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7. 攻略対象とヒロイン
しおりを挟む目が覚めるとちょうど入学式が終わる直前だった。
相変わらず横にいる奴はニヤニヤとしていてイケメンというよりむしろ変態寄りだ。
「あ。おきた?リア」
起きた事に気づいた変態はニヤニヤしてる顔に更に顔の周りにバラを咲かせたような笑顔を向けてきた。
もつなんならコイツのことを変態さんと呼ぶようにしよう。
いや。さん付けもいらないか。
「お前がなんか薬盛ったんだろう。変態野郎」
「変態野郎だなんて。ひどいなぁリア。いつからそんな口が悪くなったんだ…でも今の雰囲気の方が俺は好きだけどね。」
うわぁ…なんかコイツのキモさが増してるような…
そんな会話をしていると入学式の全て項目が終了し解散となった。
午後からは校舎の案内とクラス分けの発表、クラスメイトとの顔合わせがあるようだ。
早速俺はすきあらば触ってこようとする変態をかわしながらクラス分けの結果が張り出せれている広場の掲示板へ向かう。
それにしても変態野郎がうざい。
前に人がいたとも知らず変態野郎に暴言を吐きながら歩いた。
もうコイツに敬語や優しさを向ける必要なんてさらさら感じない。
「いい加減離れろ!このくそ野郎!」
そう言い捨ててパッと前を向くとそこには肩を振るわせてお腹を抱えている長身の男が居た。きっと俺たちの会話を聞いていたんだろう。
なんだか居た堪れなくなりそそくさとその場を去ろう走り出した瞬間後ろから腕が掴まれた。
またあいつかと思い怒りを込めた顔で振り向くと俺の腕を掴んでいた男は予想と違ってついさっき俺たちの目の前で肩を振るわせていた男だった。
「ねぇ。君なかなか面白いね!」
そう言って先ほどとは違い大声で笑う。
「あの。すみませんが手、離してくれません?」
そう言って男の顔をキッと睨んでやると…これまたなんの嫌がらせか攻略対象2人目、後々学園の会計となる奴だった。
なんて事だ。なぜこんなにも会いたくないやつに会うのだろうか。
こいつは老若男女問わず色々な人とヤルタイプのヤリチンだ。
俺の顔はザ・美少年の顔から変わらずそれに加えて身長も160センチと小さめだ。
まさに狙って下さいと言っているようなものだ。
「ねぇ。君今夜暇?良かったら俺と遊ばない?」
「いえ。すっごく忙しいので。ごめんなさい。」
食い気味でそう言い走り去ろうとしたが思いの外強い力で腕を掴まれていたので脱出する事に失敗した。
「あの!本当に急いでるので離して下さい。」
「えぇ~どうしよっかなぁ~…あ!君が今夜遊んでくれるって言うなら今この手を離してあげてもいいけど?」
どいつもコイツもしつこいやつばっかでイライラする。
なんなんだ。この攻略対象のしつこさは!
こうなったらもう必殺技をお見舞いしてやろう…。
勢いよく足を振り上げる。
目の前の男が倒れ込んだ。大事なところを押さえて。
「ほんとごめんなさい。」
ちょっと勢いつき過ぎたかなーなんて思いながらも自業自得だと自分に言い聞かせたがあまりにも痛そうだったのでとりあえず形だけ反省する事にした。
少し顔を上げこちらを見上げた顔色はあまり良くは無かったが何か言われる前にその場を去る事にした。
自業自得だ。うんうん。
それにしてももうそろそろヒロインを見かけてもいい頃なのに一向に現れない…。
早くしてくれないかなぁ…
早くゲームから出て妹に会いたい…
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