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2.目指せ究極のモテ男!
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モテる男の条件とは?
強さ、お金、性格、容姿……と、パッと思いつくのはこの辺りか。
さてと、じゃあ前世を振り返りながら当てはめてみようか。
俺はベッドに腰をおろし、腕を組んで考える。
「まず強さだな。強さは申し分ないだろ、うん」
俺は強かった。
もう最強だった。
自惚れではなく事実として。
自分で言うのは恥ずかしいが、この部屋には俺一人しかいないし、誰も代わりに言ってくれないんだから仕方ないだろ?
もっとも誰かいたところで知るはずもない。
俺の前世が大英雄だったなんて、誰にも話していないから。
「次は金か」
金もそれなりに持っていたと思う。
正直お金にあまり興味がなかったし、お金で買える物も自力で手に入ってしまう時代だったから価値として弱い。
それでも金額だけなら余るほどあったはずだ。
というのも、世界を救った俺たち四人には、王国から報酬として一生遊んで暮らせる大金が送られていた。
大抵はみんな使い道がなくて、最後まで余らせてしまっていたけど。
「性格は……悪くなかったよな? 性格悪い奴が世界なんて救えないよな?」
などと自分に言い聞かせながら振り返る。
他人を無下に扱ったことはないし、か弱き者を守るために戦った。
弱者を虐げる者を許さない。
強者としての責任を果たすことに迷いはない。
なるべく紳士的な振る舞いをしていた……気がする。
少なくとも、他人から「君、性格悪いよね」とか言われるようなことはない……はず!
「あとは容姿、顔かぁ……」
俺はベッドから立ち上がり、テーブルに置かれた手鏡を手に取り、自分の顔を眺める。
転生の術式が完璧すぎたのか、今の俺の容姿はかつてとよく似ている。
前世の自分が目の前にいるような感覚だ。
もし俺のことを知る人がいたなら、一目でわかってしまうほどそっくりではある。
「……わからん。俺は格好いいのか? それともブスなのか?」
格好悪くは……ないと思う。
そう思いたい。
これでブスとか思われたのなら哀しみで毎日枕を濡らすぞ。
少なくとも普通……そう、普通ではあるはずだ。
「……だったらなんで俺はモテないんだ?」
人には必ず一度はモテ期というものがある。
と、かつての仲間であり終始モテモテで腹立たしかった男、【賢者】イクサシスは言っていた。
モテ期、異性からモテる時期。
「そんなの一度もなかったんだけど?」
じっくり思い返してみよう。
俺にはモテ期があったのか。
気づいていなかっただけかもしれないから念入りに。
女の子から愛の告白されたことは……。
「ない」
だけど男から、お前を殺したかったんだと、衝撃的な告白をされたことなら多々ある。
あの子実は俺のことが好きらしいよ、とか噂されたことも……。
「ない」
あったらきっと童貞じゃない。
ただ噂と言えば、あいつはとっくに人間を辞めているんだ、とか噂されていたことはあった。
そんなわけないだろ?
人間を辞めたやつが童貞であることを死ぬまで悩むか?
女の子から贈り物をもらったことは……。
「ない。あ、いやあったか? あったにはあったけど……」
魔物の臓物をプレゼントされたのは、さすがにノーカンだよな?
あれも善意とかじゃなくて宣戦布告だったわけだし。
思い返せば返すほど、俺の人生って……。
「戦ってばかりじゃん」
ビックリするくらい戦い通しだよ。
三日に一回は戦ってる。
魔神とドンパチやってた頃は、まぁ仕方ないから考えないとして。
それが終わった後だよ問題は!
来る日も来る日も、決闘の申し出ばっかりだった!
なんなんだよホント。
どうしてみんな俺と戦いたがるんだ。
強い男になりたいから?
世界最強の称号が欲しいから?
富や名声がほしいから?
単純に気に入らないから……?
全員修行して出直して来い!
どいつこいつも決闘、決闘、けっとう!
世界は平和になっても俺の日常に平穏なんてありもしない。
いや俺も悪かったよ?
当時の俺は、どん欲に強さを求めていた。
力をつけることに酔いしれていたんだ。
富も名声も、権力だって必要ない。
ただ強く、今の自分よりも上の次元に駆けあがりたい。
剣技も、魔術も、異能も全てを極めたい。
そんなことばかり考えて、決闘だってタメになるかなと思って断らなかった。
だけど気付いてしまったんだ。
決闘の相手がみんな弱すぎて、相手にならなくてしょんぼりすると同時に思った。
ああ……強くなってもつまらないなと。
そうして、ようやく俺は周りを見たんだ。
平和になった世界で暮らす人々を。
楽しそうに友人と語らい、幸せそうな顔で恋人と手を繋ぐ。
俺の両手は空っぽだ。
友人だって片手で足りる程度しかいない。
強さを極めても、戦いに処理しても、俺は何も得られていなかった。
それに気づいたのは、不治の病に身体が侵され衰弱するベッドの上だった。
俺はひどく後悔したよ。
一度きりの人生、もっと楽しむべきだったと。
戦いばかりに明け暮れた日々をやり直せるならそうしたい。
だけど無理だ。
時間は巻き戻らないから。
だったら――
来世にかけよう。
生まれ変わったら、今度こそ人生を謳歌する。
絶対に童貞のまま死んでたまるか!
