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天端怪奇伝19(完)
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「しげ君っ助けて!死神がきてるんだよっ!」
「何っ死神だと?」
・・・・・・死神は見えない。いろはが単に怯えて幻覚を見ているのか。いや、本当にいるのか。答えはもちろん本当にいる、ということだろう。いろはがこんな嘘をはずはない。仮に幻覚だとしても、俺がいろはを安心させることができれば幻覚は覚める。行くしかない!久保田義重、男を見せろ!
天端怪奇伝19
「よし、おんぶだ」
「えええっ」
「俺に乗れ、死神から逃げ切ってやる!それでいいだろ?」
「わかった!」
いろはが俺に体重をかける。背負って周りを見る。やはり見当たらない。
「どっちの方向に死神がいるか教えてくれ!俺は前が見えづらいから」
「わかったよ!今はまっすぐ」
「どうだ、奴は」
「追ってくるよ!」
「あっ前からも!」
「くそう!左だ」
見えない敵から逃げるのは難しい。しかし奴らはしっかり来ているようだ。いろはの声の怯えようからわかる。だから俺は見えない敵から逃げ続けなければいけない。
しかしそれじゃじり貧だ。何かしらの死神を追い返す方法を考えなくては。
・・・いちかばちか。辻のところにいってみるか。あいつも人から見えなくて、何者かはわからないが特殊な存在だ。
「追ってくるか?」
「右から来るよ」
左に逃げた先にはいろはの家。
「いろは、自転車あるか?」
「有るよ、ボクのとお母さんの」
二台あるなら好都合だ。これで駅まで行こう。
「あっボクのパンクしてるっ!」
「何っ?!・・・仕方ない二人乗りだ!つかまれっ」
自転車の二人乗りで駅へむかう。出来るだけ速く走りたいがそうすると風の音で指示が聞こえにくくなるのでゆっくり走る。
「わっしげ君前からも来たっあっ避けてっ!」
「避ける!?」
何があるのか分からずに避けられないでいるとズバンっと音がする。タイヤがパンクさせられていた。・・・これはマジのヤバい奴だぞ。
「しげ君左っ」
「左から来たかっ!」
ハンドルを右に切る。パンクしたから難しい。おっとよろける。危ない危な
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
「あ・・・ここどこだ」
白い天井、白い壁。そしてなんか体から伸びる管。・・・点滴、つまりここは病院か?しっかし誰もいねぇな・・・このボタンもしかしてナースコールか!これ一度押してみたかったからな。せっかくの機会だ。連打する。
すぐに看護師が駆けつける。世の中にはこんなに便利で快感があるボタンがあるのか・・・じゃなくて。
「久保田くん」
男の看護師はたまげたような顔をして俺を見る。パンダじゃねーんだよ俺は。看護師が何処かへ行き仲間をつれて戻ってくる。
「いやいや、久保田くん、君は凄い生命力だよ」
白い髭を生やした爺さん(医者か?)が言う。いまいち事態がつかめない。そもそも俺は怪我した記憶がない。それを聞く。
「車に思いっきりはねられたんだよ、それでな」
「そうなのか交通事故ねぇ、で、いろはは、明智さんは」
「誰じゃほい」
「自転車の持ち主ですよ」
「あの美人の奥様かほほほ」
「あー持ち主の娘のほう」
「娘?」
「娘さんがどうかは知らないが、あの現場にいたのはあなたと車の運転手だけでしたよ」
・・・
・・・
それからいろはの姿を見ることはなくなった。幻だったのか?と、思うくらいに、きれいさっぱりと痕跡も残っていなかった。
いろはのお母さんもその日以来いろはを感じられなくなってしまったという。
・・・俺がいろはと出会わなければ、お母さんといろははずっと一緒にいられたんだろうな。・・・俺のせいだ。いろは・・・
・・・
・・・
いろはを殺したのは俺といっても過言ではない。俺が・・・いろはと出会わなければ・・・いろははそのままの暮らしを続けられたんだろうな。
でも、いろはの見せてくれた笑顔。俺と出会えていろはが本当によかったのか本当のことは分からない。けど、あの笑顔を信じたい。
おしまい
「何っ死神だと?」
・・・・・・死神は見えない。いろはが単に怯えて幻覚を見ているのか。いや、本当にいるのか。答えはもちろん本当にいる、ということだろう。いろはがこんな嘘をはずはない。仮に幻覚だとしても、俺がいろはを安心させることができれば幻覚は覚める。行くしかない!久保田義重、男を見せろ!
