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 今更ながら、大変なことに気づいてしまった。
米がない。異世界には、米がない。ヨーロッパ風のこの世界の、主食はパン。
米が無い米が無い米が無いぃぃーーー!!!
コメがなくては死んじまうーー!!俺は昔っから毎食米を食べてきた。
絶対に絶対にコメを見つけてやるーー!
そう言えば、亜空間収納ってあったけど
何なんだろう。気になって見てみた。
米の苗×100
が入っていた。これで米を育てろってことか!?
しかし米を異世界でも食べられる!
そんなことを考えている間に、農業ギルドにたどり着いた。
「何の御用件でしょうか?」
受付嬢が笑顔で迎えてくれた。
「ギルドの新規登録って出来ますでしょうか?」
「では、こちらの水晶玉に手を置いてください。」
これでステータスを見るのかな?
「えーっと………農夫lv1…名前は………ぶつぶつぶつぶつ……」
何やらぶつぶつ言っている。
「はい。ありがとうございます。」
そう言って、カードを一枚渡された。
「これは身分証にもなるので、大事に保管してください。
 登録料は無料なので大丈夫ですよ。」
そのカードには、
『農業ギルドカード ランクF
 タミヤ・ノータロ』
と書いていた。
「ギルドでは畑の貸し出しも出来ますよ!」
ワオ便利。一番の問題点もこれで解消!
「どんな畑がいいですか?」
「川の近くで………………、あと小屋とかがついていれば。」
コメ作りに水は必須だ。あと、当分は
「それなら、丁度いい場所があります!」
「じゃあそこにさせて頂きます。」
「えっ?見学しなくていいのですか?」
俺は見学してもよくわからないと思う。だからこの人のことを信じることしか出来ない。
「因みに土地代は?」
この世界は、単位はゴルドで、今は王様にお情け程度に1000ゴルド貰っている。
(5ゴルドがパン一個。)
「1月に200ゴルドになります。」
意外に安い。というか王様意外にお金くれたんだ!
とりあえず前金に200ゴルドを払った。
「農具などは持っていますか?」
持っているわけがないでは無いか。
この農業ギルドでは農具も買えるらしい。
とりあえずくわかまを買った。
お米ウマウマ大作戦、スタートだ!!!

田宮農太郎 農夫lv1 ヒューマン
持ち物
米の苗×100
鉄の鍬×1
鉄の鎌×1
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