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狼の巫女 全国版 2 東京とふるさと
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狼の巫女 全国版 2
本来は静かな山村、集落に食堂が一件しかないようなところに大量のマスコミ、生物学者、環境保護団体、そしてやじうま。それらが押し寄せた。
「ここが狼を祀る神社だからな。マスコミとかはおそらくここを取材したいと思ってるんだろう」
薫くんが発言する。確かにそうだ。狼が何処にいるかはともかくテレビとしては話題づくりにここを選ぶだろう。
「あまりここでマスコミとかを拒否し続けるとよくないな。取材を受けてみたらどうか
な」
「良いんじゃないか、雪音はどうだ」
「賛成だよ、やってみよう」
「わふ」
賛成多数で実行が決まった。神社に入り浸ってる三匹の狼を奥の部屋に雪香と俺で見張っていることにする。人の言葉がわかるらしいけど、それに従うわけではない、というめんどくさい狼だという。
雪音ちゃんと薫くんは格好を整え始め、爺やと天野はお茶を準備し始めた。準備がちょうど整う頃、神社の事務所(ここ)の扉が叩かれる。
「記者?」
「はい。浅卑新聞です」
「そっちは」
「稗貫新聞です」
「不来方新聞です」
「それじゃまず地域の新聞社だけはいって、全国紙はあとあと」
雪音はどういう整理してるんだ?ちなみに奥の部屋から玄関の音が聞こえるのは監視カメラに録音機がついてるからだ。用心してるな。
「ここの神社は遥か昔三百年前、この付近に初めて人間が入ったときからありまして、この付近に棲む動物たちに敬意を払うため、そして山の神様を鎮めるために作られたものであります。神の使いである狼を・・・」
神社の成り立ちをすらすら説明し始めた。三百年か。長いなぁ。僕の家はまだ二百年も行ってない。
雪音は神社とこの村の成り立ちから祭りなどの年中行事のことも話した。記者から肝心の質問をされる。
「狼は近年、絶滅したと考えられていますが、この村の付近で目撃情報がありました。狼を祀る神社の巫女として、いかがお考えでしょうか」
「見たこと無いけど、いてほしいね。でも神様の使いだから、無理やり山を荒らして探したり、捕まえたりするのは良くないと思う。そう書いてほしいね、新聞に」
「ありがとうございます!」
普段の雪音と比べて三割増しの丁寧さで会見を終える。
「狼の巫女なのに被ってるのは猫だな」
一匹の黒い狼がしゃべる。何ですんなりと狼がしゃべってるのかは分からないけど、今騒いだら不味いので黙っておこう。
さて、次に全国紙のマスコミが入ってくる。浅卑のほかに曖昧日新聞も加わった。さて、分けた真意は。
「狼はいるんでしょうか」
直球の質問を投げ掛ける。
「何で私が知ってると思うのかね、見たことなければいるもいないも解らないだろう」
説教を始めた。うーむ、確かに猫を被ってるな。まあ普段はこっちだから問題はないと思うけど。
「いきなり狼はいるかいないかなんて失礼でしょ、まああんたらにはこの神社がどういう成り立ちで、とかそんなの関係ないんでしょ、狼の情報だけ欲しい。違うかね?
さっきの地元の新聞社だってそんなの興味無いだろうけど、その余計な情報まで聞いてくれたよ、さ、あんたらは余計な情報を聞く気無いみたいだしさっさと新幹線で帰りな」
これが演技なのか、素で切れてるのかは分からないけど、まあ、風格ある。流石三百年続いた神社の巫女。
続く。
本来は静かな山村、集落に食堂が一件しかないようなところに大量のマスコミ、生物学者、環境保護団体、そしてやじうま。それらが押し寄せた。
「ここが狼を祀る神社だからな。マスコミとかはおそらくここを取材したいと思ってるんだろう」
薫くんが発言する。確かにそうだ。狼が何処にいるかはともかくテレビとしては話題づくりにここを選ぶだろう。
「あまりここでマスコミとかを拒否し続けるとよくないな。取材を受けてみたらどうか
な」
「良いんじゃないか、雪音はどうだ」
「賛成だよ、やってみよう」
「わふ」
賛成多数で実行が決まった。神社に入り浸ってる三匹の狼を奥の部屋に雪香と俺で見張っていることにする。人の言葉がわかるらしいけど、それに従うわけではない、というめんどくさい狼だという。
雪音ちゃんと薫くんは格好を整え始め、爺やと天野はお茶を準備し始めた。準備がちょうど整う頃、神社の事務所(ここ)の扉が叩かれる。
「記者?」
「はい。浅卑新聞です」
「そっちは」
「稗貫新聞です」
「不来方新聞です」
「それじゃまず地域の新聞社だけはいって、全国紙はあとあと」
雪音はどういう整理してるんだ?ちなみに奥の部屋から玄関の音が聞こえるのは監視カメラに録音機がついてるからだ。用心してるな。
「ここの神社は遥か昔三百年前、この付近に初めて人間が入ったときからありまして、この付近に棲む動物たちに敬意を払うため、そして山の神様を鎮めるために作られたものであります。神の使いである狼を・・・」
神社の成り立ちをすらすら説明し始めた。三百年か。長いなぁ。僕の家はまだ二百年も行ってない。
雪音は神社とこの村の成り立ちから祭りなどの年中行事のことも話した。記者から肝心の質問をされる。
「狼は近年、絶滅したと考えられていますが、この村の付近で目撃情報がありました。狼を祀る神社の巫女として、いかがお考えでしょうか」
「見たこと無いけど、いてほしいね。でも神様の使いだから、無理やり山を荒らして探したり、捕まえたりするのは良くないと思う。そう書いてほしいね、新聞に」
「ありがとうございます!」
普段の雪音と比べて三割増しの丁寧さで会見を終える。
「狼の巫女なのに被ってるのは猫だな」
一匹の黒い狼がしゃべる。何ですんなりと狼がしゃべってるのかは分からないけど、今騒いだら不味いので黙っておこう。
さて、次に全国紙のマスコミが入ってくる。浅卑のほかに曖昧日新聞も加わった。さて、分けた真意は。
「狼はいるんでしょうか」
直球の質問を投げ掛ける。
「何で私が知ってると思うのかね、見たことなければいるもいないも解らないだろう」
説教を始めた。うーむ、確かに猫を被ってるな。まあ普段はこっちだから問題はないと思うけど。
「いきなり狼はいるかいないかなんて失礼でしょ、まああんたらにはこの神社がどういう成り立ちで、とかそんなの関係ないんでしょ、狼の情報だけ欲しい。違うかね?
さっきの地元の新聞社だってそんなの興味無いだろうけど、その余計な情報まで聞いてくれたよ、さ、あんたらは余計な情報を聞く気無いみたいだしさっさと新幹線で帰りな」
これが演技なのか、素で切れてるのかは分からないけど、まあ、風格ある。流石三百年続いた神社の巫女。
続く。
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