天端怪奇伝19
「よし、おんぶだ」
「えええっ」
「俺に乗れ、死神から逃げ切ってやる!それでいいだろ?」
「わかった!」
いろはが俺に体重をかける。背負って周りを見る。やはり見当たらない。
「どっちの方向に死神がいるか教えてくれ!俺は前が見えづらいから」
「わかったよ!今はまっすぐ」
「どうだ、奴は」
「追ってくるよ!」
「あっ前からも!」
「くそう!左だ」
見えない敵から逃げるのは難しい。しかし奴らはしっかり来ているようだ。いろはの声の怯えようからわかる。だから俺は見えない敵から逃げ続けなければいけない。
しかしそれじゃじり貧だ。何かしらの死神を追い返す方法を考えなくては。
・・・いちかばちか。辻のところにいってみるか。あいつも人から見えなくて、何者かはわからないが特殊な存在だ。
「追ってくるか?」
「右から来るよ」
左に逃げた先にはいろはの家。
「いろは、自転車あるか?」
「有るよ、ボクのとお母さんの」
二台あるなら好都合だ。これで駅まで行こう。
「あっボクのパンクしてるっ!」
「何っ?!・・・仕方ない二人乗りだ!つかまれっ」
自転車の二人乗りで駅へむかう。出来るだけ速く走りたいがそうすると風の音で指示が聞こえにくくなるのでゆっくり走る。
「わっしげ君前からも来たっあっ避けてっ!」
「避ける!?」
何があるのか分からずに避けられないでいるとズバンっと音がする。タイヤがパンクさせられていた。・・・これはマジのヤバい奴だぞ。
「しげ君左っ」
「左から来たかっ!」
ハンドルを右に切る。パンクしたから難しい。おっとよろける。危ない危な
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
「あ・・・ここどこだ」
白い天井、白い壁。そしてなんか体から伸びる管。・・・点滴、つまりここは病院か?しっかし誰もいねぇな・・・このボタンもしかしてナースコールか!これ一度押してみたかったからな。せっかくの機会だ。連打する。
すぐに看護師が駆けつける。世の中にはこんなに便利で快感があるボタンがあるのか・・・じゃなくて。
「久保田くん」
男の看護師はたまげたような顔をして俺を見る。パンダじゃねーんだよ俺は。看護師が何処かへ行き仲間をつれて戻ってくる。
「いやいや、久保田くん、君は凄い生命力だよ」
白い髭を生やした爺さん(医者か?)が言う。いまいち事態がつかめない。そもそも俺は怪我した記憶がない。それを聞く。
「車に思いっきりはねられたんだよ、それでな」
「そうなのか交通事故ねぇ、で、いろはは、明智さんは」
「誰じゃほい」
「自転車の持ち主ですよ」
「あの美人の奥様かほほほ」
「あー持ち主の娘のほう」
「娘?」
「娘さんがどうかは知らないが、あの現場にいたのはあなたと車の運転手だけでしたよ」
・・・
・・・
それからいろはの姿を見ることはなくなった。幻だったのか?と、思うくらいに、きれいさっぱりと痕跡も残っていなかった。
いろはのお母さんもその日以来いろはを感じられなくなってしまったという。
・・・俺がいろはと出会わなければ、お母さんといろははずっと一緒にいられたんだろうな。・・・俺のせいだ。いろは・・・
・・・
・・・
いろはを殺したのは俺といっても過言ではない。俺が・・・いろはと出会わなければ・・・いろははそのままの暮らしを続けられたんだろうな。
でも、いろはの見せてくれた笑顔。俺と出会えていろはが本当によかったのか本当のことは分からない。けど、あの笑顔を信じたい。
おしまい
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