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決戦
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「誰か来ますよ」
見張っていたフランクの部下(弟子?)が報告した。
「どんな感じだ?」
「新人っぽそうです」
「ようし、敵ならぶちのめせ!無所属なら話しかけろ」
「敵のマークをつけてますよ」
「ようし、行け!」
見張りの一人が向かっていく。数が多い方が有利なので私も向かう。走って近づいてみると、なるほど、最低限の装備しかつけていないし、弱そうに見える。
「これでも食らえっ!」
衛星を用意しないで射撃を始めたことに違和感を持つけれど、火力で攻める気のようだ。しかし相手は全てかわす。本当に初心者かと違和感を持つが、既に遅い。魔法?いや、物理攻撃でぶっ飛ばす!
よろよろしながら立ち上がる味方を援護して仲間のもとに連れて帰ろうとするが、まず目の前の相手をどうにかしないといけない。とりあえず相手は初心者じゃなさそうだから、攻撃を与えられたらまずい。という訳で衛星を片っ端から打ち上げる!
超魔法こがね18
間合いは大丈夫。衛星からの情報で相手の動きを正確に測れる。仲間を背負っていて動きは鈍くなってはいるけれど、とりあえず交わし続けて、フランクさんと合流するまで耐える!
・・・・・・動きがない。間合いは少しずつ、詰まってはいるけれど、ほとんど動きはない。魔法力は減少していても、さらに自然に減少することはないから味方の救援はいつまでも待つことができるのだが。
と、その時、最弱の攻撃、星降らしを相手が使ってきた。シールドを使うほどではないので、横に動いてかわす。
「甘いな」
「わわわ」
相手がそこへ突っ込んでくる。はじめからかわすのを想定していた!?殴られたら大変!実際に殴りにかかってくる。物理攻撃を使うのは魔法のエネルギーを使わないで出せるためだけど、この敵のは火力が違う!
背負っていた仲間を盾にして、一撃を回避する。それしかない。とりあえず星を撒く。少しは攻撃を当てられたか。
仲間は簡単にばててしまった。さすがにもう一度盾にしたら再起不能になりそうなので、もう使えない。相手も衛星を打ち上げたかと思うと、途端に自分の衛星の通信が悪くなる。グラシアさんがこんなこともあるかもしれないから覚えていて欲しいとか言っていたような、まさにそんな環境。おそらく妨害されているのかもしれないと思ったので、グラシアさんに教わった手順を使う。自分の衛星を思い切りスピンさせ、それを風で吹き飛ばし敵の衛星を解除させるのだ。
「ふぅむ、それを知ってるのか」
そういって、今度は相手は星を撒く。今度はさっきのを受けて、シールドを張る・・・・・・それだと相手の手にかかっているような気がする。ならば。
「シールドっ」
「甘いっ」
シールドは魔法には強いが、物理攻撃にはあまり強いとはいえない。この人の力なら簡単に破れるだろう。だから、相手が向かってきたら。
「シールド割り」
「なっ?」
二重のシールドを張り、外側のシールドを破裂させて破片を飛び散らせる技。グラシアさんが研究していた技。シールドは魔法から防御する技としてしかこの世界では認知されていないとグラシアさんは言っていた。もちろん本にも載っていない。相手は攻撃を受けて、しかし痛そうな顔ではなく、驚いた顔をして尋ねた。
「どこでその技を」
「先輩に教えてもらったんです」
「先輩?」
「そうです」
「先輩の名前は」
「グラシアですよ」
「グラシアだって?わーちょっと待てい!グラシアはどこにいる」
「通信封鎖してます」
「チェルシーとかいうやつ知ってるか」
「グラシアさんがよく言ってましたよ」
「俺がそのチェルシーだ」
疑わしすぎるなぁ、ちょっと信じられない。じゃあなんでここにひょっこり出てくるのかな。
「ひと探しの魔法使ってみろ!グラシアさんの言ってたチェルシー先輩を」
「わかりました」
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
本物っぽい。
「おらぁ!」
「ふごぉ!」
攻撃魔法が自称チェルシーさんに直撃する。そこへ駆けつけて来てくれたのはグラシアさんとアポロさん。
「あれ」
「お」
「わ」
「チェルシー先輩?」
「兄貴」
「久しぶりの挨拶がこれとは、どういうつもりだよ」
「なんだ捕まって寝返ったのか。心配して損したぜ」
「寝返ってないぜ、スパイだ」
「フランクの子分倒れてるじゃん」
「フランクの子分だったのかよこいつ、弱いな。しかしさすがはグラシアの弟子、強いな」
どうやら本当に本人だったらしい。やっと安心した。
「まあでも今は敵同士だからな、よし、グラシア、アポロ、そして・・・・・・」
「ジパングです」
「いい名前だ。かかってこ・・・・・・んぎゃーっ!」
かかってこいと言おうとした瞬間にグラシアさんとアポロさんの執拗な物理攻撃でノックアウト!