強さ、お金、性格、容姿……と、パッと思いつくのはこの辺りか。
さてと、じゃあ前世を振り返りながら当てはめてみようか。
俺はベッドに腰をおろし、腕を組んで考える。
「まず強さだな。強さは申し分ないだろ、うん」
俺は強かった。
もう最強だった。
自惚れではなく事実として。
自分で言うのは恥ずかしいが、この部屋には俺一人しかいないし、誰も代わりに言ってくれないんだから仕方ないだろ?
もっとも誰かいたところで知るはずもない。
俺の前世が大英雄だったなんて、誰にも話していないから。
「次は金か」
金もそれなりに持っていたと思う。
正直お金にあまり興味がなかったし、お金で買える物も自力で手に入ってしまう時代だったから価値として弱い。
それでも金額だけなら余るほどあったはずだ。
というのも、世界を救った俺たち四人には、王国から報酬として一生遊んで暮らせる大金が送られていた。
大抵はみんな使い道がなくて、最後まで余らせてしまっていたけど。
「性格は……悪くなかったよな? 性格悪い奴が世界なんて救えないよな?」
などと自分に言い聞かせながら振り返る。
他人を無下に扱ったことはないし、か弱き者を守るために戦った。
弱者を虐げる者を許さない。
強者としての責任を果たすことに迷いはない。
なるべく紳士的な振る舞いをしていた……気がする。
少なくとも、他人から「君、性格悪いよね」とか言われるようなことはない……はず!
「あとは容姿、顔かぁ……」
俺はベッドから立ち上がり、テーブルに置かれた手鏡を手に取り、自分の顔を眺める。
転生の術式が完璧すぎたのか、今の俺の容姿はかつてとよく似ている。
前世の自分が目の前にいるような感覚だ。
もし俺のことを知る人がいたなら、一目でわかってしまうほどそっくりではある。
「……わからん。俺は格好いいのか? それともブスなのか?」
格好悪くは……ないと思う。
そう思いたい。
これでブスとか思われたのなら哀しみで毎日枕を濡らすぞ。
少なくとも普通……そう、普通ではあるはずだ。
「……だったらなんで俺はモテないんだ?」
人には必ず一度はモテ期というものがある。
と、かつての仲間であり終始モテモテで腹立たしかった男、【賢者】イクサシスは言っていた。
モテ期、異性からモテる時期。
「そんなの一度もなかったんだけど?」
じっくり思い返してみよう。
俺にはモテ期があったのか。
気づいていなかっただけかもしれないから念入りに。
女の子から愛の告白されたことは……。
「ない」
だけど男から、お前を殺したかったんだと、衝撃的な告白をされたことなら多々ある。
あの子実は俺のことが好きらしいよ、とか噂されたことも……。
「ない」
あったらきっと童貞じゃない。
ただ噂と言えば、あいつはとっくに人間を辞めているんだ、とか噂されていたことはあった。
そんなわけないだろ?
人間を辞めたやつが童貞であることを死ぬまで悩むか?
女の子から贈り物をもらったことは……。
「ない。あ、いやあったか? あったにはあったけど……」
魔物の臓物をプレゼントされたのは、さすがにノーカンだよな?
あれも善意とかじゃなくて宣戦布告だったわけだし。
思い返せば返すほど、俺の人生って……。
「戦ってばかりじゃん」
ビックリするくらい戦い通しだよ。
三日に一回は戦ってる。
魔神とドンパチやってた頃は、まぁ仕方ないから考えないとして。
それが終わった後だよ問題は!
来る日も来る日も、決闘の申し出ばっかりだった!
なんなんだよホント。
どうしてみんな俺と戦いたがるんだ。
強い男になりたいから?
世界最強の称号が欲しいから?
富や名声がほしいから?
単純に気に入らないから……?
全員修行して出直して来い!
どいつこいつも決闘、決闘、けっとう!
世界は平和になっても俺の日常に平穏なんてありもしない。
いや俺も悪かったよ?
当時の俺は、どん欲に強さを求めていた。
力をつけることに酔いしれていたんだ。
富も名声も、権力だって必要ない。
ただ強く、今の自分よりも上の次元に駆けあがりたい。
剣技も、魔術も、異能も全てを極めたい。
そんなことばかり考えて、決闘だってタメになるかなと思って断らなかった。
だけど気付いてしまったんだ。
決闘の相手がみんな弱すぎて、相手にならなくてしょんぼりすると同時に思った。
ああ……強くなってもつまらないなと。
そうして、ようやく俺は周りを見たんだ。
平和になった世界で暮らす人々を。
楽しそうに友人と語らい、幸せそうな顔で恋人と手を繋ぐ。
俺の両手は空っぽだ。
友人だって片手で足りる程度しかいない。
強さを極めても、戦いに処理しても、俺は何も得られていなかった。
それに気づいたのは、不治の病に身体が侵され衰弱するベッドの上だった。
俺はひどく後悔したよ。
一度きりの人生、もっと楽しむべきだったと。
戦いばかりに明け暮れた日々をやり直せるならそうしたい。
だけど無理だ。
時間は巻き戻らないから。
だったら――
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