天端怪奇伝

湯殿たもと

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天端怪奇伝18

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天端怪奇伝18

テスト明けの金曜日。今日はゆっくりいろはと話が出来る。しかも日曜日はまた一緒に出かける約束をしてある。楽しみだ。楽しみすぎてテスト中に計画を練ったくらいだ。

「いろは!」

「しげ君おはよー!」

「テストは乗り切ったぞ!これでたっぷり話が出来るぞ!」

「やったねしげ君!それにさ、もうすぐ冬休みだよ?帰省する日とかは別にして毎日一緒にいられるよっ!」

「最高だ」

「しげ君終業式いつ?」

「二十五日の月曜日」

「いっしょだね」

「絶対に風邪とかひくなよ?ひいたらお仕置きだぞ」

「しげ君こそ気をつけてよ?ボクのお仕置きはくすぐりじゃすまないからね?」

「あっははは」


・・・このノリを学校まで持ち込むのは危険だな。別れたあと急いでクーリングオフ。・・・クーリングオフって別の言葉じゃないか?あれ、クーリングオフってなんだっけ。まあいいや。もう冷めたからな。

学校では返ってくるテストから目を反らしてのんびりと過ごす。まあ、赤点は無かったし、絶対的に見て悪いとは言え古典や歴史はかなり改善したし他も悪くはなっていない。笹川の助けが大きかったんだな。

「見せて」

その笹川がテストを見せてというのでおとなしく見せる。まだ低い、という反応だった。笹川のが頭がいいのは間違えないし俺よりは熱心にやってると思うので当然だ。

「あまり久保田がバカだとその娘に嫌われる」

「ぐぬぬっぅ!言うな・・・だが事実かもな」

うーん、次回は勉強をさらにしなくてはならないな。態度はバカでも何かしら勉強できなくちゃな。・・・態度もバカやめたほうがいいか。

放課後になるダッシュでいろはのところへ。このところテストで長く話せなかったからな。先に行ったところでいろはが早く来ているわけではないということに気がついたのは場所について五分くらい待ってからのことだった。

・・・遅いな。いつもの時間になってもいろはが来ない。補修なのか?いやいや、いろはは幽霊で気がつかれないから補修になることはないはずだ。たぶん。

・・・遅い。どうしたんだろう。今朝あったから休んだ訳ではない。て言うか風邪ひくのかいろは。やたらとさっきから人が通るから余計に来ないのに心配になる。ん?サイレンまで聞こえる。何かあったのか?

「久保田さん大変だよこっちきて!」

知らない女子に手を引かれる。誰だこいつ。そのまま手を引かれてついていってみると交通事故が起きていた。出会い頭で乗用車どうしが激突していた。運転手は双方ともそこまで怪我は酷くないように見えたが救急車で運ばれていく。

・・・・・・

・・・

いろは?

人混みの中にいろはがいる。・・・まずい。今まで少し注意が甘かった。いろはにこの光景を見せたらダメなんだ。

いろはを人混みの中から救出し現場から出来るだけ遠ざける。いろはは無抵抗で、そして涙を流していた。

「しげ君」

「なんだ」

「ボクここにいていいのかな?・・・ぐすっ、閻魔さまのところに行かなくていいのかな」

まずい!

「閻魔さまはいろはのこと呼んでないだろう。呼んでたらもうとっくにいってるだろう」

「・・・そうだよね?ここにいていいんだよね?」

「そうだ。ここにいてくれ。何処か遠いとこに行ったら許さないぞ。俺は連れ戻しにいく」

「ボク、知ってるんだよ、本当は・・・」

「どこにも行くなっ!いろはの居場所はここなんだろ!お母さんと俺と皆がいるここなんだよ!」

「・・・死神が迎えにきてるんだよ・・・助けてしげ君・・・助けて助けて!」


次回最終回です

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