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1 仕事して
私の住んでいる国、ローストリアには現役の聖女が現在は五人確認されている。
なぜ、現役とつけるかというと、30歳を越えた頃くらいから、なぜか聖なる魔法が使えなくなるからだ。
もちろん、例外はあるけれど、あったとしても千人にあるかないか、という少ない確率だ。
ローストリアでいう聖女とは、聖なる魔法を使える人間であり、聖なる魔法というのは、回復魔法などの治癒系の魔法が使え、結界が張れる事を言う。
聖女達は力が使えるとわかった時点で、王城へと連れて行かれ、王都で結界を張る練習をし、慣れていけば遠征して、辺境の地に結界を張りに行く事になる。
結界というのは、私達人間や動物と、魔物や魔物でも人型をした魔族との住処を分ける、見えない境界線であり、魔物や魔族は聖女の張った結界を通り抜ける事ができない。
見えない壁のようなものに阻まれ、何をしても、その向こうへ行く事が出来ない。
結界が弱まったり、消えてしまわない限りは…。
それはさておき、私、男爵令嬢であるミーファ・ヘイメルも、幼い頃に王城へ連れて来られた聖女の一人だった。
ローストリアでは珍しい黒髪、鳶色の瞳を持っていて、腰まである長い髪はまっすぐのストレートで前髪は分けず、目にかからない長さでおろしている。
7歳の頃にここに連れて来られた私は、親の顔をあまり覚えていない。
なぜなら、私が聖なる魔法を使えるとわかった時、両親が言った言葉は「この子はいくらで引き取ってもらえるんだろう?」だったから。
父は酒癖が悪くギャンブラーで、男爵家という貴族でありながらも貧乏だった。
母は家に帰ってこない父に愛想を尽かし、情夫を作って、いつしか、彼女もほとんど家に帰らなくなった。
そんな両親を覚えているのも癪なので、全て忘れようとしたけど、やはり、インパクトのある言葉だけは忘れられず、なんだかんだと、両親がいた事は覚えている。
かといって、親子の縁を切った訳ではないので、男爵令嬢である事に間違いはないと思う。
兄がいたから、兄に代替わりしていれば別だけど。
城に来てからは衣食住は保証されていて、好きな食べ物も好きなだけ食べれる様になったので、ガリガリの聖女から、痩せた聖女になってしまったけれど、もっと食べてやろうと思っている。
なぜなら、全ての人ではないらしいけど、食べる事によって魔力が回復するからだ。
私もそのタイプ、いや、今、王城にいる聖女は全て、魔力を回復するには食事をしなければいけない。
そして、魔力を使うとお腹がすごく減る。
だから、いつも活動中は合間合間に何かしら食べて、魔力を回復している。
今は、魔力は使っていないから、普通にただ食べてるだけだけど、どのみち、食べなければ死んでしまうのだから、好きなだけ食べておく。
現在の私は17歳。
身長が他の女子より高いのもあり、高いヒールを履くのが嫌いだ。
なぜなら、背の低い男に嫌な顔をされるから。
特に王太子殿下という嫌な奴に。
聖女ときくと、最初は性格の優しい人を思い浮かべていたのだけれど、現実は違った。
見た目は綺麗だったり、可愛かったりするのだけど、中身はそうでもなかったりする。
私はまだ性格の良い方で、あとの四人は誰が一番、聖女として優れているかを争って、ギスギスしている。
なぜ、優れているか証明したいかというと、聖女は王族と同等の権力を持ち、王子と結婚する権利があるからだ。
現在、この国の王子は第三王子までしかいない。
という事は二人あまってしまう。
しかも、いずれ国王となる第一王子の王太子殿下と結婚したいと、私以外の聖女が思っていて、余計に争いが激化している。
五人の内、あまる二人の内の一人は私だから良いにしても、あとの一人が王族と結婚できないとわかっているはずなのに、他の四人は王太子殿下が無理だとわかった時点で、他の王子に乗り換えようとしているみたいだから、聖なる力が使えたとしても、心の中はあまり綺麗ではないし、頭もそう賢くないように思う。
だって、私なら、今、フリーである第二王子か第三王子を今のうちに狙ってしまい、さっさと結婚してしまうだろうから。
