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5. 平穏な日々を送りたい。
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あの事件から一週間に2回はセイが来るようになった。
その都度俺は体調が悪いという見え透いた嘘を並べてなんとか会うことを回避しているが3周目にもなると流石に厳しいものがある。
一応あっちも由緒正しい家系である。そんなやつを何度も何度も追い返すことはできない。
ひとまず2人きりにならなければなんの問題もないだろうと思い専属メイドのイリアに一緒に居てもらうようにお願いした。
「やぁ!リア。今日も可愛いね。」
はぁ。こいつはなんでそんな小っ恥ずかしいことをサラッと言えるのか…
この顔が可愛いことは知っているが男に言われても嬉しくはない。
「こんにちは。今日は何の用で?」
紅茶を飲みながらそう問いかける。
「ただリアに会いにきただけだよ!」
「そうですか。騎士になるための稽古はいいのですか?」
「午前中に終わらせてきたんだ!リアに会うために…」
「僕はもう少ししたらお勉強の時間になりますのであまり長くはお話できません。」
「いいんだよ!少しでも会いたいだけだからさ!」
あぁ!もう!早く帰れって言ってるのが通じねぇーのかよ!
さっさと飲むもん飲んで帰れよ!
それから一時間中身のない話をしてセイは帰って行った。
本格的に面倒になってきた。ここはあいつに嫌われるように仕向けて自分から離れてもらおう。
確かあいつの性格は…弱そうな奴を守りたいと思う傾向にあった。
逆に強気で堂々とした奴はあまり好まない性格で、更に自分に何かと突っかかってくる奴は苦手の部類に入っているはずだ。
次に会うときはそれを取り入れて積極的に嫌われにいこう‼︎
そう決心し今日から始まる家庭教師によるお勉強に向かう。
客室から出て自分の部屋に向かっていると前から見慣れない若い男が俺の部屋の前にあることに気づいた。
そいつを凝視しながら歩いているとその若い男はこちらに気づいたのか深いお辞儀をした。
それにつられ俺も警戒心を解き軽いお辞儀をする
「坊ちゃん!始めまして私今日から坊ちゃんの家庭教師となりましたランディーと申します。これからよろしくお願いします!」
「ランディー先生!初めまして、ハイデス・リアフォード言います!未熟者ですがよろしくお願いします!」
いい先生のようで良かった!これからどんな事を学ぶのか楽しみでしかたがない!
元々俺は勉強はできる方だからな!
自己紹介も終え早速授業に入る。
ん?この内容…ゲームを始めるオープニングエピソードとまるっきり同じだ。もちろん内容は全て頭に入っている。
ということは…俺この世界では天才級に頭がいい部類になるのでは?
授業終わりに小テストのようなものを渡された。俺が授業の内容を理解しているか、どこまでの知識があるのか試すものなのだろう。全て頭に入っている内容なのでなんの迷いもなく解き終えることができた。
空欄を全て埋めて提出するとランディーも驚いたのか口をあんぐり開けていた。
そりゃそうか今日習ってないことま多くあるのに満点を叩き出すとは予想もしてなかったんだろう。
「坊ちゃん!坊ちゃんは天才なのですか?!こんなに難しい内容も解くなんて…坊ちゃんには基礎内容から応用まで全て理解しているようですね…私は必要ないのかもしれないですね…。一度ご主人と話し合いをしますので今日のお勉強はここまでと致します!お疲れ様でした!」
そう言って小走りで父上の元へと向かって行った。
来てもらったのになんだかすまないなぁ…
お勉強が終わり特にやることもなかったので今日はもう部屋で休むことにした。
なんだかゲームの内容を知っているだけでなんとか乗り越えていけそうな気がしてきた。
しかしそんなに現実は甘くなかった。
もう少しして思い知らされることとなる…
その都度俺は体調が悪いという見え透いた嘘を並べてなんとか会うことを回避しているが3周目にもなると流石に厳しいものがある。
一応あっちも由緒正しい家系である。そんなやつを何度も何度も追い返すことはできない。
ひとまず2人きりにならなければなんの問題もないだろうと思い専属メイドのイリアに一緒に居てもらうようにお願いした。
「やぁ!リア。今日も可愛いね。」
はぁ。こいつはなんでそんな小っ恥ずかしいことをサラッと言えるのか…
この顔が可愛いことは知っているが男に言われても嬉しくはない。
「こんにちは。今日は何の用で?」
紅茶を飲みながらそう問いかける。
「ただリアに会いにきただけだよ!」
「そうですか。騎士になるための稽古はいいのですか?」
「午前中に終わらせてきたんだ!リアに会うために…」
「僕はもう少ししたらお勉強の時間になりますのであまり長くはお話できません。」
「いいんだよ!少しでも会いたいだけだからさ!」
あぁ!もう!早く帰れって言ってるのが通じねぇーのかよ!
さっさと飲むもん飲んで帰れよ!
それから一時間中身のない話をしてセイは帰って行った。
本格的に面倒になってきた。ここはあいつに嫌われるように仕向けて自分から離れてもらおう。
確かあいつの性格は…弱そうな奴を守りたいと思う傾向にあった。
逆に強気で堂々とした奴はあまり好まない性格で、更に自分に何かと突っかかってくる奴は苦手の部類に入っているはずだ。
次に会うときはそれを取り入れて積極的に嫌われにいこう‼︎
そう決心し今日から始まる家庭教師によるお勉強に向かう。
客室から出て自分の部屋に向かっていると前から見慣れない若い男が俺の部屋の前にあることに気づいた。
そいつを凝視しながら歩いているとその若い男はこちらに気づいたのか深いお辞儀をした。
それにつられ俺も警戒心を解き軽いお辞儀をする
「坊ちゃん!始めまして私今日から坊ちゃんの家庭教師となりましたランディーと申します。これからよろしくお願いします!」
「ランディー先生!初めまして、ハイデス・リアフォード言います!未熟者ですがよろしくお願いします!」
いい先生のようで良かった!これからどんな事を学ぶのか楽しみでしかたがない!
元々俺は勉強はできる方だからな!
自己紹介も終え早速授業に入る。
ん?この内容…ゲームを始めるオープニングエピソードとまるっきり同じだ。もちろん内容は全て頭に入っている。
ということは…俺この世界では天才級に頭がいい部類になるのでは?
授業終わりに小テストのようなものを渡された。俺が授業の内容を理解しているか、どこまでの知識があるのか試すものなのだろう。全て頭に入っている内容なのでなんの迷いもなく解き終えることができた。
空欄を全て埋めて提出するとランディーも驚いたのか口をあんぐり開けていた。
そりゃそうか今日習ってないことま多くあるのに満点を叩き出すとは予想もしてなかったんだろう。
「坊ちゃん!坊ちゃんは天才なのですか?!こんなに難しい内容も解くなんて…坊ちゃんには基礎内容から応用まで全て理解しているようですね…私は必要ないのかもしれないですね…。一度ご主人と話し合いをしますので今日のお勉強はここまでと致します!お疲れ様でした!」
そう言って小走りで父上の元へと向かって行った。
来てもらったのになんだかすまないなぁ…
お勉強が終わり特にやることもなかったので今日はもう部屋で休むことにした。
なんだかゲームの内容を知っているだけでなんとか乗り越えていけそうな気がしてきた。
しかしそんなに現実は甘くなかった。
もう少しして思い知らされることとなる…
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