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答えは分からない。それでも……
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「……ふぅ、少し落ち着いた」
あの後、モルクの最後の煽りにより、少しだけ暴走してしまったが、なんとか落ち着かせることに成功した。
「…とりあえず、まずはこの人達を保護しないとな」
奴を追うことも考えたが、やめておいた。
同情ではない、だがここで奴を殺すのは違うとなぜだが本能が叫んだのだ。
それなら今、俺がするべきことは……ペレク家により使われていた盗賊達に攫われたであろう人たちを保護すること。
そう思うや否や俺はその人達に近づいていく……のだが。
「……あー、そりゃあそうか」
やっぱり怖がられるよね、あんなもの見せられたら。だってなんか凄く泣いてるもんね、それに事切れたように倒れている人いるもんね。
「あ、あの「う、うぅ…ひっぐ…」……あ、あはは……」
……うぅ、こんな嫌われるものなのかな?
流石に傷ついちゃうよ?
でも、何故だか怖がってるよりも……安堵してるような、そんな感じが……いかん、余計なことを考えてしまった。
「あの!もう大丈夫ですからね!しっかりと街まで送り届けますから、安心して……」
『うわぁああああああああん!!!!』
「…え、えぇ…?」
そんなこと言ったらさらに大号泣してしまった。泣きながら抱き合ってる人達もいれば、「よかった……よかったぁ……」と言いながら手で顔を隠しながら涙を流してる人もいる。
そういえば、この人たちも原作では全員死んじゃうんだったな。
だから、助けることが出来ることが良かったと本当なら考えるべきなんだけど……。
「……俺、泣いちゃうよ?」
…………この時の俺は、何故だかそんなことを言ってしまう。
さっきの戦いの影響なのか、元々悪役というレッテルで生きている影響なのか……何故だか悪く捉えてしまうのだ。
「……はぁ、どうしてこんな……」
深いため息を吐きながら、ひとまず彼女達を街に届けるためにもう一踏ん張り頑張ることにした。
◇
どこかの暗い森の中。
そこに一人の…一体の魔族がいた。
「……はぁ……はぁ………ゔっ……」
限界とも言えるその身体をなんとか引きずりながら、アクセルから遠くから離れようとしている姿があった。
「は、ははは……最後にアクセル様にあんなこと言ったのに……これじゃあ、もう無理っすね」
もう自分の身体が機能しないと分かったのだろう、モルクは自身の背後にある木にもたれかかるように苦しそうに座った。
「……アクセル様……貴方は、すごい、すね……まさか、全部守りきるとは……いや、正確には、貴方達って言った方が、いいっすかね?」
モルクから出たのは称賛の言葉。
ペレク家の協力という物がありながらも、自身の計画を打ち砕くように彼らはあそこを守り抜いたのだから。
「はぁ……はぁ……け、計画を悉く、潰されたから、ムキになって、あんなことを言いましたが……一泡、吹かせたっ……すね」
思い出されるのは彼に向かって吐いた虚言。
【最初は裏切るつもりなんてなかったすよ?】
「……は、はは。最初から裏切るつもりで動いたなんて言ったら……負けたようで悔しいじゃないですか……ゔぅ……」
彼の目に映ったのは、今も自身の身体から流れている少なくない血の量。
それは自分の命が長くないとでも宣言されてるような気がした。
「はぁ……はぁ……アクセル、様……」
そして彼は勝利の女神が降臨するかのように晴れ出している空を見ながら……最期の言葉を呟いた。
「団長に、伝えてください……辞職させていただきます……と………………」
ウィンドブルムのメンバーと過ごした記憶を思い出しながら……そのまま彼の灯火は静かに消え去った。