王太子殿下は美少年として有名だけれど、第二王子、第三王子も王太子殿下程ではないにしても、整った顔立ちをしているし、何より、王太子殿下よりも性格が良い。
どうせ、いつかこの二人に乗り換えなければいけない日が来るかもしれないのなら、とっとと第二王子か第三王子か、好きな方を先に選んでおいた方が良いと思うんだけどなぁ。
第二王子と第三王子の方は、恋愛や嫁入りに必死になりすぎている聖女を嫌がっているから、正直なところ、あまるのは私も含めて四人になりそうだけど。
まあ、そんな事情により、聖女達は王太子殿下の心をつかむ為に、自分達の仕事を放り出して、日々努力している。
努力するのは良いけど、仕事はちゃんとしてほしい。
彼女達がやらない分は、私にシワ寄せがくるのだから。
「ミーファ、お願い! 次の遠征、私の代わりに行ってくれないかしら?」
今日は仕事が久しぶりにオフの日で、水色のワンピースに黒のカーディガンというカジュアルな格好で、のんびりと城の庭園にあるベンチに座り、厨房で作ってもらったサンドイッチを食べていたら、聖女仲間の一人であり、私と同じ年のキュララがやって来て、そう頼んで来たので、断る事にする。
「ここ最近、皆から頼まれてて、城でゆっくりした事ないんだけど? だから悪いけど、他の人を当たって?」
「今、ゆっくりしてるじゃない! あなた、たくさん食べ過ぎなのよ! 細い体なのに、よくそんなに食べ物が入るわね!」
キュララは私の横に置かれたバスケットいっぱいのサンドイッチを見て、気分が悪そうな顔になった。
バスケットは、ちなみに五つほどある。
これくらい、私はいつも余裕なのに…、皆が少食なのよ。
「今はそんな事は関係ないでしょ。それに、私が遠征したら、あなたは何するつもり?」
「もちろん、王太子殿下の所に行くに決まってるでしょ!」
「聖女なんだから、国民の為に働きなさいよ」
「駄目よ。そんな事をしていたら、争奪戦に遅れをとってしまうわ! それに、今回の場所は、あなたと仲の良い辺境伯の令息がいる所よ!」
キュララはピンク色の長い髪を揺らし、なぜか嬉しそうな顔で言った。
私達、聖女は担当は決めずに、順番に結界を張りに各地をまわっているけれど、やはり人間なので、相性というものがある。
その土地土地の領主に表向きは歓迎はされるのだけれど、私の見た目で判断し、侮辱してくる人間も少なくともいる。
もちろん、性格の悪くない人もたくさんいて、今、話に出た辺境伯の令息というのは、その一人で、明るくて真っ直ぐな性格の爽やかな青年だ。
リュークの所なら行ってもいいかな。
彼のご両親も良い人達だし、歓迎してくれそう。
リュークにも会いたいし。
私も次の行き先は決まってはいたけど、まだ日にちがあるし、先にリュークの所へ行こう。
「わかったわ」
「本当に!? きゃーん、ありがとう! 頑張って、王太子殿下をオトすからね!」
「いや、その前に仕事してよ」
私の言葉は彼女の耳には届いていない様で、返事もなしに駆け出していってしまった。
「ほんと、仕事しろっての…」
呟いてから、とりあえず、私は食事を再開する事にした。
詳しい話は、あとで聖女付きの侍女から話を聞く事にしよう。
侍女がスケジュール管理をしてくれているから。
「王太子殿下は今日も素敵ですぅ」
「これ、作ってみましたの。毒見役もいますから、ぜひ食べてみて下さいまし!」
「私の方が先に食べてもらう約束をしていたのですよ!?」
どこにいるかはわからないけれど、他の聖女達の声が聞こえてきて思う。
これはまた、落ち着いたら見回りにいかないといけない。
他の聖女達は、もう何年もこの様子で、この調子では、いつかやらかすな、と思った私は、他の聖女達が張った結界を、たまに見回る事にしていた。
たまに結界が張れていないところがあり、見つけた時は私が修復して、後で、誰が張ったかを調べて、こんな事があったと伝えるようにしている。
結界が張られているかどうか判断できるのは聖女しかいないから、こんな事があっても、誰かに知らせてもらう事は出来なかった。
たまに、魔物と目があった、とかいう報告が入るので、慌てて行ってみると、やはり結界が弱まったり、破られていたりした。
