未来郵便

R3号

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「拝啓、十二年前の僕へ。」

いつも通りの書き出しで始まったその手紙の内容はいつもと違う事が書かれていた。

「僕へ手紙を書き始めてかなりの時間が経ったな。そろそろ夏休みも終わる頃か。羨ましいよ、夏休み。」

「さて、どうして僕が君に手紙を出しているかを教えていなかったね。それは、僕の今とも言える君の将来の話をしてあげたくて手紙を書いたんだよ。」

「今の君はとても将来について悩んでいるよね。とてもよく覚えている。周りの友人達の夢の話を聞いて自分と比べてしまったりして進路の事も考えて頭がいっぱいになってしまっている。」

「そんな君にアドバイスと言うか、今の僕の考えを少し話そうと思う。」

僕は背筋が自然と伸びていた。


「君の将来、僕の今は君が思うほど悪くないよ。具体的に何がどうなっているのかは言わないでおくが、心から大切だと思える人達に囲まれてここに居たいと思える環境にいられている。」

「そんな風に思えるのはずっと僕が「今」を大切にしようとして来たからだと感じるよ。将来の不安や環境の変化、周りとの関係、どんな時もいろんな不安があるけれど、そんな所も含めて自分の「今」を愛して大切にすることで未来の自分を作っていくんじゃないかと思うよ。」

「今の君には、それこそ多くの不安がのしかかっているかも知れない、将来もよく見えていないかもしれない。遠くばかりを見ようとしているから今自分の周りにある素晴らしいものに気がつけないのかもね。」

「もう一度。今の自分と周りをよく見つめて大切にして欲しい。そうすればきっと君の探しているやりたい事、欲しいもの、色んなものに気がつく事ができると思うよ。」

「なんかハッキリとしたアドバイスにはなってない様な気がするけど、伝わっているはず。君は僕だからね。それじゃ今を大切に頑張れ。」
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