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寄り道戦線異状ナシ!4
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寄り道戦線異常ナシ4
六月七日。金曜日。そーなのかー。
今日はやたらと早く目が覚める。それでいつもより早く家を出たのだが、前を進む人影に見覚えがあった。半信半疑で近づいて声をかける。
「明智さんおはようございます」
「高原さんおはよう」
やはり高原だった。奇遇ですねぇ、と呟いたあとあちらからそういえば、と昨日のことを話してきた。また買い食いが見つかっちゃってと笑う。
「何がいけなかったのでしょうか、はじめからつけられていたのかもしれませんね」
「いっそのこと私服に着替えたらどうかな」
「それって良いですね!明日やってみます!」
彼女には結局「買い食いしない」という選択肢は無いようだった。何がそこまで彼女を駆り立てるのか。
今日はゆっくりと話したせいか結局いつもより遅く学校につく。今日を乗り切れば週末。気合いを入れて授業を乗り切る。長い長い、でも終わってしまえばあっという間だった授業を乗りきると今日は一番くらいで学校を飛び出した。いつもはもたもたしているが金曜日となれば話は別だ。さっさと帰ってゲームでもやろう。
・・・・・・と思ったのだが忘れ物に気がつく。体操着の袋を手に持っていないから急いで引き返す。結局最後の方になってしまった。うぐぅ。
校門を出るとまたもや駆け足。しかし今日の駆け足は追い越すことなく横に並んだ。
「こんにちは、明智さん」
「今日は追われてないんですね」
「準備を万端にしないとチャレンジ出来ませんからね」
高原がそう返す。しかしそれは一人の場合だ。
「それなら俺といってみない?」
「え、でもご予定とかは」
「どうせ暇だし」
そう言うと、近くの大きな通りにあるクレープ屋に向かう。ここのクレープは美味しいと評判で、実際に食べたことあるから解るが、美味い。男子といえども甘いものには目がなくよく食べに来ている。
「制服で歩いているんですけど大丈夫ですか?見つかったりしませんか?」
「見つかったらクレープを俺に渡して他人のふりをすればいい。それか思いっきり走って逃げるか」
「それで大丈夫ですなんですか?」
「たぶん」
結局その日は見つからずに済んだ。美味しいクレープはゆっくりしっかり味わいたい。そして分かれ道。
「また来週会いましょうね!」
「またな」
いつの間にかまた会うことが前提となっている。まあいいか、買い食い楽しいし。
続きます。
おまけ 「ある風紀委員の証言」
「今日も風紀を正すため」
「今日も風紀を正すため」
「学校の誇りを守るため」
「学校の誇りを守るため」
「風紀委員の活動を行います!」
「オー!」
今日も風紀委員の活動が始まった。一年生はお互いのことを知らないため、あまり真面目とはいえない生徒が委員についてしまうこともある。僕も自分では真面目とは思えない。この組織を一年やっていけるのだろうか。
鍵を職員室に預け、この学校の回りを見回る。寄り道など風紀を乱しているという行為を取り締まるのだ。
だがこの活動はいろいろ問題を抱えているという噂。風紀委員が取り締まりと称して気に入らない人を陥れたり、風紀委員自体が買い食いをしたり。この活動に限らず、風紀委員の特権的な立場を利用して無理な要求を通したり、そういうのがあるらしい。だから僕は風紀委員を楽しいと思わないし、誇りとも思わない。
おしまい
六月七日。金曜日。そーなのかー。
今日はやたらと早く目が覚める。それでいつもより早く家を出たのだが、前を進む人影に見覚えがあった。半信半疑で近づいて声をかける。
「明智さんおはようございます」
「高原さんおはよう」
やはり高原だった。奇遇ですねぇ、と呟いたあとあちらからそういえば、と昨日のことを話してきた。また買い食いが見つかっちゃってと笑う。
「何がいけなかったのでしょうか、はじめからつけられていたのかもしれませんね」
「いっそのこと私服に着替えたらどうかな」
「それって良いですね!明日やってみます!」
彼女には結局「買い食いしない」という選択肢は無いようだった。何がそこまで彼女を駆り立てるのか。
今日はゆっくりと話したせいか結局いつもより遅く学校につく。今日を乗り切れば週末。気合いを入れて授業を乗り切る。長い長い、でも終わってしまえばあっという間だった授業を乗りきると今日は一番くらいで学校を飛び出した。いつもはもたもたしているが金曜日となれば話は別だ。さっさと帰ってゲームでもやろう。
・・・・・・と思ったのだが忘れ物に気がつく。体操着の袋を手に持っていないから急いで引き返す。結局最後の方になってしまった。うぐぅ。
校門を出るとまたもや駆け足。しかし今日の駆け足は追い越すことなく横に並んだ。
「こんにちは、明智さん」
「今日は追われてないんですね」
「準備を万端にしないとチャレンジ出来ませんからね」
高原がそう返す。しかしそれは一人の場合だ。
「それなら俺といってみない?」
「え、でもご予定とかは」
「どうせ暇だし」
そう言うと、近くの大きな通りにあるクレープ屋に向かう。ここのクレープは美味しいと評判で、実際に食べたことあるから解るが、美味い。男子といえども甘いものには目がなくよく食べに来ている。
「制服で歩いているんですけど大丈夫ですか?見つかったりしませんか?」
「見つかったらクレープを俺に渡して他人のふりをすればいい。それか思いっきり走って逃げるか」
「それで大丈夫ですなんですか?」
「たぶん」
結局その日は見つからずに済んだ。美味しいクレープはゆっくりしっかり味わいたい。そして分かれ道。
「また来週会いましょうね!」
「またな」
いつの間にかまた会うことが前提となっている。まあいいか、買い食い楽しいし。
続きます。
おまけ 「ある風紀委員の証言」
「今日も風紀を正すため」
「今日も風紀を正すため」
「学校の誇りを守るため」
「学校の誇りを守るため」
「風紀委員の活動を行います!」
「オー!」
今日も風紀委員の活動が始まった。一年生はお互いのことを知らないため、あまり真面目とはいえない生徒が委員についてしまうこともある。僕も自分では真面目とは思えない。この組織を一年やっていけるのだろうか。
鍵を職員室に預け、この学校の回りを見回る。寄り道など風紀を乱しているという行為を取り締まるのだ。
だがこの活動はいろいろ問題を抱えているという噂。風紀委員が取り締まりと称して気に入らない人を陥れたり、風紀委員自体が買い食いをしたり。この活動に限らず、風紀委員の特権的な立場を利用して無理な要求を通したり、そういうのがあるらしい。だから僕は風紀委員を楽しいと思わないし、誇りとも思わない。
おしまい
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