生徒会の仕事はVRMMOでした

くもつき

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一章

サービス開始

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 ~始まりの街~

 ゲームの中で初めて目に入ったのは噴水と溢れんばかりの人だった。

「なんなんだ…この人混みは…。」

 サービス開始直後はプレイ人口が爆発的に増えてメンテナンスのオンパレードなんて事もあるくらいだしな。
 サーバーダウンしなかっただけ良かったと考えよう。

 人混みは苦手なんだよなぁ。まずはここを離れよう。

 休日のU○Jのような人混みを抜けた僕は裏路地に入り足を止めた。

「4人と合流しなきゃだけど、まずはステータスだよな!」

 初めてのゲームでの初めてのステータス確認。
 このワクワク感はどの状況であっても変わらない。

「どうやって見るんだろ…ステータス…うわっ!」

 目の前にウィンドウが現れた。

 えっと



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 シン

Lv.1     無職

HP(体力)       140
MP(魔力)       40


スキル
※まだスキルを取得していません※

称号

器用貧乏  スキル適性全開放。しかし、スキルLvの最大値が5になり、MAXボーナスも得られなくなる。
※この称号は付け替え出来ません※

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 ステータスは基準が分からないけど、現実のステータスを参考にしてるのかな。身体データがなんちゃらって言ってたし。

 器用貧乏の方は…………は?

 なんなんだこの称号。付け替え出来ない?ボーナスが得られない?
 クソ称号じゃないか!
 確かに僕はよく器用貧乏だと言われる。だからと言ってこれは無いだろ…。



「シン!やっと見つけた。もうみんな集まってるよ。…ってどうしたの?」

 大通りからナオキが話しかけてくる。が、僕の辛さは変わらない。

 始めたてのVRMMOで友達と出会うという一大イベントよりこのクソ称号が付いたって事の方がインパクトが強い。

 この2つを比べようってなら熊と小鳥くらい差があるな。

「後になれば僕が悲しんでる理由が分かるよ…。」
「う、うん。」

 涙を流すモーションとかあるのかな。あったら出ちゃうから困るんだけどね。




「あー!シン!」
「お前どこ行ってたんだよ!」
「見つかって良かったわ~。」

 ヒトミ、レン、ノゾミが話しかける。
 あったけぇ。あったけぇよ…。
 こいつらが居なきゃ僕はこのゲームをここで辞めていたかもしれない。

「じゃあとりあえずステータス見せ合いっこしようか。」

 ナオキ、それは地雷だ。俺の心が死ぬ。
…あれ?心做しかみんなの顔が沈んでるような…?

「見せなきゃ、ダメ?」

 ヒトミが躊躇う。まさかヒトミも俺と同じような称号が…!?

「うーん。でも見せあった方が攻略に幅が出ていいと思うんだけど…。」

「わかった。じゃあ見せるね。」

 意外とすんなりokを出した。僕見せたくないんだけどなぁ…。

「じゃあせーので見せようか!」
「「「「「せーの!」」」」」




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ヒトミ

Lv.1     無職

HP(体力)       120
MP(魔力)       50


スキル
鑑定(ユニーク) 1/1

称号
※まだ称号を獲得していません※

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ナオキ

Lv.1     無職

HP(体力)       135
MP(魔力)       35


スキル
※まだスキルを取得していません※

称号
人望 この称号を持っていると人から尊敬されやすくなる。しかし、このスキルの持ち主にはこの称号の効果を認識する事は出来ない。
※この称号は付け替え出来ません※

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ノゾミ

Lv.1     無職

HP(体力)       115
MP(魔力)       55


スキル
※まだスキルを取得していません※

称号
幸運の持ち主 運が良くなる。しかし、このスキルの持ち主にはこの称号の効果を認識する事は出来ない。
※この称号は付け替え出来ません※

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レン

Lv.1     無職

HP(体力)       150
MP(魔力)       20


スキル
※まだスキルを取得していません※

称号
運動神経抜群  この称号を持っているとどんな武器でも最低限扱えるようになる。しかし、極める為にはひとつに絞る必要がある。
※この称号は付け替え出来ません※

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 やっぱりそれぞれステータスが違うな。身体データを参考にして初期ステを決めてるのかな。

 そんな事より…みんなめちゃくちゃいいじゃないか!
 それに比べて何だ!このクソ称号は!

「良かった~私だけじゃなかったんだ、変なモノ持ってるの。」

「ウチのは良いのかなぁ?運が良くなるって曖昧な効果。」

「僕も微妙だね。現状で1番強そうなのがレンだね。狩りの時はレンに任せっきりになるかも。」

「俺はよくこういうことよく分からないから狩りくらいは役に立たなきゃな。」

「シンにも変わった称号が付いてるんだね。効果の程が分からないけど使い様によっては化けるかもね。そんなに悲しむ事無いんじゃないかな?」

 おお、ナオキ…!俺のクソ称号にも価値を見出してくれるのか!人望の称号は伊達じゃないな。

「じゃあそれぞれのステータスも確認したところで冒険者ギルドに向かおうか!チュートリアルでもそこに向かえってなってるしね。」

 チュートリアルなんてものあったのか…。ゲームは説明書読まない派なんだよな…。

「それじゃ!出発進行!」

 ヒトミの掛け声と共に、僕達は冒険者ギルドへと向かった。
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