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42 利用されていることがわからない元妹 ③
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時戻しで戻ってきた時間は夕方だったため、寝室で詳しい話をすると、イライアス様は眉尻を下げた。
「僕のせいでごめんね」
「イライアス様のせいではありません」
「そんなことはない。時戻しをすることになったのは、僕に原因があると思う」
「……どういう意味でしょうか」
おっしゃっている意味がわからなくて尋ねると、恥ずかしそうに顔を俯かせて答える。
「離婚したくなかったんだよ」
「……はい?」
「だから、その、離婚したほうが君のためだとわかっているのに、離婚したくないと思ってしまったんだ」
「……それはどういう意味でしょうか」
ドキドキする胸を押さえながら聞くと、イライアス様はゆっくりと顔を上げて私を見つめた。
「僕は」
イライアス様が口を開いたと同時に、ベェとルピがイライアス様の顔を舐め始めた。
「えっ? えっ? どうしたの?」
イライアス様が困惑した表情で二匹をつかんで、自分の顔から引き離した。
「ベェ!」
「ウォフ!」
イライアス様の元気がないから、元気づけようとしていたのみたい。
ベェとルピは四本足をバタバタさせて、何か訴えようとしていた。
イライアス様は苦笑して話しかける。
「ルピは僕が落ち込んでいると思って慰めてくれたんだね。ありがとう」
「ベェ!」
「ベェも同じか。本当にありがとう」
イライアス様に頭を指で撫でてもらった二匹は、嬉しそうに自分の体を彼の指にこすりつけた。
甘い雰囲気になるかと一瞬期待してしまったが、まだ早いってところかしら。
まずは、離婚危機から抜け出さなくちゃいけないわ。
******
次の日の朝から、出来る範囲で行動を開始した。
王妃陛下からの連絡を待つ間に、ソレイユの監視を徹底することにした。
以前、解雇することになった二人には、報告義務を怠らないように念押しした。そして、二人の代わりに新たに雇った人物を応援として、今のうちから雇うことにした。
前回では解雇という嫌な形で職を失った二人も、上手くいけば働き続けることができるでしょう。
今回の時戻しは、色々な人のためにもなるような気がしてきたわ。
『ソレイユはどうするの?』
「そうね」
ベェにシルバートレイを通じて尋ねられた私は、少し思案する。
彼女を助けるつもりはないが、彼女が利用されなければ、大きな問題は起きないはず。
結果的に彼女を助けることになっても、私に損はない。
「彼女に馬鹿なことを考えさせないようにするわ」
そう答えると、ベェはわかったと言わんばかりに「ベェ!」と鳴いた。
今の段階では、ソレイユはロガンと一緒に宿屋に閉じこもっているだけのようだが、何らかの形で彼女に接触しようとする者がいるはずだ。
昨日のうちにオウガ侯爵代理にも連絡を入れておいた。
宿屋に協力してくれるようにお願いしたいと頼むと、快く承諾してくれた上に、侯爵代理自身も自分にできることであれば手を貸すと申し出てくれた。
だから、宿屋の人にソレイユに外界と接触させないようにしてほしいと頼んだ。
その日の昼過ぎに、ソレイユに手紙を渡してほしいという人物が現れたと報告が入った。
監視は宿屋の出入り口で、ソレイユが外出するかどうかの確認と外出したら後を追うという任務だったため、前回は手紙の件は知らなかったのでしょう。
宿屋は「そのような人物は宿泊客にはおりません」と断ってくれていた。
彼らにとって、ソレイユはお客様ではないから嘘はついていない。
その日の夜には、オウガ侯爵代理から連絡がきた。
ソレイユに最近変わったことがなかったかと探りを入れたところ、彼女は王妃陛下に手紙を送っており、返事を待っているところだと答えたらしい。
オウガ侯爵代理が「馬鹿なことを考えるなよ」と忠告すると、ソレイユは笑っていたそうだ。
ソレイユの思い通りにはさせない。
そう決意していると、王妃陛下からの返事が届いたと連絡があった。
「僕のせいでごめんね」
「イライアス様のせいではありません」
「そんなことはない。時戻しをすることになったのは、僕に原因があると思う」
「……どういう意味でしょうか」
おっしゃっている意味がわからなくて尋ねると、恥ずかしそうに顔を俯かせて答える。
「離婚したくなかったんだよ」
「……はい?」
「だから、その、離婚したほうが君のためだとわかっているのに、離婚したくないと思ってしまったんだ」
「……それはどういう意味でしょうか」
ドキドキする胸を押さえながら聞くと、イライアス様はゆっくりと顔を上げて私を見つめた。
「僕は」
イライアス様が口を開いたと同時に、ベェとルピがイライアス様の顔を舐め始めた。
「えっ? えっ? どうしたの?」
イライアス様が困惑した表情で二匹をつかんで、自分の顔から引き離した。
「ベェ!」
「ウォフ!」
イライアス様の元気がないから、元気づけようとしていたのみたい。
ベェとルピは四本足をバタバタさせて、何か訴えようとしていた。
イライアス様は苦笑して話しかける。
「ルピは僕が落ち込んでいると思って慰めてくれたんだね。ありがとう」
「ベェ!」
「ベェも同じか。本当にありがとう」
イライアス様に頭を指で撫でてもらった二匹は、嬉しそうに自分の体を彼の指にこすりつけた。
甘い雰囲気になるかと一瞬期待してしまったが、まだ早いってところかしら。
まずは、離婚危機から抜け出さなくちゃいけないわ。
******
次の日の朝から、出来る範囲で行動を開始した。
王妃陛下からの連絡を待つ間に、ソレイユの監視を徹底することにした。
以前、解雇することになった二人には、報告義務を怠らないように念押しした。そして、二人の代わりに新たに雇った人物を応援として、今のうちから雇うことにした。
前回では解雇という嫌な形で職を失った二人も、上手くいけば働き続けることができるでしょう。
今回の時戻しは、色々な人のためにもなるような気がしてきたわ。
『ソレイユはどうするの?』
「そうね」
ベェにシルバートレイを通じて尋ねられた私は、少し思案する。
彼女を助けるつもりはないが、彼女が利用されなければ、大きな問題は起きないはず。
結果的に彼女を助けることになっても、私に損はない。
「彼女に馬鹿なことを考えさせないようにするわ」
そう答えると、ベェはわかったと言わんばかりに「ベェ!」と鳴いた。
今の段階では、ソレイユはロガンと一緒に宿屋に閉じこもっているだけのようだが、何らかの形で彼女に接触しようとする者がいるはずだ。
昨日のうちにオウガ侯爵代理にも連絡を入れておいた。
宿屋に協力してくれるようにお願いしたいと頼むと、快く承諾してくれた上に、侯爵代理自身も自分にできることであれば手を貸すと申し出てくれた。
だから、宿屋の人にソレイユに外界と接触させないようにしてほしいと頼んだ。
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そう決意していると、王妃陛下からの返事が届いたと連絡があった。
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