◇
「ッ!……なんだ?」
一瞬、誰かが呼んでいる気がした俺は後ろを振り向くが……そこにあったのは静かに吹いている風の音だけ。
「……早く、帰らないと」
そう言ってレステンクール領の街まで転移させた人達を送った後、俺は今も意識を取り戻してないソフィアを抱き抱える。
「んと……軽いな」
まさかここまで軽いとは思わず、少しびっくりしてしまうのと同時に罪悪感が芽生える。
俺の勝手な行動で皆傷ついちゃったかもしれないもんな…‥守るためとはいえ。
そう思いながら、ソフィアを俺の背中に乗せて血溜まりが残っている洞窟から抜け出していく。
「……未来を変える責任、か」
それ自体、深く考えたことはなかった。
でも、今考えてみれば…とても重要な事なのだとと理解できる。
現にここで死ぬはずの運命であったマリア、マエル、アルマンや多くの騎士達。
自殺する運命であったジーク。そして……ここで盗賊達に弄ばれる運命であったリアーヌとソフィア。
彼らは全員、その運命を覆して見せた。
そしてその悲劇になるはずだった運命を変えさせたのは……俺自身だ。
とても喜ばしいことなのかもしれない。家族の、大切な人たちの未来を俺は守り抜いたのだから。
…だが、同時にそれとは別の運命を俺は生み出してしまった。
「……それが、モルクという存在……なのか」
……分からない。そもそもあれが本当のことを言ってるのか、それとも嘘だったのかさえ……だが、少なくとも奴は俺の前に立ち塞がった。
「……モルク……君は一体……なんだったんだ?」
その言葉が返ってくることはない。
だが、彼はこう言ってる気がした。
「……俺は、俺ですよ……か」
嘗て混沌の魔女の件でアルマンから聞かれたその質問に対する俺の答えと全く同じだった。
未来を変える。
それは単純なもののようで重い、もしかしたら神でさえも許されざる行為なのかもしれない。
……でも守りたかった物があった。
それが、俺の信念であり、今を生きる理由だ。
彼にも、モルクにもそんな信念みたいなものがあったのかもしれない。
それがどんなものであれだ。
「……何かを得るには、何かを捨てなければならない」
洞窟を出て、青く光始めている空を眺めながらそんな言葉を言う。
モルクが言っていた、そのために生み出される代償の数々。
それが、今の結果だ。
……でも俺は、やっぱり思ってしまう。
たとえこの行動が許されなくても、その行動が間違ってたとしても……みんなを、守れてよかったのだと。
「……帰ろう、みんなが待ってる」
俺は再び飛行《フライ》を使って空を飛ぶ。
……結局のところ、未来を変えるという事がいいのか悪いのか……それに対する答えは分からないけど……今はみんなのことを守り抜けたという喜びに浸ろう。
「……う、うぅ……」
その時、後ろから呻き声が聞こえてきた。
あぁ、きっと怒られるだろうな、きっと泣かれるだろうな、もしかしたら嫌われるかな?
そんなことを考えながら俺は後ろに目をやる。
「……ソフィア」
あの後、モルクの最後の煽りにより、少しだけ暴走してしまったが、なんとか落ち着かせることに成功した。
「…とりあえず、まずはこの人達を保護しないとな」
奴を追うことも考えたが、やめておいた。
同情ではない、だがここで奴を殺すのは違うとなぜだが本能が叫んだのだ。
それなら今、俺がするべきことは……ペレク家により使われていた盗賊達に攫われたであろう人たちを保護すること。
そう思うや否や俺はその人達に近づいていく……のだが。
「……あー、そりゃあそうか」
やっぱり怖がられるよね、あんなもの見せられたら。だってなんか凄く泣いてるもんね、それに事切れたように倒れている人いるもんね。
「あ、あの「う、うぅ…ひっぐ…」……あ、あはは……」
……うぅ、こんな嫌われるものなのかな?
流石に傷ついちゃうよ?
