転生するなら人間がいいな~

獣野狐夜

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第参章 陰キャの心、熱を出す

8節目 ある獅子は未練を探す

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カリスの攻撃を受けたサクラは、
走馬灯を見た。
母の葬式、父との喧嘩、ユキとの出会い、上京した時の緊張、一人暮らしの辛さ。
たくさんの思い出をまた巡る。
巡り、巡り、それに浸るサクラ。
そしてぷつん、と何かが切れた。
サクラはびっくりし、目を閉じる。
そしてゆっくり目を開くと、現実に来た。
体が冷える。
火傷と内臓出血の痛みが襲う。
そして、
“死”への恐怖が涙と一緒に込み上げる。
素直に『死にたくない。』と思う。
ワガママかもしれない。
でも運命に逆らいたい。
しかし、また再び眠ってしまう。
その夢は、幸せな夢だった。
楽しいことを沢山やって、
お父さんとお母さんと過ごす日々。
しかし、どこからか「死なないで!」と震える声が聴こえる。
その声が響く度に、ココロ意識震える戻る
死への恐怖と夢の心地良さが、
彼女サクラのココロを混乱させる。
ふと聞き覚えのある声が響いた。
たくさんの思い出、
たくさんの感情、
たくさんの幸せ、
たくさんの悲しみ。
そんなものがあった。
その“声”が、教えてくれた、希望。
しかし、それは“今”失うものではない。
それは、運命ではない。
そう願う“少女”サクラは、
そう云う“獣人”ユキミは、
そう想う“猫”レオンは、
そして、そう考える“竜”カリスは、
ココロを、何者かによって1つにした。
それが天からの贈り物命の息吹を吹き込む“トリガー”となった。
そして、獣人ユキが見守る中、
“少女”は目を覚ます。

☆☆☆☆☆☆☆

僕はサクラが好きでした。
本当に一目惚れでした。
でも、
その思いは叶わないものになるかもしれない。
サクラが倒れた。
やられてしまった。
僕の夢は、希望は崩れた。
《レオン・グラヴェラは【未練者オモウヒト】を獲得しました。》
そう感じると共に、
“獣人”、“少女”、“竜”の未練など、沢山の“未練”いう単語が出た。
そして、最後に“レオンの未練”と脳内に表示された。
なんだろう、これ。
もしかして、さっき貰ったスキル、【未練者オモウヒト】のスキルの影響なのかな。
効果は、えっと。
未練や、強い想いを“ミレン”として脳内に表示され、その“ミレン気持ち”を1つにすると、代わりに
“なにかの確率”をあげることが出来る。
その“なにかの確率”は【未練者オモウヒト】からしかあげることができず、これをあげると“ココロ”と“セイゾンリツ”を強くできる。
確率は、自分以外も強くできて、
自分が瀕死の時や絶望している時、つまり強い悲しみや苦しみに襲われることを前提として自分や相手の“ミレン”を集めて、それを対象に確率として送ることで対象の“生命いのち”が助かる可能性が上がる。
それが“なにかの確率”元い、“セイゾンカクリツ”というもの。
僕はそれに賭けて、自分の“ミレン”を集めようと思う。
恥ずかしさなんて知らない。
サクラさえ助かれば、僕の羞恥なんていらない。
そう思いながら、告白をした。
地面に横たわる、一人の少女サクラと僕。
告白する代わりに、僕の“ミレン”はサクラに集められる。
そして、サクラを助けられるかもしれない。
“セイゾンカクリツ”が上がるかもしれない。
僕は、少女サクラに告白した。

『出会った時から、好きでした。』

レオンは、震える声でそう言った。



☆☆☆☆☆☆☆

サクラが目を覚ました。

私は泣きじゃくりながら、サクラに抱きついた。
ヒッグ、という情けない声を上げながら、
「サクラ……よがっだよぉ……いぎででくれでありがどぉ…!!」と叫んだ。
サクラも泣きながら、
『ユキィ……死ぬの怖かったよ……助けてくれてありがと……!』と笑ってくれた。
私とサクラは、笑顔になった。
顔は、涙でぐしゃぐしゃになって、赤くなっていた。
でもそんなのは気にならなかった。
ふと思い出すようにサクラが言った。
『カリスは……悪い奴じゃないよ……。
のおかげで助かったの……!』
あんなに攻撃してきて、しかもサクラを殺しかけた張本人なのにいい奴なわけないと思っていた。
しかし、やられた本人が
『悪い奴じゃない』と主張している。
根拠はないので、正直不安だった。
でも私は、サクラを信じることにした。
たった1人の、大切な親友だから。
「サクラ……カリスは本当に悪くないの……?」
そう聞いてみると、意外な答えが出た。
『カリスはね、とてもとても大きな未練を残したの。
それをずっと抱えて生きていたみたい。
アタシが走馬灯……いや、で知ったの。
そして、まだ死にたくないと思っているの。
だから、アタシみたいに誰かがやられて、
みんなみたいに、誰かが悲しむ姿を見たくないの。おねがい…みんなを止めて…。』と言ってくれた。
どうやらカリスは大事な未練があるようだ。
多分私たちの目的に関係あるかもしれない。
とりあえず、みんなを止めないと。
私とサクラは、病院を出てみんなの元へ走った。

第参章 陰キャの心、熱を出す 完
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