ?」

「よし、教えよう!やってみろ!まずはこの呪文を唱えてみろ!」

古びた魔術書を渡される。

「使える!センター魔術1200」。こんな本があるんだ。センターってなんだろう。こちらにも学校があるのだろうか。

「人探しの魔法、これですか」

「そうだ、試しにやってみろ。フランクあたりで」

「わかりました」

魔法を唱え、力を込める。

「おおおすげぇ」

光の道が一直線に指し示される。大地を切り裂くようで、なかなか壮観。

「よし、行くぞ」

しばらくひかりに沿って進むとフランクさんがくつろいでみかんを食べていた。もう一人、部下っぽい人が周りを見張っている。

「よう、フランク、美味しそうだなそのみか

ん」

「アポロか、久しぶりだな」

「あと三つか、よし、いただこう」

「ちょいと待て、これは俺がわざわざデパートで買ってきた一つ三百円する高級みかんだ、あっちいけ」

「体なまってないか?一戦どうだ」

「いいでしょう」

アポロさんとフランクさんが模擬戦をやるらしい。見張りの人とともに見学する。

二人の実力はかなり拮抗している。戦いはどちらにも傾くことがなく膠着していた。グラシアさんがみかんを食べながら解説する。私も無意識にみかんに手を伸ばしていた。半分食べてから気がつく。

十分膠着状態が続いたので、模擬戦規定により引き分け。

「あああああみかん食ってんじゃねええええ」

「なああああああああああ一つもないじゃないか」

「高いだけはあった、美味しい」

「ええと、その」

「そういうことですね」

熱い男二人は崩れ落ちた。


「俺はみかんを食べられなかったが、人探し自体は成功だな、しかしまだ反省点がある」

「何ですか?」

「目立つ」

「そう、グラシアの言うとおり、これは一度に長距離を表示させると非常に目立つ」

「すこしずつやるしかない」

「グラシアの言うとおり、・・・・・・全部言われてるな」

「わかりました」

「これは細かくやっても同じくらいエネルギーを使う。ま、ゆっくりとやっていこうな」

「一つ良いですか?」

「どうした」

「少しずつやるならそこまで精度要求されませんよね、グラシアさんやアポロさんも出来るのでは」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「おい、グラシア、気づけよもっと早く」

「ずっと来てなかった人に云われたくない」

「わわわ落ち着いてください」

「ん?ああ、本気で喧嘩しないから大丈夫だよ」

チェルシーさんの捜索に大きく一歩を踏み出した。いつ見つかるのかな。続きます!

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...