もしも、貴方に逢えたなら

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さらば日常

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「綾音、別れて下さい。」

私は寝起きでぼーっとしている頭を起こそうと、キッチンでコーヒーを入れていた。
耳に入ってきた言葉が信じられず、彼氏の方をゆっくり向く。

彼氏の裕太(ユウタ)は、ソファーに座り下を見て私と目を合わせない。

昨日まで優しかった裕太、昨日の夜も同じベッドに入って、一緒にお風呂に入って、2人でご飯を作って一緒に食べた。

「……は?」

理解出来ず、やっと出た声。
なんと可愛げのない。


時を数分前に戻そう。
裕太は私より少し早く起きていたみたいで、寝癖をつけてスマホを触っていた。
私は悪夢を見ていてやっと目を覚まし、裕太がいることにほっとした。

そしてその〝悪夢〟を話した─。

その後、裕太は驚いたような表情を見せて、別れを呟いた。
その悪夢というのは…

「今日すっごい怖い夢見た。裕太と別れる夢。」

コーヒーを入れながらこの話をした事を後悔した。
いつもなら「そんなことある訳ないじゃん!」って言ってくれると思ってたから。
ほっとしたから思わず言っちゃったんだ。

でも、裕太の中では別れる事は既に決定事項だったようだ。

私は裕太を問い詰めた。
なんで?昨日まで普通だったじゃん!
理由を教えてよ!!

今考えると生きてきて1番の剣幕だったかも。
理由は裕太との今までの経緯が原因かもしれない。
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