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ラブレター?
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「みすずちゃん、おはよー」
「おはよーこがねちゃん、今日もいい天気だね」
「そうだね、でもこれからどんどん寒くなるって思うと気が滅入るよ」
通学路にある木々は色づきすすきも揺れている。まさに秋という景色。
「冬になったら受験だね」
「あー、また目を背けたいものが待ってるんだ」
「こがねちゃんは大丈夫だよ、いつもより多く勉強したらそれだけ伸びるんだから」
「そうかなぁ」
そんなことを話ながら学校へ。テストを抜けた後だからあまり人がいなかった。それはそうだ。みすずちゃんと一緒じゃなかったら私だってギリギリに登校していると思う。
「わっ」
「みすずちゃんどうしたの?」
「こ、これはっ」
下駄箱に何かが入っている・・・・・・もしかして。
「ラブレター?」
超魔法こがね13
「わわわ」
「誰からだろう」
恐る恐る差出人の名前を探す。みすずちゃんが先に見つけた。三年三組、蓮沼。
「蓮沼さんですか」
「そうみたいだね」
私は蓮沼さんとはあまり話したことがない。まあ下駄箱にラブレターを出してくるくらいだからみすずちゃんともそこまで仲良くないのだろうけど。
「午後五時に体育館の裏だって」
「どうしようねこれ」
「え?行かないの」
「行くけど・・・・・・私も好きな人いるからね」
顔を赤らているのを見て、ちょっとその相手が憎いような気がした。憎いなんてことはないんだけど、それが一番強い気持ち。
あまり授業に身が入らないで、ぼーっとしながら過ごす。お昼休みもなんとなくだらっと過ごして、いつの間にか終わってしまう。予習しようと思ってはいたが身に入らないのだ。午後はなんとか授業に身を入れながら、二時間余計なことを考えないように耐えて、放課後。
「五時までまだまだ時間あるね、まだ四時だよ」
「いっしょにお話しながら勉強でもしよう?こがねちゃんなんかそわそわしてたよ」
「あはは、そうだね」
「復習しよう?」
「そうだね、ありがとう」
みすずちゃんと勉強しているときはあっという間に時間が過ぎる。ちょっと話していただけなのにもう五時になってしまった。
「それじゃ、私行ってくるね」
「うん」
みすずちゃんがすこし小走り気味で体育館に向かっていった。待っててと言われてはいたけど、気になってこっそり五組の前に近づく。
「蓮沼さん。こんにちは」
「こんにちは、白樺さん」
体育館から聞こえてくる部活に励む声、それとは全く裏腹に沈黙が支配する。
「ずっと好きだったんだ、付き合ってほしい」
「でも、私、好きな人がいるんです」
「えっ」
男は驚いたような声を出した。まあ、ずっと一緒にいる私だって知らなかったわけだし。
「僕と付き合ってくれ」
「わわわ?!」
今度はみすずちゃんが変な声をあげる。
「触らないでください・・・・・・」
「いいじゃないか、付き合ってくれるだろう?」
無理やり体を触ったらしい。許せない。怒りがこみ上げてくるのが心の底からわかる。脳では制御できないところから湧き出してくる怒りを、脳がもっとやれ、と励ましているような、そんな気持ち。
「やめてくださいっ!」
「大人しく僕と付き合ってくれればそれでいいんだよ」
「嫌です」
「うらぁっ!」
「ひにゃあ!」
体育館に隣接しているゴミ置き場にあった、骨だけの傘が目に入る。走って左手でつかみ、みすずちゃんのところに急ぐ。途中で右手に持ちかえて、蓮沼と向き合う。
「わっこがねちゃん!?」
「なっ!?」
「くたばれ蓮沼!」
みすずちゃんをかわすように、傘で叩く。蓮沼はみすずちゃんから手を離し、腕で守る。
「敷島か」
「みすずちゃんに関わらないでよ!あっちいって」
「いい度胸じゃないか」
「みすずちゃんに嫌なことするやつは、みすずちゃんと付き合う権利ないよ」
傘をおろして言葉で説得する。魔法使ってるときとは違う、そんな感覚。
「わかったよ」
といった瞬間、傘を相手に奪われる。
「権利っていうのは力で手にいれるものだよ、フランス革命だってそうだろう」
「みすずちゃん逃げてっ」
「こがねちゃんが先に逃げてよ!」
「はははははははは、中三のガキが何言ってるんだ、蓮沼、俺が相手だ!」
「わっ!お兄ちゃん」
「何っ!」
あさまさんが塀を乗り越えやって来た!
