月夜の椿

湯殿たもと

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月夜の椿ネクスト

月夜の椿ネクスト7

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月夜の椿ネクスト7



月曜日。雪は止んで晴れているけど、余計に寒い。かちこちに道が凍りついている。やはり時間に余裕がまったく無いから急がねば。

前方に椿と牡丹とみられる影が見える。あそこまで追い付ければセーフだ。息を切らしておいつくと椿がびっくりしたような目で見る。

「おはよう」

「おはよ」

「おは」

「お?」

「・・・・・・」

短くすればいいというわけではない。椿がひとこと。

「今日の放課後、大丈夫?」

「んあ?」

突然のことで頭が回らない。というかこんなこと聞かれたのは初めてだ。

「暇だぞ」

「今日私の家に来て、あなたに用がある人がくるから」

「今日か」

「都合が悪くても来て」

「強引だな」

俺に用があるのか、しかし椿を介しているというのは不思議だ。おととい愛さんが訪ねてきたことを思い出す。他にもそういう人がいるのだろうか?

学校に着くとおとといの不審者乱入騒ぎはまだ続いていた。会話を聞く限り俺が不審者、つまり愛さんと会っていたことは知られていないようだったが。そういえば愛さんはどこに行ったのだろうか。不審者として通報されているのには間違いないが。しかし、目撃した人のほとんどが学生として認識しているならば、愛さんは捕まることは無さそうだ。

二時間目、なにやら紙がまわってくる。「木戸の次に不審者にやられるのは誰か?」

愛さんが木戸を倒したのは理由ははっきりしないが、俺が目的である以上これから被害者が出ることは無さそうだ。今授業をしている三上と書く。当たれば栗原屋のスペシャルモンブランとあるが、期待はしない。

木戸の授業が自習になったりして、あっという間に放課後。約束どおり椿についていく。牡丹もその話を聞いていたわけだが、不思議そうな顔をする。待て、絶対に俺のが不思議に思ってるぞ。なにかしら事情をしってそうなものだが。

二度目のお宅訪問となった。森の中であたりは静かだが、今日は他にも人の声が。 

「この人がそう?」

「そう、村山つばさ」

「はじめまして」

「はじめまして、私は熱田みなみ、よろしくね」

「よろしく」

熱田は巫女装束にお払い棒(オオヌサ)という古典的な巫女スタイルであった。古典的ではない巫女スタイルがあるのかは知らないけど。

椿と熱田がいろいろ話している(たぶん俺のこと)から、牡丹に熱田のことを聞いてみる。牡丹いわく「騒がしいけどいい人」だという。

「君が何かに取り付かれてる・・・・・・人だよね、ちょっと見せてね」

俺をとりあえず座らせると熱田は俺のまわりをくるくると様子を見る。脈をみたり熱をはかったりする。そして記録を椅子に座って眺める。

「うーん、これは何なのだろうね」

「やっぱりわからない?」

「手がかりが無いわけじゃないから、よく調べれば分かりそうだね。でも今はわからないね、調べてくるよ」

「そう、ありがとう」

「良いって良いって」

そう言って手を振って森の中へ入っていってしまった。まったく躊躇なく入っていったので、あの迷いの森でも迷わないのだろう。その後俺を椿が送ってくれた。

「どうしてこんなに俺に親切にしてくれたんだ?今までそんなに仲が特別良かったわけでもないのに」

「変なものが私にも取りついたら面倒だから。さっさと根絶してしまいたい」

「ふぅん」

俺のためではない。というが、結果的に助けてもらっているんだから何も言うまい。帰り道で愛さんと出会う。大丈夫、何かかわっていたことはない?と心配された。愛さんが普段なにをしているのか気になるが、こんな所でぶらぶらして大丈夫なのかと思ってしまう。


夢。誕生日の四日前になった。貯金はしっかりためてある。無駄遣いをしないようにしなくちゃ。

友達に誘われて公園に遊びに行った。ひとりがサッカーボールを持っていき、さっそくサッカーをやることになった。こちらのゴールはブランコ、相手は滑り台の下。ボールを持って走っていき、まず一点。ていうか二人チームだから守るのが難しい。同点になったから次に点をいれた方が勝ちということにした。ボールが飛ぶ。その先に一人の影があった。


続きます。

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