天端怪奇伝

湯殿たもと

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天端怪奇伝6

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天端怪奇伝6


今日は半ドンの土曜日。なのにあまり気が晴れない。理由は分かっている、明智いろはのことだ。ひき逃げされて死んだと書かれていたのだが・・・

「何悩んでるのさ久保田」

「ああ、小栗か、ちょっとこんなことがあったんだよ」

俺は小栗に明智のことを話した。出会ったときのこととか、車探してたこととか。そしてひき逃げで死んだという報道。

なんか話しているうちに不安になってきた。俺が話している明智のことなんて結構とんでもない話だからな。俺自身もこれを体験してなかったら信じない。

「この話信じてくれるか?」

「信じるよ、僕が今まで見たなかで一番の真面目な顔してるからね」

「助かるぜ」

「明智さんは・・・久保田が見たのは幽霊じゃないのかなぁ、この前も幽霊みたとか言ってたよね」

「ああ、そうだな。やっぱり明智は幽霊なんだな」

「まだ決まった訳じゃないよ。そのニュースが誤報かもしれないし、同姓同名かもしれないよ」

「んー、それは確率低そうだな」

「幽霊だとしたら、久保田は明智さんをどうしてあげたいのさ」

「この世に未練があるから留まってるんだろ?未練が無くなるようにして、そして成仏させるのがいいんじゃないか?」

「車探してるって言ってたよね。僕も探すの手伝うよ」

「ありがとう。これがナンバーだ」


今日は半ドンなのに演劇部の部長と話すことになっていて少し遅れてしまった。特に待ち合わせたわけでは無いが校門の前で小栗が待っていた。

「ちょっと来てほしいところがあるんだよ」

「いいぞ」


そして連れてこられたのは街中の一軒家。表札は小栗。

「僕の親戚の家だよ、幽霊とかに詳しい人がいるから参考になるかな?と、思ってね」

「いやぁすまんな。わざわざ悪いな」

「いとこなんだけどね、そういうことに目がないからね。あっちも感謝してると思うよ」

中から出てきたのは25くらいの兄さん。

「君が久保田くんだね、話は聞いてるよ。僕は銀次郎のいとこの小栗忠太郎。さあ、上がって」

お邪魔します、と上がって居間に案内された。

「僕は大学でオカルト研究会に入ってたんだ。少しでも助言ができればいいと思ってね」

忠太郎さんは話を続ける。

「僕が思うに、明智さんが探してる車は彼女をひき殺した車。その事件は解決してないんだ」

「何故ひき殺した運転手にお礼をしたがっているのでしょう」

「彼女は無意識に自己防衛をしているのでしょう、本来彼女がしたいのは運転手を呪い殺すこと。でも彼女はひかれたことを思い出さないように無意識に防御している。だから探している目的がわからず、たぶんお礼かなにか、と思い込んでいる」

「・・・なるほど」

「それで、気をつけてほしいのは、もし彼女がその事故のことを思い出したら、・・・消えてしまうかもしれない」

「なんで・・・ですか」

「彼女は死んでいることを知らないで、もしくは忘れてそこにいる可能性が高いんだ。もし、自分が死んでいることをはっきりと認識したなら・・・」

「・・・そういうことか、じゃあ明智には探させない方がいいのか?」

「そういうことだね。でも頭ごなしに否定するのはよくない。出来るだけ興味をそらすようにするんだ」

「・・・わかりました。ありがとう」



続きます。また見てね
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