「こぉら!何やってるんだ」
そこへバスケの顧問の先生が登場。お兄さんがでかい声で騒いだからか。
「いけねぇ、じゃあな」
急いで引き返すお兄さん。残された三人の学生。破れた傘を持っている蓮沼。涙目で私に隠れているみすずちゃん。
状況は簡単に説明できた。
午後七時。真っ暗になった夜空を歩く。冬が近いから空は澄んでいる。
「こがねちゃん、ありがとう。ごめんなさい迷惑かけて」
「いいのいいの」
「私ずっとこがねちゃんと一緒にいたいな」
「ん、私もだよ」
手を繋いで、ゆっくりと歩いていった。
続きます。
「おはよーこがねちゃん、今日もいい天気だね」
「そうだね、でもこれからどんどん寒くなるって思うと気が滅入るよ」
通学路にある木々は色づきすすきも揺れている。まさに秋という景色。
「冬になったら受験だね」
「あー、また目を背けたいものが待ってるんだ」
「こがねちゃんは大丈夫だよ、いつもより多く勉強したらそれだけ伸びるんだから」
「そうかなぁ」
そんなことを話ながら学校へ。テストを抜けた後だからあまり人がいなかった。それはそうだ。みすずちゃんと一緒じゃなかったら私だってギリギリに登校していると思う。
「わっ」
「みすずちゃんどうしたの?」
「こ、これはっ」
下駄箱に何かが入っている・・・・・・もしかして。
「ラブレター?」
超魔法こがね13
「わわわ」
「誰からだろう」
恐る恐る差出人の名前を探す。みすずちゃんが先に見つけた。三年三組、蓮沼。
「蓮沼さんですか」
「そうみたいだね」
私は蓮沼さんとはあまり話したことがない。まあ下駄箱にラブレターを出してくるくらいだからみすずちゃんともそこまで仲良くないのだろうけど。
「午後五時に体育館の裏だって」
「どうしようねこれ」
「え?行かないの」
「行くけど・・・・・・私も好きな人いるからね」
顔を赤らているのを見て、ちょっとその相手が憎いような気がした。憎いなんてことはないんだけど、それが一番強い気持ち。
あまり授業に身が入らないで、ぼーっとしながら過ごす。お昼休みもなんとなくだらっと過ごして、いつの間にか終わってしまう。予習しようと思ってはいたが身に入らないのだ。午後はなんとか授業に身を入れながら、二時間余計なことを考えないように耐えて、放課後。
「五時までまだまだ時間あるね、まだ四時だよ」
「いっしょにお話しながら勉強でもしよう?こがねちゃんなんかそわそわしてたよ」
「あはは、そうだね」
「復習しよう?」
「そうだね、ありがとう」
みすずちゃんと勉強しているときはあっという間に時間が過ぎる。ちょっと話していただけなのにもう五時になってしまった。
「それじゃ、私行ってくるね」
「うん」
みすずちゃんがすこし小走り気味で体育館に向かっていった。待っててと言われてはいたけど、気になってこっそり五組の前に近づく。
「蓮沼さん。こんにちは」
「こんにちは、白樺さん」
体育館から聞こえてくる部活に励む声、それとは全く裏腹に沈黙が支配する。
「ずっと好きだったんだ、付き合ってほしい」
「でも、私、好きな人がいるんです」
「えっ」
男は驚いたような声を出した。まあ、ずっと一緒にいる私だって知らなかったわけだし。
「僕と付き合ってくれ」
「わわわ?!」
今度はみすずちゃんが変な声をあげる。
「触らないでください・・・・・・」
「いいじゃないか、付き合ってくれるだろう?」
無理やり体を触ったらしい。許せない。怒りがこみ上げてくるのが心の底からわかる。脳では制御できないところから湧き出してくる怒りを、脳がもっとやれ、と励ましているような、そんな気持ち。
「やめてくださいっ!」
「大人しく僕と付き合ってくれればそれでいいんだよ」
「嫌です」
「うらぁっ!」
「ひにゃあ!」
体育館に隣接しているゴミ置き場にあった、骨だけの傘が目に入る。走って左手でつかみ、みすずちゃんのところに急ぐ。途中で右手に持ちかえて、蓮沼と向き合う。
「わっこがねちゃん!?」
「なっ!?」
「くたばれ蓮沼!」
みすずちゃんをかわすように、傘で叩く。蓮沼はみすずちゃんから手を離し、腕で守る。
「敷島か」
「みすずちゃんに関わらないでよ!あっちいって」
「いい度胸じゃないか」
「みすずちゃんに嫌なことするやつは、みすずちゃんと付き合う権利ないよ」
傘をおろして言葉で説得する。魔法使ってるときとは違う、そんな感覚。
「わかったよ」
といった瞬間、傘を相手に奪われる。
「権利っていうのは力で手にいれるものだよ、フランス革命だってそうだろう」
「みすずちゃん逃げてっ」
「こがねちゃんが先に逃げてよ!」
「はははははははは、中三のガキが何言ってるんだ、蓮沼、俺が相手だ!」
「わっ!お兄ちゃん」
「何っ!」
あさまさんが塀を乗り越えやって来た!
「こぉら!何やってるんだ」
そこへバスケの顧問の先生が登場。お兄さんがでかい声で騒いだからか。
「いけねぇ、じゃあな」
急いで引き返すお兄さん。残された三人の学生。破れた傘を持っている蓮沼。涙目で私に隠れているみすずちゃん。
状況は簡単に説明できた。
午後七時。真っ暗になった夜空を歩く。冬が近いから空は澄んでいる。
「こがねちゃん、ありがとう。ごめんなさい迷惑かけて」
「いいのいいの」
「私ずっとこがねちゃんと一緒にいたいな」
「ん、私もだよ」
手を繋いで、ゆっくりと歩いていった。
続きます。
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