だけど、ここ最近は、私自身の休みがなく、行けと言われた所にだけ行く日々が続いていて、チェックが出来ていない地域が増えてきていた。
結界が破られたりしませんように…。
雲ひとつない空を見上げて、そう願った。
なぜ、現役とつけるかというと、30歳を越えた頃くらいから、なぜか聖なる魔法が使えなくなるからだ。
もちろん、例外はあるけれど、あったとしても千人にあるかないか、という少ない確率だ。
ローストリアでいう聖女とは、聖なる魔法を使える人間であり、聖なる魔法というのは、回復魔法などの治癒系の魔法が使え、結界が張れる事を言う。
聖女達は力が使えるとわかった時点で、王城へと連れて行かれ、王都で結界を張る練習をし、慣れていけば遠征して、辺境の地に結界を張りに行く事になる。
結界というのは、私達人間や動物と、魔物や魔物でも人型をした魔族との住処を分ける、見えない境界線であり、魔物や魔族は聖女の張った結界を通り抜ける事ができない。
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結界が弱まったり、消えてしまわない限りは…。
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7歳の頃にここに連れて来られた私は、親の顔をあまり覚えていない。
なぜなら、私が聖なる魔法を使えるとわかった時、両親が言った言葉は「この子はいくらで引き取ってもらえるんだろう?」だったから。
父は酒癖が悪くギャンブラーで、男爵家という貴族でありながらも貧乏だった。
母は家に帰ってこない父に愛想を尽かし、情夫を作って、いつしか、彼女もほとんど家に帰らなくなった。
そんな両親を覚えているのも癪なので、全て忘れようとしたけど、やはり、インパクトのある言葉だけは忘れられず、なんだかんだと、両親がいた事は覚えている。
かといって、親子の縁を切った訳ではないので、男爵令嬢である事に間違いはないと思う。
兄がいたから、兄に代替わりしていれば別だけど。
城に来てからは衣食住は保証されていて、好きな食べ物も好きなだけ食べれる様になったので、ガリガリの聖女から、痩せた聖女になってしまったけれど、もっと食べてやろうと思っている。
なぜなら、全ての人ではないらしいけど、食べる事によって魔力が回復するからだ。
私もそのタイプ、いや、今、王城にいる聖女は全て、魔力を回復するには食事をしなければいけない。
そして、魔力を使うとお腹がすごく減る。
だから、いつも活動中は合間合間に何かしら食べて、魔力を回復している。
今は、魔力は使っていないから、普通にただ食べてるだけだけど、どのみち、食べなければ死んでしまうのだから、好きなだけ食べておく。
現在の私は17歳。
身長が他の女子より高いのもあり、高いヒールを履くのが嫌いだ。
なぜなら、背の低い男に嫌な顔をされるから。
特に王太子殿下という嫌な奴に。
聖女ときくと、最初は性格の優しい人を思い浮かべていたのだけれど、現実は違った。
見た目は綺麗だったり、可愛かったりするのだけど、中身はそうでもなかったりする。
私はまだ性格の良い方で、あとの四人は誰が一番、聖女として優れているかを争って、ギスギスしている。
なぜ、優れているか証明したいかというと、聖女は王族と同等の権力を持ち、王子と結婚する権利があるからだ。
現在、この国の王子は第三王子までしかいない。
という事は二人あまってしまう。
しかも、いずれ国王となる第一王子の王太子殿下と結婚したいと、私以外の聖女が思っていて、余計に争いが激化している。
五人の内、あまる二人の内の一人は私だから良いにしても、あとの一人が王族と結婚できないとわかっているはずなのに、他の四人は王太子殿下が無理だとわかった時点で、他の王子に乗り換えようとしているみたいだから、聖なる力が使えたとしても、心の中はあまり綺麗ではないし、頭もそう賢くないように思う。
だって、私なら、今、フリーである第二王子か第三王子を今のうちに狙ってしまい、さっさと結婚してしまうだろうから。
王太子殿下は美少年として有名だけれど、第二王子、第三王子も王太子殿下程ではないにしても、整った顔立ちをしているし、何より、王太子殿下よりも性格が良い。