でも、何故だか怖がってるよりも……安堵してるような、そんな感じが……いかん、余計なことを考えてしまった。
「あの!もう大丈夫ですからね!しっかりと街まで送り届けますから、安心して……」
『うわぁああああああああん!!!!』
「…え、えぇ…?」
そんなこと言ったらさらに大号泣してしまった。泣きながら抱き合ってる人達もいれば、「よかった……よかったぁ……」と言いながら手で顔を隠しながら涙を流してる人もいる。
そういえば、この人たちも原作では全員死んじゃうんだったな。
だから、助けることが出来ることが良かったと本当なら考えるべきなんだけど……。
「……俺、泣いちゃうよ?」
…………この時の俺は、何故だかそんなことを言ってしまう。
さっきの戦いの影響なのか、元々悪役というレッテルで生きている影響なのか……何故だか悪く捉えてしまうのだ。
「……はぁ、どうしてこんな……」
深いため息を吐きながら、ひとまず彼女達を街に届けるためにもう一踏ん張り頑張ることにした。
◇
どこかの暗い森の中。
そこに一人の…一体の魔族がいた。
「……はぁ……はぁ………ゔっ……」
限界とも言えるその身体をなんとか引きずりながら、アクセルから遠くから離れようとしている姿があった。
「は、ははは……最後にアクセル様にあんなこと言ったのに……これじゃあ、もう無理っすね」
もう自分の身体が機能しないと分かったのだろう、モルクは自身の背後にある木にもたれかかるように苦しそうに座った。
「……アクセル様……貴方は、すごい、すね……まさか、全部守りきるとは……いや、正確には、貴方達って言った方が、いいっすかね?」
モルクから出たのは称賛の言葉。
ペレク家の協力という物がありながらも、自身の計画を打ち砕くように彼らはあそこを守り抜いたのだから。
「はぁ……はぁ……け、計画を悉く、潰されたから、ムキになって、あんなことを言いましたが……一泡、吹かせたっ……すね」
思い出されるのは彼に向かって吐いた虚言。
【最初は裏切るつもりなんてなかったすよ?】
「……は、はは。最初から裏切るつもりで動いたなんて言ったら……負けたようで悔しいじゃないですか……ゔぅ……」
彼の目に映ったのは、今も自身の身体から流れている少なくない血の量。
それは自分の命が長くないとでも宣言されてるような気がした。
「はぁ……はぁ……アクセル、様……」
そして彼は勝利の女神が降臨するかのように晴れ出している空を見ながら……最期の言葉を呟いた。
「団長に、伝えてください……辞職させていただきます……と………………」
ウィンドブルムのメンバーと過ごした記憶を思い出しながら……そのまま彼の灯火は静かに消え去った。
◇
「ッ!……なんだ?」
一瞬、誰かが呼んでいる気がした俺は後ろを振り向くが……そこにあったのは静かに吹いている風の音だけ。
「……早く、帰らないと」
そう言ってレステンクール領の街まで転移させた人達を送った後、俺は今も意識を取り戻してないソフィアを抱き抱える。
「んと……軽いな」
まさかここまで軽いとは思わず、少しびっくりしてしまうのと同時に罪悪感が芽生える。
俺の勝手な行動で皆傷ついちゃったかもしれないもんな…‥守るためとはいえ。
そう思いながら、ソフィアを俺の背中に乗せて血溜まりが残っている洞窟から抜け出していく。
「……未来を変える責任、か」
それ自体、深く考えたことはなかった。
でも、今考えてみれば…とても重要な事なのだとと理解できる。
現にここで死ぬはずの運命であったマリア、マエル、アルマンや多くの騎士達。
自殺する運命であったジーク。そして……ここで盗賊達に弄ばれる運命であったリアーヌとソフィア。
彼らは全員、その運命を覆して見せた。
そしてその悲劇になるはずだった運命を変えさせたのは……俺自身だ。
とても喜ばしいことなのかもしれない。家族の、大切な人たちの未来を俺は守り抜いたのだから。
…だが、同時にそれとは別の運命を俺は生み出してしまった。
「……それが、モルクという存在……なのか」
……分からない。そもそもあれが本当のことを言ってるのか、それとも嘘だったのかさえ……だが、少なくとも奴は俺の前に立ち塞がった。
「……モルク……君は一体……なんだったんだ?」
その言葉が返ってくることはない。
だが、彼はこう言ってる気がした。
「……俺は、俺ですよ……か」
嘗て混沌の魔女の件でアルマンから聞かれたその質問に対する俺の答えと全く同じだった。
未来を変える。
それは単純なもののようで重い、もしかしたら神でさえも許されざる行為なのかもしれない。
……でも守りたかった物があった。
それが、俺の信念であり、今を生きる理由だ。
彼にも、モルクにもそんな信念みたいなものがあったのかもしれない。
それがどんなものであれだ。
「……何かを得るには、何かを捨てなければならない」
洞窟を出て、青く光始めている空を眺めながらそんな言葉を言う。
モルクが言っていた、そのために生み出される代償の数々。
それが、今の結果だ。
……でも俺は、やっぱり思ってしまう。
たとえこの行動が許されなくても、その行動が間違ってたとしても……みんなを、守れてよかったのだと。
「……帰ろう、みんなが待ってる」
俺は再び飛行《フライ》を使って空を飛ぶ。
……結局のところ、未来を変えるという事がいいのか悪いのか……それに対する答えは分からないけど……今はみんなのことを守り抜けたという喜びに浸ろう。
「……う、うぅ……」
その時、後ろから呻き声が聞こえてきた。
あぁ、きっと怒られるだろうな、きっと泣かれるだろうな、もしかしたら嫌われるかな?
そんなことを考えながら俺は後ろに目をやる。
「……ソフィア」
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