「寝返る?」
「寝返る寝返る!、強くなったなぁ二人とも」
チェルシー先輩との再会を先輩ふたりは心から喜んでいた。だから私も嬉しい。だから、おしまい。
「チェルシーのアホおおおおおおおおおお!!!!」
フランクは一人叫んでいた。
見張っていたフランクの部下(弟子?)が報告した。
「どんな感じだ?」
「新人っぽそうです」
「ようし、敵ならぶちのめせ!無所属なら話しかけろ」
「敵のマークをつけてますよ」
「ようし、行け!」
見張りの一人が向かっていく。数が多い方が有利なので私も向かう。走って近づいてみると、なるほど、最低限の装備しかつけていないし、弱そうに見える。
「これでも食らえっ!」
衛星を用意しないで射撃を始めたことに違和感を持つけれど、火力で攻める気のようだ。しかし相手は全てかわす。本当に初心者かと違和感を持つが、既に遅い。魔法?いや、物理攻撃でぶっ飛ばす!
よろよろしながら立ち上がる味方を援護して仲間のもとに連れて帰ろうとするが、まず目の前の相手をどうにかしないといけない。とりあえず相手は初心者じゃなさそうだから、攻撃を与えられたらまずい。という訳で衛星を片っ端から打ち上げる!
超魔法こがね18
間合いは大丈夫。衛星からの情報で相手の動きを正確に測れる。仲間を背負っていて動きは鈍くなってはいるけれど、とりあえず交わし続けて、フランクさんと合流するまで耐える!
・・・・・・動きがない。間合いは少しずつ、詰まってはいるけれど、ほとんど動きはない。魔法力は減少していても、さらに自然に減少することはないから味方の救援はいつまでも待つことができるのだが。
と、その時、最弱の攻撃、星降らしを相手が使ってきた。シールドを使うほどではないので、横に動いてかわす。
「甘いな」
「わわわ」
相手がそこへ突っ込んでくる。はじめからかわすのを想定していた!?殴られたら大変!実際に殴りにかかってくる。物理攻撃を使うのは魔法のエネルギーを使わないで出せるためだけど、この敵のは火力が違う!
背負っていた仲間を盾にして、一撃を回避する。それしかない。とりあえず星を撒く。少しは攻撃を当てられたか。
仲間は簡単にばててしまった。さすがにもう一度盾にしたら再起不能になりそうなので、もう使えない。相手も衛星を打ち上げたかと思うと、途端に自分の衛星の通信が悪くなる。グラシアさんがこんなこともあるかもしれないから覚えていて欲しいとか言っていたような、まさにそんな環境。おそらく妨害されているのかもしれないと思ったので、グラシアさんに教わった手順を使う。自分の衛星を思い切りスピンさせ、それを風で吹き飛ばし敵の衛星を解除させるのだ。
「ふぅむ、それを知ってるのか」
そういって、今度は相手は星を撒く。今度はさっきのを受けて、シールドを張る・・・・・・それだと相手の手にかかっているような気がする。ならば。
「シールドっ」
「甘いっ」
シールドは魔法には強いが、物理攻撃にはあまり強いとはいえない。この人の力なら簡単に破れるだろう。だから、相手が向かってきたら。
「シールド割り」
「なっ?」
二重のシールドを張り、外側のシールドを破裂させて破片を飛び散らせる技。グラシアさんが研究していた技。シールドは魔法から防御する技としてしかこの世界では認知されていないとグラシアさんは言っていた。もちろん本にも載っていない。相手は攻撃を受けて、しかし痛そうな顔ではなく、驚いた顔をして尋ねた。
「どこでその技を」
「先輩に教えてもらったんです」
「先輩?」
「そうです」
「先輩の名前は」
「グラシアですよ」
「グラシアだって?わーちょっと待てい!グラシアはどこにいる」
「通信封鎖してます」
「チェルシーとかいうやつ知ってるか」
「グラシアさんがよく言ってましたよ」
「俺がそのチェルシーだ」
疑わしすぎるなぁ、ちょっと信じられない。じゃあなんでここにひょっこり出てくるのかな。
「ひと探しの魔法使ってみろ!グラシアさんの言ってたチェルシー先輩を」
「わかりました」
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
本物っぽい。
「おらぁ!」
「ふごぉ!」
攻撃魔法が自称チェルシーさんに直撃する。そこへ駆けつけて来てくれたのはグラシアさんとアポロさん。
「あれ」
「お」
「わ」
「チェルシー先輩?」
「兄貴」
「久しぶりの挨拶がこれとは、どういうつもりだよ」
「なんだ捕まって寝返ったのか。心配して損したぜ」
「寝返ってないぜ、スパイだ」
「フランクの子分倒れてるじゃん」
「フランクの子分だったのかよこいつ、弱いな。しかしさすがはグラシアの弟子、強いな」
どうやら本当に本人だったらしい。やっと安心した。
「まあでも今は敵同士だからな、よし、グラシア、アポロ、そして・・・・・・」
「ジパングです」
「いい名前だ。かかってこ・・・・・・んぎゃーっ!」
かかってこいと言おうとした瞬間にグラシアさんとアポロさんの執拗な物理攻撃でノックアウト!
「寝返る?」
「寝返る寝返る!、強くなったなぁ二人とも」
チェルシー先輩との再会を先輩ふたりは心から喜んでいた。だから私も嬉しい。だから、おしまい。
「チェルシーのアホおおおおおおおおおお!!!!」
フランクは一人叫んでいた。
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