どうせ、いつかこの二人に乗り換えなければいけない日が来るかもしれないのなら、とっとと第二王子か第三王子か、好きな方を先に選んでおいた方が良いと思うんだけどなぁ。
第二王子と第三王子の方は、恋愛や嫁入りに必死になりすぎている聖女を嫌がっているから、正直なところ、あまるのは私も含めて四人になりそうだけど。
まあ、そんな事情により、聖女達は王太子殿下の心をつかむ為に、自分達の仕事を放り出して、日々努力している。
努力するのは良いけど、仕事はちゃんとしてほしい。
彼女達がやらない分は、私にシワ寄せがくるのだから。
「ミーファ、お願い! 次の遠征、私の代わりに行ってくれないかしら?」
今日は仕事が久しぶりにオフの日で、水色のワンピースに黒のカーディガンというカジュアルな格好で、のんびりと城の庭園にあるベンチに座り、厨房で作ってもらったサンドイッチを食べていたら、聖女仲間の一人であり、私と同じ年のキュララがやって来て、そう頼んで来たので、断る事にする。
「ここ最近、皆から頼まれてて、城でゆっくりした事ないんだけど? だから悪いけど、他の人を当たって?」
「今、ゆっくりしてるじゃない! あなた、たくさん食べ過ぎなのよ! 細い体なのに、よくそんなに食べ物が入るわね!」
キュララは私の横に置かれたバスケットいっぱいのサンドイッチを見て、気分が悪そうな顔になった。
バスケットは、ちなみに五つほどある。
これくらい、私はいつも余裕なのに…、皆が少食なのよ。
「今はそんな事は関係ないでしょ。それに、私が遠征したら、あなたは何するつもり?」
「もちろん、王太子殿下の所に行くに決まってるでしょ!」
「聖女なんだから、国民の為に働きなさいよ」
「駄目よ。そんな事をしていたら、争奪戦に遅れをとってしまうわ! それに、今回の場所は、あなたと仲の良い辺境伯の令息がいる所よ!」
キュララはピンク色の長い髪を揺らし、なぜか嬉しそうな顔で言った。
私達、聖女は担当は決めずに、順番に結界を張りに各地をまわっているけれど、やはり人間なので、相性というものがある。
その土地土地の領主に表向きは歓迎はされるのだけれど、私の見た目で判断し、侮辱してくる人間も少なくともいる。
もちろん、性格の悪くない人もたくさんいて、今、話に出た辺境伯の令息というのは、その一人で、明るくて真っ直ぐな性格の爽やかな青年だ。
リュークの所なら行ってもいいかな。
彼のご両親も良い人達だし、歓迎してくれそう。
リュークにも会いたいし。
私も次の行き先は決まってはいたけど、まだ日にちがあるし、先にリュークの所へ行こう。
「わかったわ」
「本当に!? きゃーん、ありがとう! 頑張って、王太子殿下をオトすからね!」
「いや、その前に仕事してよ」
私の言葉は彼女の耳には届いていない様で、返事もなしに駆け出していってしまった。
「ほんと、仕事しろっての…」
呟いてから、とりあえず、私は食事を再開する事にした。
詳しい話は、あとで聖女付きの侍女から話を聞く事にしよう。
侍女がスケジュール管理をしてくれているから。
「王太子殿下は今日も素敵ですぅ」
「これ、作ってみましたの。毒見役もいますから、ぜひ食べてみて下さいまし!」
「私の方が先に食べてもらう約束をしていたのですよ!?」
どこにいるかはわからないけれど、他の聖女達の声が聞こえてきて思う。
これはまた、落ち着いたら見回りにいかないといけない。
他の聖女達は、もう何年もこの様子で、この調子では、いつかやらかすな、と思った私は、他の聖女達が張った結界を、たまに見回る事にしていた。
たまに結界が張れていないところがあり、見つけた時は私が修復して、後で、誰が張ったかを調べて、こんな事があったと伝えるようにしている。
結界が張られているかどうか判断できるのは聖女しかいないから、こんな事があっても、誰かに知らせてもらう事は出来なかった。
たまに、魔物と目があった、とかいう報告が入るので、慌てて行ってみると、やはり結界が弱まったり、破られていたりした。
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